ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『トミカヒーローレスキューフォース』レスキュー×ヒーロー

人命救助を目的とするヒーロー

鳥取県が地震に見舞われている今だからこそ紹介したいヒーローがいる。その名は、『トミカヒーローレスキューフォース』。これは、いわゆる「はたらくくるま」やレスキューツールを駆使して、人知を超える災害「超災害」に立ち向かうレスキュー隊員の活躍を描いた作品である。多人数の戦士が異なる色で同型のスーツを着るが、東映が作っているわけでもなければ、スーパー戦隊シリーズでもないので、戦隊ものと呼称することはここでは避けたい。


トミカヒーローといえば、JAM Projectが主題歌を歌う続編の『トミカヒーローレスキューファイアー』の方が有名だが、この作品はその前作に当たる。世界観を共有しており、一部の人物はレスキューファイアーに再登場する。とはいえ、実はこの作品も、前番組『魔弾戦記リュウケンドー』と世界観を共有している。この作品がすべての原点という訳でもないというわけだ。


だが、熱きレスキュー魂は、この作品から受け継がれているものである。レスキューフォースは戦いではなく、人命救助のためにレスキュー魂を燃やしていたのだ。

 

 

レスキューツールを武器代わりに

レスキューフォースの目的は、戦いではなく救助だ。これはレスキュー隊がモチーフの特撮では普通のことだが、このシリーズの他の2作品から見れば、浮いている。レスキューフォースには基本的に武器がなく、レスキューツール(ハンマーなど)を武器代わりに利用する。主役に当たるR1の強化形態・R1マックスが使う「マックスディバイダー」にはソードモードがあるが、『魔弾戦記リュウケンドー』でも刃が仕込まれている武器があり、その流れだろう。

 

メカの必殺技には上司の承認が必要

メカの必殺技「ファイナルレスキュー」には危険が伴うため、承認が必要である。『レスキューファイアー』に登場する「爆裂的に鎮火せよ!」「爆鎮完了!」はレスキューフォースからの流れを汲んだものだ。承認のプロセスは以下の通りである。


隊員「ファイナルレスキューを要請します!」(ファイナルレスキューの使用許可を要請する。)


隊長*1「ファイナルレスキュー承認!爆裂的に鎮圧せよ!」(ファイナルレスキューの使用を許可し、任務の達成を命令する。)


隊員「ファイナルレスキュー!◯◯!爆鎮完了!」後述する必殺技カードを裏返しにしてポーズをとる(ファイナルレスキューの使用を宣言し、任務完了を報告する。)


なお、二足歩行型ロボは後半まで登場しない。それから、後継作のレスキューファイアーと違い、メカには基本的に女性隊員が搭乗しない。それどころか、女性隊員のR4に看護師兼薬剤師という役目があり、若干男尊女卑である感が否めない。ただ、後半は男性隊員のR1・R2がともにビークルに乗る機会が増えてくるため、地上で悪と対峙することが多くなる。全合体をするときなどは人手が足りないので、R3・R4もビークルに登場する*2

 

着装できる場所が限られる

レスキューフォースは、超災害があった際と、訓練の際、あるいは指導などで外部施設を訪れている際にしかスーツを着装できない。レスキューファイアーと異なり、基地の中でしか着装が行えないのが特徴だ*3。つまり、非番中やスーツを着用しない任務の際は、出場が遅れるのだ。回によっては、隊員のひとりが要救助者になって、その回では着装しない。もちろん、他の要救助者とともにいるため、当然、そこにドラマが生まれる。お当番回なのに変身しないという異色の回もあるのが、レスキューフォースならではの特徴である。

 

×必殺武器 ◯強力なレスキューツール

スーパー戦隊の合体バズーカに当たるものがない。代わりに、チェーンソー型・薬剤散布機型に変形できるレスキュークラッシャーがバンク付きで使用される。前述のマックスディバイダーもディスクカッターになり、様々なものを切断する。こうしたアイテムは、硬い扉などの破壊やウィルス災害の対処に使用されるが、攻撃に利用される状況は限定的だ。

 

戦いの目的は人命救助

このように、レスキューフォースの戦いの目的はあくまで人命救助のためである。二足歩行ロボットが活躍し始めると人命救助という感が薄れるが、ある回で人命救助が目的であることが確認される。自分(隊員自身)の命が保証できない場合は、たとえそれが人命救助のためだとしても、救助活動ができない。常にそのことが確認されているのがこの作品である。

 

おまけ:ハイクオリティのCGと実際にありそうなビークル

今作のメカは、実車以外全てCGである。第41話では、CGメカのモチーフになった東京消防庁ハイパーレスキューの車両を紹介している。つまり、かっこよさ重視というわけではなく、実際に「はたらいている」ことを重視しているわけだ。ただし、メカの必殺技(ファイナルレスキュー)は、消防車で災害の元を凍らせるなど、非現実的でダイナミックな演出になっている。はたらくくるまをダイナミックに描くというのが、レスキューフォースのやり方だ。


実車に関しては、日産のものを使っており、これがCGメカのコックピットとなる*4。スーパー戦隊シリーズでは、ロボットのコックピット用にセットを作っているが、今作では車体を黒背景のスタジオに置いたものがコックピットになる*5。ハンドルを使って操作を行い、特に今作では、カードリーダー型のアイテムにカードを通すことで、ファイナルレスキューを発動する。このカードリーダーは、要救助者の探知のための機能もついていて、高機能な救助用デバイスであった。いずれにしても、今作はメカに対してもリアリティを重視していた。

*1:隊長として、仮面ライダーバース/伊達明役でもある岩永洋昭さんが出演している。岩永さんの初々しい姿が見られるのも今作の特徴だ。

*2:レスキューフォースの主役はブルーのR1である。レッドは女性のR3であり、その点においては他のスーパー戦隊パロディとは一線を画する。

*3:スーツを着ている状態で任務に出た場合はヘルメットを着脱することができるが、スーツを着ないで外にいる場合、着装できない。

*4:もちろん、タカラトミーなので、こうした車がトミカにもなっている。

*5:次作では、一部ビークルのコックピットがセットになっている。

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