ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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女児向けアニメから見えるアニメがオタクと子どものものではなくなっている現状

高度化する女児向けアニメ

近頃、ワイドショーで深夜アニメが紹介されることが少なくなくなっている。「オタク」の「萌え文化」に蔑みの眼差しを向ける人は少なくなり、アニメを観ることが一般化しつつある。アニメを卒業するという概念に関しても、否定する人が増えているのではないだろうか? アニメは身近なものとなり、もはやオタクや子どものものではなくなっている。

 

 

神々が登場する女児アニメ

アニメの普及の影響を受けているのは、何も深夜アニメだけではない。子ども向け、特に女児向けアニメ*1ではその影響が色濃く表れている。例えば、神を扱うアニメが増えている。『プリパラ』の第3シーズンでは女神をストーリーの中心に据え、番組内でオリジナルの神話や神々の対立を描いている。『リルリルフェアリル〜妖精のドア〜』でもオリジナルの神話に言及し、恋に敗れた妖精が人間に変わってしまったという架空の話を展開した。神への言及は世界観に深みを持たせ、話を複雑にしている。

 

『かみさまみならいヒミツのここたま』にも付喪神「ここたま」が登場していて、主人公の少女や視聴者の子どもたちに物を大切にすることを説いている。物を大切にすることを説得するものは、神から報いがあるということだけである。どうやら神に言及すると、メッセージの重みが増すようだ。

 

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宿命に言及する女児アニメ

それから、特殊能力や登場人物の宿命に言及している作品もある。『アイカツスターズ!』では選ばれし者の宿命という内容を扱っており、特殊能力に目覚めてしまった主人公の苦悩を描いている。特殊能力を使って成功するのではなく、特殊能力に苦しめられている様子を描いているのが非常に印象的だ。『魔法つかいプリキュア』でも、不思議な妖精「はーちゃん」が女神の生き写しであることが判明し、視聴者に衝撃を与えた。こちらは謎に迫りすぎず、あくまで少女たちの日常に基点を置いている印象がある。いずれにせよ、謎を追って視聴者をわくわくさせるような展開が増えているようだ。このように、女児向けアニメは高度になってきているのだ。

 

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なぜ高度化しているのか

アニメに対する親のニーズが高度化している

内容の高度化の理由として考えられるのは、視聴者のニーズが高度化していることだ。プリキュアは子どもだけを満足させ、あるいは子ども騙しで満足を錯覚させる番組ではなくなっている。低レベルの話を展開していたのでは親への訴求力に欠け、玩具の売り上げにつながらない。朝の時間帯・ゴールデン帯の女児アニメの目標はあくまで玩具を売ることなので、女児にだけ響いても意味がないのだ。

 

女児のニーズが高度化している

もうひとつ考えたいのは、女児のニーズが高度化している可能性だ。小学生がYoutuberに憧れる時代、子どもにとってサブカルチャーは身近な存在になっている。おそらく「厨二病」「邪気眼」「ラノベ」といった概念も広まっているのだろう。いわば子どもの舌は肥えてきており、ただのお姫様、ただの妖精では満足いかなくなっているというわけだ。もちろん放送倫理上、人が次々に死ぬような展開はできないだろう。だが、壮大な世界観や過酷な運命に立ち向かう少女が好まれる傾向はサブカルチャーが身近である限り続くはずだ。このように、視聴者のニーズが高度化していることが女児向けアニメの高度化の一翼を担っていると考えられる。

 

子ども向けは侮れない

女児向けアニメが高度化しているのは、ここまで見てきた通りだ。女児向けに限らず、子ども向けアニメは、もはや「たかが子ども向け」と侮るべきものではなくなってきている。多くの深夜アニメと違って確実な収入のリソースがあり、海外を含む多様な協力会社と連携して作っているというのも特徴だ。中には子ども向けの方がクオリティが高いと、好んで見ている人もいるらしい。万策尽きる深夜アニメを嗤って見送るぐらいであれば、数百円〜数千円の子ども向けアニメグッズを買って応援してほしい。

*1:女児をターゲットに玩具やゲームを展開しているアニメを、便宜上このように呼称する。男児やトランスジェンダーの子どもが作品を観ること、ならびに販促物を購入することを否定するものではない。

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