ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アベンジャーズ・アッセンブル』第7話 少年時代には輝かしい功績がある

アイアンマンはいかにしてアイアンマンになったのか?

『アベンジャーズ・アッセンブル』第7話では、自分が子どもに戻ってしまうという経験を通じて、アイアンマンが自分のルーツを見つめ直した。

 

 

 

『MARVELアベンジャーズ・アッセンブル』第7話「トニー・スタークの少年時代」

トニーの少年化

インフィニティ・ストーンの1つ・タイムストーンの行方を突き止めたアイアンマン/トニー・スタークだったが、タイムストーンが胸のアークリアクターと融合してしまう。タイムストーンは過去から、未来から、恐竜やロボットを呼び寄せ、ニューヨークは大混乱。おまけにトニーはどんどん若返り、スーツを着ることができなくなってしまった。


子どものトニーは感情的で、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャースに反抗していた。キャップはまるで父親のようなのだという。しかし、レッド・スカルが牢屋から脱走すると、キャプテン・アメリカがトニーから離れてしまい、無防備になってしまう。ロボットの攻撃でビルは損傷し、防御システムも作動しない。でも、レッド・スカルはタイムストーンと融合したトニーを狙ってくる。


トニーは、知恵と子ども特有のずる賢さ・すばしっこさを利用して、スカルを翻弄した。ビー玉でスカルを転ばせ、ホログラムで惑わせ、キャプテン・アメリカ用のトレーニングメニュー(鉄球)でめためたにした。マイティ・ソーの部屋に誘導し、ビルジ・スナイプ(モンスター)にスカルを襲わせた。

 

過去の栄光

そうしている間に、トニーは自分の部屋に到達し、部屋から古い箱を見つけた。その中には「A+」の評価がついた宿題や、誕生日パーティに行けない父の代わりにロボットアームに祝われる少年トニーの写真、そして、少年トニーが最初に設計したアーマーの設計図が入っていた。このアーマーはアークリアクターがないためにうまくできなかったのだが、今は使えるらしい。


トニーが工房で新しいスーツを作っている最中、スカルは基地内でクロスボウを見つけていた。トニーはスカルのいる工房に来たが、トニーは隠れていた。しかし、スカルの目はアイアンマンのヘルメットに反射したトニーの姿を捕らえた。タイムストーンの力でスカルも若返り、トニーは大ピンチになる。

 

僕のヒーロー キャプテン・アメリカ

だが、そこにキャプテン・アメリカが現れた。キャップがスカルと交戦している間にもトニーはアーマーの製作を続ける。キャップがピンチになると、ジェットスケートを脱ぎ捨て、スカルに(もちろんジェット噴射で)投げつけた。アーマーを完成させたトニー少年は、それを身に纏い、「アイアンキッド」になった。アイアンキッドのリパルサーは強力で、レッド・スカルを一瞬で蹴散らした。


でも、トニーが大人に戻るには、タイムストーンと分離しなければならない。キャップは君ならできると励ますのだが、トニーは失敗を恐れた。トニーは、自分の気持ちは勇敢なスーパーヒーローであるキャップにはわからないという。だが、キャップは、トニーは昔からヒーローだったじゃないかと諭した。トニーは自分の手でストーンを抜いた。


元に戻ったトニーは、子どもの頃、キャプテン・アメリカに憧れていたことを思い出し、スティーブ本人に語った。写真に写るトニー少年はキャプテン・アメリカのコスチュームを身につけていたが、キャップから本物の盾を借り、トレーニングを始めた。

 

過去を見つめるということ

冒頭、インフィニティ・ストーンが時間に関係しているということが判明したくだりで、何人かのメンバーの過去に対する価値観が示された。ホークアイは過去が好きではない。だが、キャップとソーは過去から学ぶ姿勢が強く、過去を肯定していた。


でも、トニー・スタークは過去に対して否定的なイメージを持っていた。「過去には進化しきれてない恥ずかしい自分がいる」からだ。だが、子どもに戻ってしまったトニーは、そのイメージを変えることになる。たしかに、子どものトニーは傲慢だったり、八つ当たりしたりする。だが、好奇心は今より強かったし、アーマーのプロトタイプだって設計していた。

 

トニー・スタークの原点

さらにすごいのは、自分が嫌いだと思っていたはずのキャプテン・アメリカが、実は憧れの存在だったことだ。トニーの記憶では、トニーはキャプテン・アメリカが嫌いだった。しかし、写真は事実を語っていた。少年トニーがキャプテン・アメリカの仮装をしていたのは、キャップを尊敬していた証拠だろう。しかも、盾は手作りしていた(アイアンマンの原点!)とあらば、その敬意は疑いようがない。キャップに恐怖を告白したのも、キャップを信頼し、最高のヒーローだと思っていたからだろう。いわば、キャップはトニーの原点だった。トニーは子どもに戻ることで、自分がヒーローになった理由を思い出したのだ。

 

ヒーローになるということ

ヒーローになることはスーパーパワーを身につけたり、大きな輝かしい功績を残したりすることではない。ヒーローになるとは、ヒーローとしての資質を持つことである。たしかに、子どものトニーは無力だ。なのに、全世界・全宇宙がかかっていることをしなければならない。だが、トニーはアイアンマンになれなくても、勇敢にスカルに立ち向かっていた。キャップはそんなトニーに対し、マスクを取って次のように語りかけた。

 

私はキャプテン・アメリカになる前から勇敢だった。トニー・スタークはアイアンマンになる前からヒーローだった。


トニーには、レッドスカルと勇敢に戦った、あるいは、スーツを自作した輝かしい功績がある。どんなに大きな責任をかけられようとも、勇敢で強い自分に自信を持つべきだと言いたいのだろう。持ち前の勇敢さこそがヒーローの資質であり、アイアンマンでなくともトニーはヒーローであったのだ。

 

少年期の尊さ

少年期には、夢や希望が詰まっている。たしかに、傲慢で醜い自分を思い出すのが怖い人もいる。だが、そこにはしがらみにとらわれない勇気ある自分、忘れてしまっていた素晴らしい実績、そして、今、夢を追いかけている本当の理由がある。アベンジャーズを観ている大人など、所詮、少年時代を抜け出せずにいる「アダルトチルドレン」なのかもしれない。だが、少年期を肯定的に捉えることもできるのだと、今回のエピソードで学ばされた気がする。皆さんも自分の原点を探してみてはいかがだろうか?

 

余談:ジェットスケート

あのシーンでディスク・ウォーズ:アベンジャーズを思い出した人も多かっただろう。あの作品はちょうど、トニーが子どもと交流する作品だ。少年アキラ・アカツキにプレゼントした「ブースタースケート」が暴走し、アキラはピンチになる。

 

トニーはどちらかといえば、子どもが苦手な方で、論理的な行動を好むイメージがある。だが、アキラは同僚のアカツキ博士の息子であり、実体化できないトニーの右腕になっている。トニーは父親の代わりとして立派にアキラを守り抜き、共に成長した。もちろん、これはありえたかもしれないトニー・スタークのひとりにすぎない。しかし、トニーであっても、長い時間をかければ子どもと向き合えるということは留意しておくべきだ。

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