ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツスターズ!』第18話 芸能界の表と裏!…の仕事について

裏方+表=セルフプロデュース

今回は、総選挙(物理)回でしたね。花の歌組幹部・芦田有莉の仕事を手伝ったことをきっかけに、ゆめは裏方の努力の大切さに気づき、「草の根活動」をするようになります。最初は、有莉の仕事を手伝っているだけでしたが、おかげで生徒会の資材や情報を借りることができました。それから、アイカツらしく(?)自転車でビラ配りをし、自主ライブを成功させました。

 

私は「コネも実力のうち」という言葉は大嫌いですが、このときは、努力が伴っていたので、実力と言って問題ないと思います。人気投票で上位に食い込むために努力するゆめは、四ツ星学園のセルフプロデュースの理念に最も近い存在だったのではないでしょうか?

 

  • 裏方の努力は見えづらいですが、重要。裏方のコネを使うには、表方での努力が必要です。
  • 虹野ゆめは表と裏を両方やることで、誰よりもセルフプロデュースをしていました。
  • 番組やショーを観るとき、裏にある努力にも目を向けましょう。

 

 

裏方は大事!

選挙にしてもライブにしても何にしても、大事なのは裏方です。普段、裏方はあまり表に出ません。そのため、出演者に比べて、努力の量や内容が可視化されづらいです。例えば、演劇など大掛かりなものに関しては、連日のミーティングや作業が必要です。大学で演劇部の裏方をやっていた友人は、授業以外全部作業だったり、(あまり良いことではありませんが、)授業をサボったりすることもありました。まさにサークル活動のせいで学業の成績が落ちるという本末転倒が起こっていました。でも、裏方の努力があったからこそ、舞台は良く見えるのです。今回、ゆめがやっていた「草の根活動」も、広告・PRのプロからすれば拙いのかもしれませんが、努力をしていることに変わりはありません。もちろん、努力の質や方向性も結果の質に影響を与えますが、まずは努力することが大事なのだと思います。裏方がいるからこそ活動は成り立つのです。

 

表も大事!

もちろん、出演者としての努力も大事です。でも、出演者が演技やショーに集中できるのは、裏方が頑張ったからです。逆に言えば、桜庭ローラ達イベントや番組に出演した勢は、歌唱などの表の活動に集中して取り組めていました。ただし、他人の活動に乗っているだけなので、セルフプロデュース度は低くなるでしょう。アイカツを人気取りの活動と考えれば、人気上位にランクインできた時点で、ローラや香澄真昼は勝者です。しかし、以前から述べている通り、アニメアイドルは自分を高めるための活動であります。歌を歌うことだけを頑張った人よりも、自分でステージを作り上げた人の方がアイドルとしての価値は高いはずです。今日放送された『劇場版アイカツ!』でも、星宮いちごのステージを作るために一般のスタッフだけでなく、スターライト学園の生徒も参加しました。このステージが成功したのは、いちご1人の力ではなく、仲間の協力があったからです。


ここに留意して本題に戻しましょう。今回の有莉のアイカツのポイントは、裏に徹していたわけではなくて、かつて出演した番組のスタッフのコネを使ったことです。今回宣伝をねじ込めたのは、「コネ」という、それ自体が自律したふわふわしたもののおかげではなく、実力や実績を知っていて、自分を信頼してくれているスタッフがいたからです。いちごの仲間たちも、努力があったからこそ仲間になったのであって、「コネというふわふわしたもの」によって無理やり仲間になったわけではありません。このように、表の活動は、裏の活動をするのにも役立ちます。出演者として努力を重ねることを怠ってはいけないというわけです。

 

表と裏の両立も大事!

表と裏の両立こそがセルフプロデュースの真骨頂です。今回、ゆめは表と裏を両方自分でやりました。もちろん、生徒会から色々借りているわけですが、それでもやったのは自分です。今回、仮設のアイカツシステムとそれを囲うテントが設置されていましたが、それもゆめがやったのだと思います。当然、投票のお願いも、自分が作ったビラと自分の足でやっていました。このように、ゆめは自分がアイカツをするために、歌うために、自分自身でいろいろやっていました。これは、弱小アイドルに限ったことではありません。部分的ではありますが、ゆめの憧れる白鳥ひめ達・S4や『アイカツ!』のアイドル達もそうです。S4の場合は、ただ歌ったりファッションショーをしたりするだけでなく、ステージの作り方に関して提案をしたり、差し入れをしたりして、表の仕事で忙しい中で裏方に対してもコミットしていました。それから前述の「大スター宮いちご祭り」が成功した理由のひとつが、いちごがシンガーソングライターの花音に曲のコンセプトを提示したり、ニュアンスの違いを感じ取りリテイクを出したりしたことでした。「私は出演者だから出演しかしません」ではなくて、裏方にも手を出すことが重要なのです。

 

ミスを責めるより努力を讃えよう

こうして、ゆめはセルフプロデュースに一番近い1年生になっていました。ステージなどを成功させるために努力する裏方は尊敬に値しますし、彼らの力なしではステージは成功しません。もちろん、出演する表側の人間も大事です。でも、最高のパフォーマンスを発揮するためには、裏方がステージを支えることが不可欠で、出演者と裏方との間に実績・実力に基づいた信頼関係があることも重要です。その信頼関係がいわゆるコネになり、他の現場で仕事をもらえたり、PRに協力してもらえたりするのだと思います。その2つを両立することももちろん大事で、それこそがセルフプロデュースにおいて大切なことです。コミットの割合はどうであれ、自分のアイカツをすることが重要なのです。

 

当然、これは現実についても言えることで、出演者がどう作品にコミットしたか、あるいは製作者がどのような努力をしたかは、映画やアニメを評価する上でとても大切です。爆死の戦犯を見つけるよりも、努力を讃える方が視聴者の姿勢としてより適切なのではないでしょうか?

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