ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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『ウルトラマンオーブ』 人の日常を守るヒーロー

ウルトラマンオーブへの違和感

3話まで観てきて、ウルトラマンオーブに対する違和感が少し拭えた気がする。ウルトラマンオーブは、全く新しいウルトラマンを主張しておきながら、実際には既存のウルトラマン2体を組み合わせた姿で、ストーリーのところどころで既存のウルトラマンをリスペクトしていた*1。そのため、新しいというのが言い訳がましく感じていた。しかし、怪獣を倒したことで星を破壊してしまったウルトラマンオーブの絶望、弱小の調査団体SSP(Something Search People)、全く役に立たないVTL(ビートル:Versatile Tactical Lerder)隊の姿を見ていて、この作品のテーマに気付くことができた。この作品は、怪獣から地球を防衛するヒーローを切り取ったものではない。地球の平和を守るという段階に遥か達せず、人間らしい生活をしようと必死にもがく人々の様子を切り取っているのだ。

 

弱小調査団体SSP

SSPは、過酷な状況で、必死に仕事を成り立たせ、日常生活をしようとしている。彼らは家賃もまともに払えない自転車操業をしているが、悪のせいで副業のアルバイトや、シャワーを浴びることさえもままならない。隊員がいるウルトラシリーズでは、おそらく、隊員の隊員としての職務上の、人々との付き合いが主に描かれていたのだと思う。しかし、彼らはジャーナリストとして一般市民と付き合うことはほとんどなく、日常生活ばかりが描かれる。今回、水ノ魔王獣マガジャッパによって、シャワーも銭湯も使えなくなり、日常生活がままならなくなった。水という日常生活を取り戻すため、SSPは調査に向かったのだった。結果的に仕事を得ているわけだが、少なくとも早見ジェッタ自身は自分の身体に染み付いた悪臭を取るために必死だった。日常を守るということは、彼らにとって何物にも代えがたいのだ。

 

ウルトラマンオーブ/クレナイ・ガイ

クレナイ・ガイは、風来坊と言われているだけあって、様々な場所に現れる。2話では、都会の喧騒に風情ある景観を壊された下町で、少年に瓶の開け方を教えながら、ラムネを飲んでいた。これは、風来坊という設定だからやっているわけではないと思う。ガイは、心を閉ざし、本来の姿を現せずにいる。ガイ自身も日常を取り戻すために必死で、自分の本来の姿を取り戻せないながらも、「人間」らしく生きようと、もがいているのだ。ラムネを飲む、銭湯に入る、「オーブニカ」を吹く……彼にはウルトラ戦士である以前に、そういった日常がある。ウルトラマンオーブが戦うのは、単に怪獣を倒して地球を防衛するためではなく、人々の日常を守るためなのだと思う。当然、ビルが潰れたら人々の命が危ないし、仕事ができなくなる。大風が吹いたら、死の危険もあるし、徒歩を含むあらゆる交通網に甚大な被害が出て、生活に大きく影響する。オーブが怪獣を倒すことは、人々の暮らしを守ることにつながっているのだ。

 

VTL隊

VTL隊は全貌が明らかになっていないが、前作のXio(ジオ)に比べたら明らかに弱い。ヒロイン・夢野ナオミの叔父で、VTL隊員である渋川一徹は、とても気さくで人情深く、それなりに実力はあるようだ。でも、怪獣を倒せる力は持っていないようだ。今回、第3話でも、VTL隊は怪現象の原因を全く把握できておらず、情報収集能力も著しく低い。渋川一徹の人間性からして、彼自身は自分の日常を守ることができていて、姪を気遣う余裕がある。しかし、人々の日常、人々の命にまで対象を拡大すると、明らかに守れていない*2。VTL隊は*3、自分達の日常は守れているが、他人までは防衛できていない弱小防衛組織なのだ。

 

彼らは日常を取り戻すことはできるのか?

残り話数でオーブは残り2種のフュージョンアップを披露し、従来のパワーアップ形態として、オーブの本来の姿が登場するはずだ。そのためには、クレナイ・ガイは日常を取り戻さなければいけない。過去のトラウマとどう決別するのかが注目される。

 

*1:毎話、台詞の中に過去のウルトラシリーズのサブタイトルが含まれている。今回、第3話「怪獣水域」では、人々に害を撒き散らす怪獣を退治するというウルトラマンタロウのフレーバーが強かったように感じた。なお、ウルトラマンは専門外なので、他のシリーズも同様だったら申し訳ない。

*2:今回、自分の命は守れていた。

*3:今のところ、渋川しかいないので、なんとも言えないが。

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