ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツスターズ!』早乙女あこはアイドル失格!?

『アイカツスターズ!』第17話「本気のスイッチ」

アイカツスターズ!第17話では、四ツ星学園女子部の1年生4人が男子部の四天王であるM4のトーク番組に出演した。出演したのは、虹野ゆめ、桜庭ローラ、七倉小春、そして、劇組トップの早乙女あこだった。一見高飛車な性格に見えるあこだが、どうやらそうでもないようだ。

 

 

あこがしたこと

あこは、ファン意識丸出しでトーク番組に出演し、番組の雰囲気を台無しにした。あこは、出演者としてトーク番組に出演したのにも関わらず、大好きな結城すばるに媚を売った。すばるの好きなものの話などを突然振ったり、他の出演者の話を遮ったりして、自己中心的にトークを進行した。料理コーナーでは、すばるの好きな卵料理を作ろうとして、パートナーの小春を失敗させてしまった。すばるのことしか頭になく、周りに気を配っていなかったのだ。M4の吉良かなたは、すばるのためのアイカツではないと、あこに散々忠告したが、あこは話を聞かなかった。あこはプロ失格と言って間違いないだろう。

 

あこの反省

だが、あこは自分の間違いに気づき、反省した。わざとか天然かは知らないが、小春が席を外した際、偶然目にした台本を見て、自分がいかに自己中心的だったかに気づいた。ゆめの台本には、M4の近況に合わせた気の利いたトークメモや難しい漢字のふりがなが書き込んであった。対して、自分はすばるに媚びるだけで、ビジネス的なことや気の利いたことは一切言っていなかった。ゆめに刺激を受けたあこは、副題のように「本気のスイッチ」を入れて、ステージに立つのだった。

 

アイドルの在り方とは?

あこは、自分の過ちを反省できるし、失敗した仲間をフォローできるいい子だった。だが、なぜ失敗したのだろうか?詳しく検討してみる必要がありそうだ。そもそも、アイカツにおいて、アイドルは、高みを目指す主体であって、ファンに媚びを売る商売ではない。これまでもアイドルたちは、スターライトクイーンやアイカツランキングなど、大きな目標に向かって精進すると同時に、様々な活動で自己を表現してきた。もちろんファンは大事だが、ファンに媚びるとか、ファンと恋愛をするアイドルはいなかった。今のシリーズでも、虹野ゆめは白鳥ひめのファンではあるが、だからと言って、白鳥ひめを前に公私混同をすることはなかった。むしろ、同じステージに立つ先輩として、ひめを尊重していた。このように、アイドルは、ファンに平等の愛を振りまき、他のアイドルと切磋琢磨する存在なのだ。

 

アイドルとファンの関係

アイドルは、すべてのファンに同じ愛を振りまく*1。それは、肉体的・精神的関係を迫るものではない。アイドルは、性的サービスを提供する主体では決してないのだ。一方、ファンも、アイドルを恋人視したり、性的対象と見なしたりしてはいけない*2。アイドルはみんなのものであって、特定のひとりのためのものではないのだ。ファンはアイドルを応援し、アイドルはファンに感謝する。これが理想的なファンとアイドルの関係だと思う。

私自身、現実世界のアイドルを応援したことがある。だが、私は彼女を自分のものにしたいとか、彼女と性的な関係を持ちたいとは思わなかった。ステージ上で輝く姿を見たいから、応援したいから、イベントに通ったりしたのだ。特定の誰かがアイドルを独占することはあってはならない。それから、アイドルが提供するものは、肉体的・精神的快楽ではない。アイドルは、みんなに、幸福を届けるのだ。

 

アイドルとアイドルの関係

アニメにおけるアイドルは、自分を磨くための活動だ*3。ファンに恋愛感情を示すための活動ではない。大好きなすばるに媚びるあこは根本的に間違っているのだ。あこは自分を押し出すというよりも、大好きなすばるのことで頭がいっぱいだった。これでは、自分を磨いているとはいえず、アイドル失格である。しかし、反省したあこはステージで本気を出し、アイドルとしてすばるに実力を認めてもらった。言い換えれば、切磋琢磨する仲間として認めてもらったのだ。性別は違えど、すばるとあこは、本来、神崎美月と星宮いちご、星宮いちごと大空あかりのような関係になるべきである。憧れの存在であるすばると同じステージに立つことがあこにとってのゴールなのかもしれない。

 


検討してきたように、アイドルはファンを平等に愛し、他のアイドルと高みを目指して競い合う存在だった。現状、劇組トップである、あこの芝居がクローズアップされる雰囲気はない。しかし、劇組トップである以上、演技の才能は圧倒的なのだろう。すばるとふたりでトップを張れるような大女優になることが、あこには求められているのだろう。

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