ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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特撮ヒーロー三大シリーズ 同じとみなすと子どもやマニアが怒ります

現行の特撮ヒーロー3作品の特徴について

現在放送中の特撮ヒーローといえば、

  1. スーパー戦隊
  2. 仮面ライダー
  3. ウルトラマン

の三大巨頭です。興味のない人にとっては、全部「戦隊もの」に見えるかも知れませんが、視聴者層からしてみれば、全てを同一視することは非常に不愉快です。これらは全く違う作品なのですから。『仮面ライダーエグゼイド』も始まったことですし、今回は、その区別について書きます。

 

 

3作品の共通点

これらの3作品はいずれも男児向けの特撮ヒーロー作品で、主に未就学児や小学校低学年の子ども向けの玩具を販促するために放送されている番組です。玩具を発売しているのはいずれもバンダイで、その他は少しずつ放送局・制作会社・スポンサーなどが違います。スーパー戦隊仮面ライダー東映ウルトラマン円谷プロです。それ以外は違うことばかりなので、その違いを見ていきましょう。

 

スーパー戦隊:1の力を5分割

同じ正義を共有する5人の仲間

スーパー戦隊は、同じ力を持つ若者たちがチームになって悪の組織に立ち向かう作品です。フォーマット(形式)は1つにとらわれず、防衛隊に所属しているケースや、一般の家庭で生活しているケースなどがあります。同じ力というのは、基本的に同じ変身システムを使って色違いの同じ姿に変身するということです。チームメイトですから、仲間同士が反発しあうことはあっても、戦士の力を使って争うことは滅多にありません*1。5人(3人の場合もあります)が個別武器を合体させてバズーカ砲を作ったり、個別メカを合体させて二足歩行の巨大ロボを作ったりします。

 

5人とは異なる追加戦士

夏休みごろ(早ければゴールデンウィークごろ)になると、追加戦士が登場します。追加戦士は、レッドを含む5人とは異なるシステムで変身します。これは販促上の都合でもありますが、5人とは異なる存在であるという意味もあります。すでに完成したチームに異なる存在が入り込むという変化や逆境を乗り越えて、1つの戦隊が完成するのです*2

 

善と悪の二項対立

あくまで5人(3人)の絆と、悪との対立をメインに描いていて、殺伐とした人間関係になりにくいのがスーパー戦隊です。一部の戦士は悪の戦士として描かれていますが、逆に、本来は怪人であるにもかかわらず、結果的に正義にカウントされている戦士もいます。悪は倒すか、仲間にするというのが戦隊のセオリーです。「こいつを仲間にしていいのか?」という疑問が隊員から出てくることもありますが、変身して戦士同士で争うことはありません。

 

仮面ライダー:1の力がたくさんいる

同じ根源を持つヒーロー

仮面ライダーには様々な作品がありますが、大きく分ければ、シリーズが一旦終了する平成初期までの昭和ライダー、平成12年にシリーズが再開して以降の平成ライダーに分かれます。両シリーズに共通するのは、正義と悪が同じ根源を持つ力を使って戦うことです。『仮面ライダーエグゼイド』でいえば、ライダーもバグスターもゲームの力で戦います。ここからは、昭和と平成で違うことについて考えましょう。昭和ライダーは、悪の軍団や正義の博士に改造された改造人間が正義の心を持って戦うという作品で、ある程度のフォーマットがあります。正義は共通の敵を持ち、悪は組織を作って暗躍していました。例えば、歴代ライダーが集合して、共闘することもあります。

 

異なる正義の平成ライダー

逆に、平成ライダーは、正義がひとつに収斂しません。平成ライダーは、(ときに邪悪なアイテム*3の力によって)異形の力を得た若者たちが、互いの想いをぶつけ合うという作品です。スーパー戦隊と違って目的を一にしないので、ライダーが互いを相手に戦うこともあります。ライダーが大勢になることもありますが、スーパー戦隊のように大勢のライダーが共闘して敵を倒すことは、ほとんどありません。2-3人ならよくあります。

 

集合映画になると、全ての正義を脅かす巨悪が登場するため、他のシリーズのライダーと共闘します。エグゼイドでライダー同士が仲良くしていないのに、『仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー』でライダーが共闘しているのは、そういう理由からです。

 

混ざり合う正義と悪

多くの平成ライダーには自分の正義がある*4のですが、中には悪の仮面ライダーもいます。明らかに破壊や悪事を目的にしているライダーがいて、彼らは単純に悪の戦士として扱われます。悪といえども玩具は発売されるというのが面白いところです*5。一方で、怪人だけれども正義のために戦うという者もいます*6。前作『仮面ライダーゴースト』でいう仮面ライダーネクロム/アランです。その他にも、正義と悪が対立するという大局を変え、相互理解を促したいというライダーがいます。とにかく、正義VS悪の二項対立ではないことを覚えてください。

 

ウルトラシリーズ:1の力を1に満たない者の集合体が助ける

人間社会の闇

ウルトラシリーズは、スーパー戦隊以上に話がテンプレート化しています。ウルトラシリーズでは、戦士の力を得た若者、もしくは人間の姿を得た戦士が防衛隊の中に潜入し、防衛隊と協力して悪の宇宙人や怪獣に立ち向かいます。単純に正義が悪を討つという内容ではなく、怪獣・宇宙人との戦いや、善良な宇宙人との交流で、人間社会の醜い部分が露わになります。


今回の『ウルトラマンオーブ』で出て来たギャラクトロンも、生物の命を奪わなければ生活できない地球の文明を破壊してリセットしようとしました。ウルトラシリーズには、このように大人の視聴者に考えさせる内容が多いです。ファンがエピソード単位で語れるというのもウルトラシリーズの特徴で、『ウルトラマン』の「故郷は地球」(ジャミラ登場)や『ウルトラセブン』の「ノンマルトの使者」は有名だと思います。ウルトラマンは、シリーズ自体が定型の社会批判作品になっているのです。

 

敵もキャラクターのうち

ところで、CMでギャラクトロンの人形が販促されていたのはお気づきでしょうか? 普通であれば悪者の玩具など販促しないはずですよね。でも実は、ウルトラシリーズでは敵もキャラクターとして認められていて、バルタン星人やカネゴンのように広く名の知られたものがいます。ウルトラシリーズでは、基本的に世界観が一つしかないので、こうした有名な敵が何度も登場します。最近では、主役級のウルトラマンビクトリーやウルトラマンXが怪人の力をまとって戦うなど、敵の玩具が第一線で販促商品化しています。ここまで敵が愛されるのは、他のシリーズにはない特徴です。

 

ウルトラマンと防衛隊の協力

話を元に戻しましょう。ウルトラマンは地球の防衛隊に潜入して戦います。潜入ですから、基本的に正体は明かしません。防衛隊は、地球を守る正義の戦士として語り継がれてきた伝説の光の巨人・ウルトラマンを全力でサポートします。(上層部が「宇宙人は悪」と決めつけてウルトラマンへの攻撃を命令する場合もあります*7。 ) 彼らの力は時に弱く、戦闘機が墜落することもあります。


そうしたシーンにウルトラマンが登場し、ご存知の通り、約3分間戦います。戦闘機のおもちゃも出ているので、必ずしもウルトラマンが敵を倒さなければならないというルールはありません。ウルトラマンがピンチのとき、1に満たない防衛隊が1の力を発揮して、怪獣を倒すことだってあります。ウルトラマンと防衛隊は支え合っているのです。もちろん、これもウルトラマンの定型的要素のひとつです。言い換えれば、ウルトラマンは、人間の光と闇を描く作品のフォーマットというわけです。

 

まとめ(ここを見た方が手っ取り早いです)

スーパー戦隊は、5人(または3人)が同じ正義の元に集った戦闘チームです。正義と悪の二項対立がやや明確になっていて、5人(3人)が協力し、悪の組織に立ち向かいます。合体バズーカや合体ロボが象徴的な戦力です。物語がある程度進むと、5人とは別の存在として、追加戦士が現れます。追加戦士は別のシステムを使っていて、別の価値観を持った存在です。その存在といかに打ち解けられるかが中盤のテーマになります。正気の正義の戦士同士が争いあうことはほとんどありません。


仮面ライダーは、同じ力の根源を持つ正義と悪が対立するドラマです。正義同士でも対立があるのが特徴で、戦士ごとに見た目が大きく異なります。悪のライダーや正義の怪人もいて、正義と悪の二項対立が明確ではありません。悪のライダーのアイテムもおもちゃとして発売されます。昭和ライダーでは、悪の組織や正義の博士に改造された改造人間が仮面ライダーを名乗って悪の組織と戦います。平成ライダーでは、変身アイテムの力などで怪人と同等の存在になった若者達が想いをぶつけ合う様子が描かれます。


ウルトラマンは、人間と異星人や怪獣との戦いを通じて、人間社会の光と闇を描きます。人間の若者がウルトラマンの力を得て、あるいはウルトラマンが人間の若者の姿を借りて、地球の防衛隊に極秘に潜入するというのがよくある設定です。ウルトラマンは防衛隊と協力しながら、異星人や怪獣を倒します。しかし、その戦いを通じて、人間社会の残酷な部分が暴露されます。このシリーズは単純な善悪の対立を描くものではありません。ちなみに、怪獣や星人はシリーズ間で受け継がれ、玩具やグッズが発売されます。これは戦隊やライダーにはない特徴です。

*1:洗脳された時は別です。

*2:登場して以降も、5人の基地とは別のところで暮らしたり、毎回の最初の戦いがあって初めて合流したりします。(戦いの途中で現れて参戦します。)

*3:アイテムを装填するライダーが増えてきています。差別化のために、ベルトではなくブレスレットや武器にアイテムをセットして変身するライダーもいます。ですが、大きなベルトがついていれば、十中八九ライダーです。

*4:例えば、「俺は悪の怪人だけ倒す」というライダーと、「怪人は全て悪だ。私は全ての怪人を倒す」というライダーがいます。

*5:最近ではeコマースが発達しているので、マニア向けの商品も商品化できるようになりました。

*6:平成ライダーには、文明を持つある種族の生き物(怪人)がいて、それらが組織とは関係なく暴れまわっているというケースもあります。

*7:ウルトラマンにおける悪のウルトラマンは、基本的にウルトラマンベリアルただひとりだけです。

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