ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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『バトルスピリッツダブルドライブ』明かされるタツミとシシの過去

バトルスピリッツダブルドライブ』第14−15話 反乱する勇者の末裔

バトルスピリッツダブルドライブ』第14-15話では、タツミとシシの過去が明かされた。タツミは、暗黒バトラーの主将として、十二神皇を集めているが、本来、タツミは闇の存在ではなかった。タツミは勇者の長の末裔であり、弱まる世界の力を察知し、勇者の一族達を再興させようとしていた。勇者の長の証である辰の十二神皇を探すタツミの前に、謎の女性シシが現れ、タツミに「辰の十二神皇ウロヴォリアス」を渡した。シシは同時に、邪神皇を目覚めさせた。邪神皇を支配できれば、一族と世界はより発展できると、タツミを唆し、タツミは口車に乗った。


タツミの城に乗り込んだ茂上駿太達の前に現れたのは、勇者の末裔キキ・ベーレシアだった。キキは女性として生まれながら、男性の勇者として育てられた。勇者の役割が失われてもなお勇者として生かされる自分の壮絶な運命を呪っていた彼女の前にタツミは現れ、彼女に一族の再興という目的を与えた。勇者の役割を取り戻すために邪神皇を復活させるという彼女の言葉を、エト・エトシンモリ8世は理解できなかった。そして、タツミとキキは、「異世界の者は十二神皇を持つのにふさわしくない」と言っていた。まとめると、タツミは勇者の権益の復活を目論んでいて、邪神皇が復活し、スピリッツワールドの勇者の家系に生まれた者が十二神皇を携え集うことを望んでいたのだ。

 

権益の復活

タツミ達は、邪神皇の復活によって、勇者の権益が復活すると思い込んでいた。権益の復活のために邪神皇を復活させようとする勇者の末裔……それはまるで、ユダヤの国を作るために戦争をするイスラエル、あるいは、「誇り高きイスラム」の力を世に知らしめるためにテロ行為をするダーイッシュのようだった。あの日、勇者はひとまず役割を終えた。しかし、今、スピリッツワールドの活力が弱まり、再び勇者の力が必要になっている。散り散りになった勇者と十二神皇を集めるには、世界に危機を起こすしかないと、邪神皇復活を企むのだった。


勇者の役割は本来、平和を維持することのはずである。その免疫機能があるからこそ、世界の平和が保たれる。しかし、タツミ達は、一族の復興のためにその役割を平気で放棄した。キキ・ベーレシアは、「俺」から女性らしさを奪ってまで、「俺」を戦士にした運命を憎んでいた。だからこそ、逆説的に、邪神皇を復活させ、勇者の役割を取り戻すというタツミ(シシ)の野望に相乗りしたのだ。だが、勇者の今の役割は、かつての勇者が勝ち取った平和を守り抜くことである。タツミ達は勇者の役割を忘れている。そして、エトもまた、勇者の役割を果たしていなかった。いわば、タツミ達が復活させようとしているのは、勇者という地位とそれに与えられる職務だけであり、それを遂行する意志や能力は持っていなさそうだということだ。タツミは、綺麗な言葉の裏にある不確実性を認識していないと言えよう。

 

血統主義

タツミ達勇者の末裔は、自分が生まれた血筋を誇りとし、新たに勇者になろうとしている異世界の者を忌み嫌った。キキの相棒・ヨロイは、スピリッツワールドで生まれた戦士であり、その実力は確かなものだった。一方、ヨク・アルバトロサや茂上駿太は、異世界で生まれた。ヨクと駿太は、スピリッツワールドの文化に慣れておらず実力もまだまだだが、十二神皇に選ばれし勇者として確実に強くなってきた。にもかかわらず、タツミ達は、それを認めようとはしなかった。スピリッツワールドに生まれたことと勇者の末裔であることを重視し、そのどちらでもない2人を許さなかったのだ。


訓練していることを前提にすれば、十二神皇に相応しい勇者がいずれ現れるのだろうが、実際のところ、勇者は異世界を含め、散り散りになっている。もしかしたら、勇者の末裔としての自覚があるキキやタツミは極端な例で、勇者の末裔であることを忘れている人もいるかもしれない。バトルスピリッツすら知らない人がいるかもしれない。血統だけが強さの証とは言えないし、スピリッツワールドの人間だからバトスピが強いとも限らない。そんな中で血統を重視するのは非常に愚かである。

 

シシの真意

第14話で気になったのは、タツミがシシの話に乗せられていることだ。タツミは元々邪神皇の復活は望んでおらず、勇者の一族の再興のみを望んでいた。しかし、それに付随する形で、勝手に邪神皇の復活を目的に加えさせられた。タツミはシシの口車に乗せられる形でそれを受諾した。「あなたには邪神皇を支配する力があります」であればそれでよかったのだが、シシは「もし邪神皇を支配できるとしたら」という話しかしておらず、邪神皇を支配できる勝算はない。ここから想定できる展開は、シシは邪神皇の復活を望んでおり、十二神皇を悪の手に結集させることで勇者の活躍を阻止しようとしているというものだ。仮にタツミが邪神皇を支配することを有望視していたとしても、邪神皇を復活させることを事前に話していないのは問題だ。悪意の有無にかかわらず、シシに非があるのは確実であろう。

 


このように、タツミは数々の不確実性の中で、勇者の復活を夢見ていた。邪神皇の復活は、必ずしも勇者の復活につながらず、その勇者は強いとは限らない。タツミ自身にも、邪神皇が支配できる力があるとは限らない。果たして、タツミはその現実に気付くことができるのだろうか?

 

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