ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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ポケモンGOはホビーアニメなのか?〜努力、社会、冒険の観点から〜

ポケモンGOとホビーアニメの関係性の再考

ポケモンGOを使えば体を動かしながら強くなれるという話、ポケモンGOが社会を動かすという話、ポケモンGOが現実世界をゲームに変えるという話は前回した通りだ。しかし、どうもホビーアニメとの関連性を語りきれなかった気がする。そこで、ホビーアニメを軸にした記事を書き直した。この記事の主張を書き直すが、ポケモンGOポケモンを媒介して、冒険し、修行し、社会を成り立たせる可能性を秘めたゲームだ。このことをホビーアニメの事例に絡めて検討していく。

 

前回の記事

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特訓をすると強くなれる

ホビーアニメの世界では、玩具を扱うのに特訓や技術が必要だ。努力をしなければ、勝利は勝ち取れない。それが顕著に表れたのが、先日の『フューチャーカードバディファイトDDD』第14-15話だ。

主人公のライバル・龍炎寺タスクは、「エンシェントワールド」から来た巨大モンスター「デュエルイェーガー」に無残に敗れた。対抗するために強くなりたいという「バルドラゴン」は、修行を積むことにした。確認だが、バディファイトはカードアニメだ。モンスターカードは異世界から来たモンスターが返信する形態のひとつとされていて、モンスターは人間とバディを組み、共に成長する。なるほど、モンスターとして強くなれば、カードとしても強くなれることには納得がいく。しかし、この修行には、バルドラゴンのバディである主人公・未門牙王も参加していた。巨大な「デュエルズィーガー(イェーガーとは別物)」と戦うバルドラゴンの隣で、牙王はデュエルズィーガーのバディ・轟鬼ゲンマと戦っていた。


本来、体力や筋力があっても、カードゲームでは強くなれない。トランプで勝つために筋力トレーニングが必要という話は聞いたことがない。だが、ホビーアニメではそうなる。前回の記事で指摘した通り、ポケモンGOも、脚力やボールさばきがトレーナーの強さになっていた。一方で、ホビー玩具の中にも、体の力が少しは関係するものがある。


ベイブレードバースト」はスポーツとして売り出しているホビーだ。アニメ『ベイブレードバースト』では、主人公・蒼井バルトがタイヤを背負ってシュートの練習をしたり、パン屋を経営する母親の手伝いを(母親に「ベイの修行」だと言われて)したりしている場面がよくある。たしかに、ベイブレードはカードゲームに比べれば、体を動かす方だと思う。でも、だからと言って、タイヤを背負う必要はないだろう。ケイドロで勝つために走り込みをする人がいないのと同じだ。でも、アニメなら強くなれる。彼は、高速回転の「フラッシュシュート」が撃てるようになっていた*1ポケモンGOでも、おそらく脚力や体力のある人の方が強くなれる。日々の努力が我々を勝利に導くのだ。

 

世界はホビーで回ってる

ホビーアニメでは、玩具を中心に社会が成り立っている。紛争解決手段だけでなく、遊びや学校教育など、様々なところで、玩具が使われている。モンスターや妖精が登場するなどの場合も同様だ。記憶に新しいところでは、バトルスピリッツ烈火魂で、領地争いにカードゲームが利用されていた。領地を争うS級バトラー達は単にバトスピが強いだけではなく、為政者としての能力も持っていた。1対1のゲームではあるが、チームメイトはたくさんいて、S級バトラーへは仲間からの信頼も厚い。ポケモンGOにおいても、各地の為政者がプレイしたことが話題になっている。一方で、市民がプレイしたり、観戦したりする娯楽としてバトスピを楽しむ場面も普通にあり、様々なレベルで社会に根付いていることがわかる。ポケモンGOも然りだ。


もちろん、玩具が社会に悪影響を与えてしまう恐れもある。ダンボール戦機シリーズでは、楽しい玩具が政治的・軍事的な陰謀に使用されるほどの危険なものになってしまった。その玩具の名は「LBX」だ。LBXは手のひらサイズのロボットだが、電車を止めることができるほど強い。テロへの悪用だけならよいのだが、人工知能の暴走によって人類に危険をもたらすこともあった。楽しく遊ぶだけなら問題ないと思うかもしれないが、LBXがハッキングされ、他のLBXや人々を襲ってしまう事件もあった。ポケモンGOはむしろ、過剰な規制によって遊べなくなってしまうという懸念の方が大きいと思うが、むやみやたらに規制するのではなく、安全に遊べるための工夫を様々な主体が実施すべきだと思う。


さて、もともと玩具として開発されたLBXは、軍にLBX用の特殊部隊を作るほどの影響を見せる。それどころか、代理戦争の手段として確立してしまい、楽しく遊んでいたはずの子ども達を死の危険に直面させた。今のところ、ポケモンGOの危険性は歩きスマホぐらいだが、トレードや個別のポケモンバトルの機能の追加によって犯罪への悪用が容易になってしまう可能性がある。軍事的な懸念としては、中国の秘密軍事基地の位置などの情報をアメリカの企業に把握されてしまうという脅威論がある*2。今のところ、規制の緩い特別区を除く中国本土での配信はないようだが、現実世界の位置情報と密接にリンクしたゲームゆえに、今後も問題が起きそうだ。

 

町中がステージ

 

遊戯王を始め、カードアニメでは、外で自然を感じながらプレイすることも多い。『遊戯王デュエルモンスターズ』では、「デュエリストキングダム」と称して、デュエルリングをあちこちに設置した島で大会が行われた。屋内のリングもあるが、一方で、屋外のリングでは、その地形に応じて、モンスターがパワーアップした。「バトルシティ編」では、童実野町全域を使って、携帯できるデュエルディスクを用いた大会が行われた。「王国編」と違い、やりたいと思えばどこでもデュエルできる。デュエルディスクはのちのシリーズにも受け継がれており、『遊戯王ARC-V』では、ついに異次元に行けるようになった。


今や、デュエルは外で体を動かしながらするものになっていて、現実と大きく乖離している。もちろん、ポケモンGOであれば、航空機内以外だいたいどこでも遊べる。あらゆる場所にライバル達が集う。さすがに運動しながらではポケモンを捕まえられないが、ポケモンGOはそれほどアクティブなゲームになっていると思う。


一方で、ホビーアニメには、何気ない街並みが冒険の場所に変わるという要素もある。『獣旋バトル モンスーノ』や『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』『ガイストクラッシャー』のようなアニメでは、そもそも、玩具として販促されているものが劇中では玩具ではない。こうしたアニメの場合、玩具を使った実際の戦闘がマチナカで行われることがある。


冒険というと草原やジャングルが思い浮かぶが、都市の中でも冒険は成り立つ。読者の皆さんの中にも、近所の公園や駅がジムになっているという人がいると思う。そこでバトルをすること、あるいはその近くでポケモンを捕まえることは冒険なのだ。こうした冒険は、ポケモンGOでは毎日手軽にできるので、ホビーアニメより優れている。ポケモンGOの場合、あくまでゲームは画面上で行われるので、建物が破壊される心配はない。安心してほしい。このように、ポケモンGOは、人々にスマホ1つで出来る冒険を提供しているのだ。

 


検討してきた通り、ポケモンGOはホビーアニメによく似ていて、ホビーアニメを現実にもたらし、あるいはホビーアニメ以上のものを作り出す可能性を秘めていた。そうなれば確かに楽しいが、ポケモンGOを紛争解決に使用することを防止するなどの対策は必要だと思う。もちろん、悪の組織が現れて対策がいたちごっこになる可能性は否定できないが、ゲームをゲームとして楽しむ視点もまた、必要な気がする。人類は現実とゲームの交差の均衡点を見つけなければならないのだ。

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