ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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ポケモンGOはホビーアニメの常識を現実世界に持ち込めるか

ホビーアニメは非現実的すぎる だが、ポケモンGOは違う

ポケモンGOが日本で配信されて1週間。正直なところ、これほどまでに多くの人が外で遊ぶようになったことに驚いている。ポケモンGOは、アイテムを手に入れるためのガチャがマチナカに設置されていて、プレイ自体もマチナカで行われる。プレイのために必要なのは、スマートフォンと足(確認していないが、車椅子も含まれると思う)だけだ。散々言われていることだが、これまでのゲームは、家の中で遊び、運動を伴わないものだった*1。筆者も、子どもの頃、ポケモンのゲームに熱中しすぎて、母親に家から追い出された記憶がある。ゲームの中では「家の外」に出て冒険しているのに、実際は家の外に出ていないとは、現実は理不尽なものだ。アニメ『ポケットモンスター』では、サトシたちは家の外に出て冒険しているのに、子ども達は家の中で冒険するほかなかった。

 

一方で、ホビー玩具で遊ぶ際は、家の中で遊ぶことと家の外で遊ぶことがあった。例えば、遊戯王デュエルモンスターズ(トレーディングカードゲーム)やベイブレードといった玩具は、外で遊ぶことが可能であった。ただし、アニメのようにプレイできるかといえば、答えはNOだ。アニメと違い、玩具を巡って冒険できないし、修行しても強くなれないし、社会が玩具で成り立っていない。でも、ポケモンGOポケモンを媒介して、冒険し、修行し、社会を成り立たせることができる。現実世界がゲームになるのだ。

 

今日は、ポケモンGOを、ホビーアニメの再現という視点から考えていく。この記事では、上記で挙げたような特徴に絡めつつ、ポケモンGOの仕様や特徴について、まとめていく。

  

 

歩かないと強くなれないゲーム

ポケモンGOは、強くなるための修行として、歩くことを求めている。歩くことが、タイヤを担ぐことや「コンダラ*2」を押すことに値する。このゲームは歩かないと始まらない。歩かないと、家の外にある様々な恩恵を得られないからだ。

 

基本的に歩かないと手に入らないアイテムがある

ポケストップまたはレベルアップでしかアイテムがもらえないアイテムがある。ポケストップで手に入るアイテムは、トレーナーのレベルによって限られている。トレーナーが経験値を積まないと、いくら課金しようが一部のアイテムは手に入らない。一方で、レベルアップによってボーナスでもらえるアイテムがある*3。大抵、ボーナスでもらった新しいアイテムはポケストップで貰えるようになる*4。ポケストップは、もらえるアイテムの個数すら不透明な無料ガチャであり、レベルが上がるごとに不確実性も上がっていく。レベルが上がったトレーナーは、より歩くことになるだろう。

 

ポケモンを捕まえるために必須のモンスターボール。このアイテムは、モンスターに命中したときのみ、一定の確率で、モンスターを捕獲できる。レベルを上げることによって、上位のボールが手に入るようになる。上位のボールを使うと捕獲できる確率が高くなるが、捕獲するために技術が必要である。変化球を投げたり、タイミングが良かったりすると、ボーナスの経験値ももらえる。このアイテムは、ポケストップや、レベルアップ時のボーナス、あるいは、課金によって手に入るが、上位のボールは課金によっては手に入らないようだ。

  • ズリのみ

ポケモンを捕まえられる確率を上げるきのみである。ドラゴンクエストシリーズの肉と似たような効果だが、これだけではモンスターは捕まえられない。モンスターボールが必要なのには、変わりはない。このアイテムもレベルを上げることによって手に入るようになるものだ。

  • タマゴ

孵化させると、強化アイテムがたくさんついてくる。孵化するためには2・5・10kmの移動が必要だ。徒歩による移動が必須で、スピードのある乗り物に乗ってもカウントされない。「ふかそうち」はタマゴを孵化させるために必要なアイテムで、レベルアップか課金をしなければもらえない。

 

歩かないと新しいポケモンに出会えない

新しい種類のポケモンを捕まえるのは、大量の経験値を得る手段のひとつだ。だが、基本的に、自宅が一等地にある人でなければ、家の中で珍しいポケモンに会うことはない。一等地というのは、Ingressのプレイヤー人口が多く、ポケストップが密集している場所だ。珍しいポケモンに会うためには、自分から一等地に移動する必要があり、そのために外に出る必要がある。当然、珍しいポケモンの中には、捕獲できる確率が低いものがあり、歩いてモンスターボールを手に入れなければならない。そうなれば、休日に外に出て遊ぶことは必須になる。

 

ポケモンを戦わせるジムは外にある

ジムはトレーナーが経験値を得る大切な施設のひとつだが、ジムに指定されている場所に行かないと利用できない。経験値を得るには、勝つことが必須で、ポケモンを強化しなければならない。そもそも、ジムに挑戦するにはレベル5以上にならなければいけないので、そこまでにポケモンをたくさん捕まえて、ポケストップを巡る修行が必要だ。

 

ポケモンを強化するアイテムはポケモンを手に入れないと手に入らない

ポケモンを強化するアイテムは、ポケモンに付属している。手に入れるための手段は、現状、ポケモンをゲットすること、孵化させること、進化させることのみだ。ゲットによって手に入るポケモンのアメは3個のみで、一部のポケモンの進化には、大量のアメを必要とする。タマゴを孵化させたときは大量のアメが手に入ることもあるが、前述の通り、孵化には歩くことが必須である。珍しいポケモンを強化するには、その進化系統のポケモンをたくさん捕まえる必要があり、かなり歩くことになるだろう。このように、ポケモンGOでは、ポケモンの捕獲や強化が人間が運動することと密接にリンクしており、修行しないと強くなれないのだ。

 

 

社会に組み込まれたゲーム

もはや、ポケモンGOをプレイしていないと、社会の流れについていけないレベルになってきている。スマートフォンポケモンGOに対応しているものに切り替える需要や、一部でポケモンGOの通信料を割引するサービスも出てきているようだ。ブルームバーグも、バッテリー関連銘柄の高騰を報じている*5

 

実は、スマホというのが、社会現象の広まりを促進する大きな要因だ。スマートフォンはゲーム機と違い、ゲームをする目的のためだけに特別に買う必要がない。学校や仕事の行き帰りに、いつものスマホを使って手軽にプレイができる。子どもの頃、友達と遊んでいて、今日はゲームボーイを持ってきていないから遊べないとか、ゲームボーイの充電が切れてしまったということはなかっただろうか?スマホなら、基本的に持ち歩くのが普通だし、今は充電もモバイルバッテリーでできる。しかも、SNSを使えば、いつでも気軽に簡単に話題や情報を共有でき、友達と予定を合わせて遊びにいく必要もない(もちろん、友達とも遊べる!)。ポケモンGOは、プレイするための敷居が低く、いつでもみんなと遊べるのだ。

 

みんながポケモンGOをプレイする社会になれば、将来、ポケモンバトルが喧嘩に代わる、ホビーアニメのような社会も実現するのではないだろうか?現在は、共通の話題であったり、生活に大きな影響を与えている趣味にすぎないが、もしかしたら、多くの人にとっての生活の一部になるかもしれない。

 

ゲームの中の冒険=ゲームの外の冒険

ポケモンGOは、ゲームの中の冒険がゲームの外の冒険になっている。これまでも「ラブプラス」で、AR(拡張現実)技術を使って彼女と写真を撮る機能はあった。しかし、ポケモンの場合、GPSとリンクし、冒険に現実味を増している。地図上の銅像が現実にもあり、ポケモンを捕まえる際は現実の風景にポケモンが出てくる。もっと言えば、いつも使っている道や近所の公園にポケモンが出てくる。それに、現実の部分に目を向けてみよう。珍しいポケモンが出ると噂された公園や、大きな駅の周りは、ポケモンGOのプレイヤーでいっぱいだ。周りの人は全員ライバルだ。回復アイテム・スタバのフラペチーノを抱えているそこの彼女も冒険者だ。冒険者が可視化されると、まるでオンラインゲームが現実になったかのように思える。そう。これは、世界を冒険の地に変える画期的なシステムなのだ。

 

終わりに

ポケモンGOは、ホビーアニメのシステムを現実世界で巧妙に再現していた。まず、このゲームでは、歩いてこそ強くなれる。歩くことでアイテムを手にし、新しいモンスターに出会い、強敵に出くわす。強くなるためには、外に出る必要があるのだ。

 

次に、ポケモンGOは社会現象となり、社会に組み込まれた。スマートフォンや周辺機器の市場は活性化しており、我々消費者も様々なサービスを受けられる。それに、スマートフォンはその特性を生かし、様々な人を様々な時間に様々な場所でゲームに取り込んでいる。そのうち、我々の世の中がポケモンGOを中心に成り立つ社会になるかもしれない。そして、ポケモンは、ゲームの世界を現実のものとした。AR機能とGPSを駆使したゲームは、街を冒険の場所に変えた。装備を揃えたポケモントレーナーは今夜も近くの公園に集っている。それはまるで、オンラインゲームが現実になったかのようだ。


もちろん、これだけでは、ポケモンGOがホビーアニメだということに納得がいかないと思う。今回の記事は、ポケモンGOがホビーアニメのシステムによく似ているという話だったが、次の記事では、ホビーアニメの具体的にどのあたりがポケモンGOなのかを取り上げたい。

 

次回の記事

 

www.ajo-biani.com

 

 

*1:もちろん、すれ違い通信の存在は大きかった。ある時、現実のポケモンセンターの店舗に行くと、店の周りには、すれ違い通信目当てだと思われる人がたくさんいた。だが、運動をする必要はなかった。

*2:整地ローラーのこと。日本では、整地ローラーが登場する野球アニメ『巨人の星』の主題歌の歌詞にかけて、重い「コンダラ」と呼ばれる。そこから、重い整地ローラーを引くことがトレーニングになると考えられたのだろう。

*3:この記事では、これを「レベルアップ」によってもらえると表現する。

*4:この記事では、これを「レベルを上げる」ことによってもらえるようになると表現する。

*5:ポケモンGO旋風吹く米市場、バッテリー関連株を追いかける投資家 - Bloomberg

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