ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『デジモンユニバースアプリモンスターズ』第11話 ネットの海へ デジモンらしさ溢れる回

甦るデジモンの魂

アプモン第11話では、セブンコードを奪った謎のスーパーハッカー・レイを追うため、新海ハルたちがネットの海に突入した。ネットの海とはいわゆるデジタルワールドのことで、ARフィールドの先にある。デジタルワールド編ということもあり、冒険したり、住民のアプモンが登場したり、ボスデジモンと戦ったりと非常に中身のある回だった。所々にデジモンっぽさが漂う回で、デジャヴを感じる場面があったという人もいるのではないだろうか?

 

 

第11話「ネットの海にダイブせよ! スーパーハッカー レイを追え!」

レイにセブンコードアプモンのアプモンチップを奪われ、落ち込むハルたち。しかし、落ち込んではいられない。相変わらずレイのジャミングによってガッチモンの検索は使えないが、ネットの海に行けば手がかりがつかめるかもしれない。ハルたちはARフィールドの奥にあるネットの海へ向かった。


砂浜ではグルメモンが海の家を開いており、そこで人間がレビューモンの島に来ているという情報を得ることができた。レビューモンの島にはレビューモンがいたが、ハルたちがレイの着ている黒いパーカーの話をすると逃げてしまった。


代わりに出てきたのは、色違いで黒いパーカーを着ている裏口コミアプリのアプモン・コソモンだった。コソモンはエリのプライベート情報と引き換えに、レイの情報を渡した。それはレイがネットの海で何かを探しているというものだった。


あまり有用ではない情報にがっかりするハルたちだったが、そこにボスアプモンであるサクシモンが現れた。サクシモンは碁盤を展開し、マスごとに罠を張り巡らせた。サクシモンの策を前にドカモンとミュージモンがやられ、ドガッチモンのドガッチバスターも反射させられた。さらに、ハルたちは壁に挟まれ、押しつぶされそうになる。しかし、そこにレイは現れた。


レイはレイドラモン(ハックモン)とともに碁盤を破壊した。サクシモンを追い詰めたと思ったが、それですら策であった。サクシモンは策を使わずとも強いのだ。サクシモンは策がないとつまらないので撤退するが、レイを脅迫して去っていった。レイがしきりに叫んでいた名前「ハジメ」……レイドラモンによれば、その正体はレイの弟なのだという。だが、レイドラモンに大事なことを言われ腹が立ったレイは、お前らのチップを全てもらうと言った。

 

ネットの海

ネットの海は、ウェブの内側にあるデジタルワールドである。現実世界とネットの海を隔てているものがARフィールドであり、ARフィールドでは現実とネットがクロスしている。ネットの海では全てがデータになっており、濡れないし、息ができる。ちなみに、浜辺ではデータもろこしやデータはまぐりのようなデータフードが売っており、人間でも味を感じて食べることができるようだ。


さて、データの海には「島」と「海流」がある。これは現実世界でいうサーバーとネット回線に当たる。デジモンアドベンチャーからクロスウォーズまでのデジタルワールドと違い、海の中にデータの塊とデータの流れが表示される形になっている。「海流」に乗るとサーバーまで移動することができ、サーバーの中には従来のような島の景色が広がっている。

 

醸し出されるデジモンらしさ

前述の通り、今回は所々デジモンらしかった。例えば、グルメモンはサクシモンの手中にあり、情報は全て罠だった。ボスアプモンのいいなりになって悪さをしていたというわけだ。それから、レビューモンの島では、レビューモンとコソモンの対立関係・力関係が示唆されていた。こうした演出はどことなくデジモンを感じさせる。

 

あるいは、弟を探しているレイや、レイのために余計なことを喋るハックモンにも従来のデジモンのキャラクターを感じさせる部分があった。そもそも、スタッフは脱デジモンを謳っているようだが、デジモンという悪しき遺産を潰すという意味ではないらしい*1。今回も、デジモンの歴史を受け継いでいくんだという強い意志が感じられたように思う。

 

デジモンの土壌を大切に

このように、第11話はデジモンっぽい回だった。たしかに、旧デジモンが全く登場しないということもあり、残念だという人もいると思う。でも、バンダイ・東映アニメーション含めスタッフはきちんとデジモンを尊重しているはずだ。もちろん『デジモンアドベンチャーtri.』というものもあるが、今の「デジモン」にもぜひ目を向けてもらいたいものだ。

 

余談:エリ様の人柄

今回、花嵐エリ様の裏口コミ情報を渡すという下りで、エリ様の裏の顔が晒されるという場面があった。エリ様はシリーズ構成が同じ『アイカツ!』の藤堂ユリカ様を土台にしたキャラクターだと思う*2。道理でツンデレキャラだけれど、実はいい子という設定になっているわけだ。椅子に上るときに靴を脱ぐ、神社の石段でおばあさんを背負う、映画を観て泣くなど、人柄の良さが目立っている。


一方で、「2階の窓からドッカンパンチよ!」「日の出とともにドッカンパンチよ!」という具合に、一見汎用性がない「ドッカンパンチ」という口癖をユリカ様以上に多用している気がする。脚本家の多くが『アイカツ!』と同じということもあり、スタッフは楽しんでやっているのではないだろうか?*3

*1:アプモン:“売れっ子”脚本家・加藤陽一の仕事を聞く 決めぜりふ誕生秘話、放送作家時代の影響も - MANTANWEB(まんたんウェブ)

*2:今回の脚本は平見瞠さんによるもので、加藤陽一さんのものではない。

*3:劇場版『アイカツ!』の配給元である東映の関連企業の作品であり、メインスポンサーも同じなので、パロディすることに問題はないと思う。

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