ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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子ども向けアニメの「子守回」について

ベイブレードバースト』第28話「山だ!川だ!嵐の大冒険!!」

小紫ワキヤの別荘でベイブレード合宿をしている米駒学園ベイクラブは、野外炊事や川釣りなどをして楽しんでいた。その途中で、蒼井バルトの弟と妹の常夏と日夏(ニカ)は、高い木に果物が成っているのを発見し、練習試合の賞品にしようとする。兄達が試合をしている間、常夏と日夏はこっそり果物を採りに行くが、大雨に見舞われてしまった。ワキヤは2人がその果物に興味があることを知っていたので、責任を感じて常夏と日夏を探しに行った。常夏と日夏を見つけたワキヤだったが、壊れそうな吊橋を渡る以外、帰る方法がなくなってしまった。高所恐怖症のワキヤは勇気が出せずにいたが、バルトの協力で立ち上がり、2人を助けることができた。


この回は、ベビーシッター回・子守回に分類される話だった。常夏と日夏は小学生とはいえ、バルト達と比べたらまだ幼い。幼い子を放っておいたり、外出中に目を離したりすれば、大変なことになる。このように、小さい子を預かることには責任が伴うのだという結論に誘導する話が多い。今回は、子どもを守るために勇気を出さなければいけないときもあるというのが教訓のひとつだった*1。赤ちゃん視点で好奇心を掻き立てる内容のものもあるが、子育ては大変だという内容に終始するものもある。時によってメッセージが変わるのも子守回の特徴である。

 

 

レゴニンジャゴー』の場合

レゴニンジャゴー*2シーズン2第1話では、伝説のニンジャになるという予言を受けた子ども・ロイドにスポットライトが当てられた。ロイドを一人前のニンジャにするため、ニンジャ達はトレーニングに適した高級住宅を借りることにした。しかし、家賃はべらぼうに高く、アルバイトをして稼ぐしかない。ニンジャ達は家を留守にしてずっとアルバイトをしていたのだが、ロイドの目の前には悪者のヘビヘビ族の魔の手が迫っていた。偶然、師匠達が帰ってきて難を逃れたが、誰も帰ってこなければロイドは誘拐されていた。必要なのは高級なトレーニング設備ではなく、ロイドと一緒にいることだと気付かされるニンジャ達だった。


この回の教訓は、子どもを一人で自宅に放置してはいけないという北米では当然のルールだった。これは、日本ではなかなかない表現かもしれない。日本ではおそらく、「きちんとお留守番できるかな?」という内容が主流のはずで、まさに日本人にとって大切な教訓である。

 

『マイリトルポニー』の場合 その1

『マイリトルポニー』の日本放送分には、ベビーシッター回が2回あった。1回目は子どもの世話をする回だ。服飾の仕事をするラリティーの元に、妹のスウィーティーベル達「キューティーマーククルセイダーズ(CMC)」が押しかけ、仕事を邪魔した。そこで、普段は動物を預かっているフラッターシャイが代わりに預かることになった。優しい性格のフラッターシャイは、天使のような子どもたちだと思っていたが、CMCは彼女の手には負えなかった。CMCは夜になってもなかなか寝付かず、フラッターシャイは困り果てていた。そんな中、寝付いたと思われたCMCが、小屋から脱走したニワトリを追って、帰らずの森に入ってしまう。帰らずの森には、睨んだ生き物を石化させるコカトリス(頭がニワトリで胴体がヘビ)が住んでいた。CMCはコカトリスに遭遇してしまうのだが、フラッターシャイはコカトリスを睨み返して抵抗した。コカトリスを追い払うことに成功し、無事子どもたちを守り抜くことができた。


この回では、学校に通う比較的年齢の高い子どもを預かっていて、きちんと話せば言うことを聞いた。そのため、次の2つの教訓が示されていた。ひとつは、子どもは動物と違って予想外の行動をするため、世話をするのが難しいということ。もうひとつは、保護者の言うことを聞かないと危険な目に遭うということだった。つまり、好奇心も大切だが、それには危険がつきものだということだ。一方で保護責任者も、子どもを可愛いものとして見るのではなく、自由な意思を持った存在として認識しなければならない。様々な事態を想定して管理しないと、今回のような事態になってしまうのだ。

 

『マイリトルポニー』の場合 その2

2回目は、遊びが大好きでお調子者のピンキーパイが、キャロットケーキ・カップケーキ夫妻の間に生まれた赤ちゃんのベビーシッターを申し出た。ピンキーパイは、最初は赤ちゃんの遊び相手をする楽しいお仕事だと思っていたが、徐々にその大変さに気づかされる。赤ちゃんを泣き止ませることもできず、オムツ替えもうまくいかない。ようやく赤ちゃんを寝かしつけたと思っていたが、双子のユニコーンとペガサスは、魔法を使ったり、空を飛んだりして、脱走してしまった*3。ピンキーパイは必死に捕まえようとするが、振り回されてしまう。ついにピンキーパイは泣き出してしまい、逆に赤ちゃんが笑わせて泣き止ませた。ピンキーパイは赤ちゃんの世話をすることが遊ぶことではなく、責任を持つことであると学んだ。


この回でも、子育ては大変であるという内容を扱ったが、赤ちゃんが相手なので、子ども側の教訓はなかった。むしろ、保護責任者側に強い教訓が示されていた。ピンキーは他のキャラクターに比べて子ども寄りである。そのため、弟や妹がいる子に向けたメッセージととってもよいだろう。赤ちゃんは言葉も話せず、大人が当然のようにできることもできないので、保護者が努力しなければならない。この回のような極端なことは起こらないが、乳児は目を離すと何をするかわからない。乳児は24時間予断を許さない状況にあるということだ。赤ちゃんと遊ぶことは楽しいかもしれないが、危険や困難が伴うということも知っておく必要があるというのが今回の教訓だった。

 

以下、2016/10/18追記

テンカイナイト』の場合

テンカイナイト*4の子守回では、主人公の仲間・蜂須賀チュウキの妹・キイロの世話をすることになる。キイロはませた女の子で、主人公たちは彼女に振り回される。チュウキはサッカーの助っ人に呼ばれて行ってしまうなど、無責任な部分も見せたが、鷲崎セイランが進んでキイロの世話を買って出た。


ところが、「惑星キューブ」で異常があったため、キイロのぬいぐるみが「テトラ化(モノや人が六面体の集合になってしまう現象)」してしまった。セイランは「ブロック」を近づけることでぬいぐるみを(一瞬だけ)元に戻したのだが、機嫌が悪くなったキイロは「ブロック(変身とワープに必要)」を持って立てこもってしまった。

 

帰ってきたチュウキは、キイロの好きなものを用意するなどして機嫌を直そうとするのだが、うまくいかない。セイランは「ブロック」はキイロのぬいぐるみと同じように大事な相棒だ。俺と相棒で君の相棒を救うから、ブロックを返してくれと、キイロを諭した。キイロは言うことを聞き、セイランにブロックを返したのだった。


この回では、子ども側には「わがままを言ってはいけない」とか「人のものをとってはいけない」という教訓を与えることができる。一方で、大人側は「子どもは優しく教えてあげないとわかってくれない」というのが主な教訓だろう。ただし、妹の安全に対して責任がある兄のチュウキがいなくなったり、小さな子どもがいる家を留守にしたりするなど、北米資本のアニメにしては穴がある。ベビーシッター回として放送するには、もう少し配慮が必要である。


プリキュア』『プリパラ』『ここたま』

プリキュアはシリーズによって異なるが、『魔法つかいプリキュア』では、女の子が赤ちゃんの世話をすることをある種、義務付けられた。並列した『プリパラ』と『ここたま』でも、赤ちゃん(もしくは妖精の子ども)を主人公が育てることになってしまった。


これらの作品は、赤ちゃんを育てることが女性の当然の義務と受け取られかねない展開になっている。『プリパラ』では、空から落ちてきた誰の子ともわからない赤ちゃんを主人公が育てることになった。後々になって、その子の正体が乳児化した女神であることが判明する。一方、『かみさまみならいヒミツのここたま』でも、主人公が大切に使っていた色鉛筆から生まれた「かみさま(妖精)」を、一人前に育てた見返りに願いを叶えるという契約のもと、主人公が世話することになった。


『プリパラ』ではみんなでお世話する(ただし、一般には秘密)という方向性に落ち着いたが、『魔法つかいプリキュア』では、主人公2人で育てることになっており、『ここたま』でも、ここたまと契約を交わしている人物(主人公とライバル、2人のみ)以外に存在を知られてはいけなかった。誰にも子育ての苦しみを告白してはならず、むしろ、喜ばしい営みとして享受しなければならない雰囲気が出来上がっていた。


こうした赤ちゃんを育てる玩具を発売する女児向けアニメでは、あくまで子育ては楽しいという結論に持っていかなければならないので、考え方が極端になってしまうのだろう。結果的にこれらの作品は、女性には生まれつき母性があるという母性神話を示唆しかねない内容になっていた。

 

以上、追記

 


このように、子守回には、様々なシチュエーションと教訓がある。赤ちゃんをモチーフにした玩具を発売する企業もあるが、子育てをただ楽しいものだと決めつけてはいけない。売る側としては楽しさを伝える必要もあるのだろうが、子育ての大変さを伝えることも子育て玩具の使命のうちである。一方で、今年、児童が山林で置き去りにされる事件があった。こうしたアニメの場を通じて、親にメッセージを送ることも大切なのかもしれない。

*1:見方を変えれば、自然には好奇心にかられる要素があるが、危険もあるという教訓もあった。

*2:レゴニンジャゴー』は、レゴのニンジャにスポットを当てたシリーズである。自然の力・エレメントパワーと、高速回転で竜巻を出すスピン術を使って、ニンジャが様々な敵に立ち向かうという作品だ。伝説のグリーンニンジャだと見抜かれたロイドは、主人公達・若者4人のエレメントを全て使える設定だった。

*3:ユニコーンは魔法を使う種族で、ペガサスは空を飛べる種族である。ピンキーパイは大地に根付くアースポニーなので、どちらも使えない。

*4:主人公たちは不思議な「ブロック」を手にしたことで、異世界で戦う勇者に選ばれる。六面体で構成された異世界「惑星キューブ」と地球とを行き来しながら、地球の安定すらも脅かしかねない悪に立ち向かう。

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