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ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

ホビーアニメ、海外産アニメ、女児向けアニメなどを観て、変になってしまいました。プリティーリズムシリーズや現在放送中のホビーアニメを中心に、このキャラがかわいいとか、そのアニメが社会に伝えたい価値は何なのかまで、様々な情報を発信していきます。

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『バトルスピリッツダブルドライブ』勇者の末裔が美人魔王に騙されるまで

勇者の栄光をめぐる物語

バトルスピリッツダブルドライブ』は十二支をモチーフにした伝説のカードをめぐるシリーズである。前回43話で、敵の主将である悪に堕ちた勇者が1年間、美女に化けた悪の魔王に騙されていたことが判明した。この作品は、真の勇者とは何なのかについて視聴者に問いかける内容となっている。この記事では、この作品について振り返る。

 

 

 

物語の背景

十二神皇と邪神皇

この多元世界の中心に位置するスピリッツワールド。この世界は「ソウルコア*1」を力の源としており、バトスピのはじまりの地でもある。この地はかつて、「邪神皇」によって大きな災いに見舞われた。だが、「十二神皇」を使役する勇者によって邪神皇は封印され、災いは治められた。今、封印されたはずの邪神皇が再び力を強めている。『エトシンモリの巫女』エトによって、ここに異世界から2人の「勇者」、茂上駿太ヨク・アルバトロサが召喚された。ここから邪神皇を討つための戦いが始まる。

 

暗黒バトラーの結集

十二神皇を集め、邪神皇を復活させようとする悪の軍団が「暗黒バトラー」である。その長であるタツミは、勇者の長の末裔だ。タツミは、かつて繁栄していた勇者の一族が没落したのは、世界から脅威が消えたためだと考えていた。だが、ちょうど今、この世界の力の源であるソウルコアが流出し、世界が力を失っている。


そんな時、謎の女性・シシの導きで、タツミは勇者の長の証である「辰の十二神皇ウロヴォリアス」を手にした。そして、邪神皇を復活させて支配することで、世界は再び活気を取り戻し、一族も繁栄することができると吹聴された。それを信じ込んだタツミは、彼を恩人と慕うイヌイ将軍、同じく一族の衰退を憂える黄色の勇者の末裔 キキ・ベーレシアらとともに、世界中の十二神皇を探し回っていた。

 

物語のはじまり〜勝利の栄光と敗北の悲劇〜

強敵・大牙和巳(たいが・かずや)を下し、バトルスピリッツの全国大会で優勝した茂上駿太はレアカード「午の十二神皇エグゼシード」を手にする。その夜、急にカードが光り出し、駿太は異世界・スピリッツワールドへと誘われる。


楽しいゲームにおける勝利を喜んでいた駿太だったが、その裏でひとつの大きな悲しみが生まれたことを見逃してはならない。駿太に負けた和巳は、行方をくらました父親に会いたい一心で勝利を収めてきたのだ。ある日、和巳の父はバトスピのデッキを置き土産にして和巳の元から去っていった。母は、涙を流しながら和巳を抱きしめていた。


それ以降、専業主婦だった母は外で働くようになり、和巳はひとりぼっちになった。でも、バトスピの大会に勝利することで自分に興味・関心を持ってくれる友達はたくさんできた。勝利をするたびに、愛に対する欲求が満たされたような気がした。そんな中、和巳は家族で出かける茂上駿太を見かけた。駿太は自分が失ったものを持っていた。


あの日、和巳は駿太に敗北することで、勝利の栄光ー自分に愛を与えてくれるものーを失った。和巳はのちにシシによってスピリッツワールドに召喚されることになる。

 

和巳のその後

タツミが強力な辰の十二神皇を使って駿太を倒した後、エグゼシードの新たな使い手として、和巳が召喚される。和巳は駿太に怒りをぶつけ、十二神皇を持たない駿太をコテンパンに叩きのめした。その後、和巳はヨクや新たな十二神皇を手にした駿太の前に敗れることとなるが、シシにその感情を利用され、悪のアルティメット*2と契約を結んでしまう。

 

スピリットであるエグゼシード中心のデッキを組んでこの世界にやってきた駿太は、アルティメットに歯が立たず、持っている2枚の十二神皇を奪われてしまった。駿太を倒して再び十二神皇を手にした和巳の胸には喜びの感情はなく、虚しさだけが残った。その後、和巳はシシの忠実な僕となり、復活した邪神皇の使役者となる。

 

タツミの絶望

タツミはウロヴォリアスの強力な効果で多くのバトラーを絶望させてきた。ウロヴォリアスは、ステップ(ターンの手順)ごとにスピリットからコアを取り除く効果を持っており、コアがなくなったスピリットは破壊される。この効果を使い、タツミは勇者の血を引かない「偽りの勇者」・駿太を(一度)倒した。しかし、タツミはコアブースト(コアを増やす戦法)を使うヨクの前に敗れ去り、ウロヴォリアスを奪われてしまう。


他の暗黒バトラーによってウロヴォリアスを奪還し、新たに「巳の十二神皇ティアマドー」を手にしたタツミは、再びヨクに挑む。今度は、ティアマドーの効果を使ってヨクを倒した。これにより、タツミは全ての十二神皇を手に入れた。


これで邪神皇を支配できる。世界に繁栄を取り戻し、勇者の一族を復興することができる。そう思ったタツミだったが、そううまくはいかなかった。タツミが邪神皇を支配できるというのは嘘だった。シシは邪神皇そのものであり、邪神皇こそ最強のアルティメット(=スピリッツワールドにおける最大の禁忌)であった。邪神皇が復活し、十二神皇が敗れ去った今、スピリッツワールドを守る者はいない*3。「愚かな男」タツミはどん底に突き落とされるのだった。

 

ソウルコアの行方と異世界の勇者の目的

なぜスピリッツワールドの十二神皇が茂上駿太やヨク・アルバトロサの世界にあったのだろうか? それはソウルコアという媒体を通じて、バトルスピリッツが様々な世界を旅してきたからだ。駿太とヨクの十二神皇は、スピリッツワールドの禁忌であるアルティメットに対抗するため、異世界のパートナーとアルティメットに対抗するための力を手に入れたのである。


タツミはソウルコアの流出を、世界の力が衰えているゆえに起きた事故と捉えており、異世界からきた勇者も、行方不明になった十二神皇を運搬するための手段としか思っていなかった。しかし、駿太とヨクが、タツミのような血だけ引いた形だけの勇者よりもよほど勇敢であることは、この1年間で示されている。我々は、ソウルコアによって導かれた彼らがいかに邪神皇に立ち向かっていくかを見届けようではないか。

 

おまけ:誇り高き勇者たち

物語の本筋にはあまり関わらないが、重要な登場人物たちだ。

 

ヨク・アルバトロサ

もう一人の主人公、ヨク・アルバトロサの存在を無視してはならない。ヨクはバルガルドという、駿太とは違う異世界の出身だ。その世界では紛争をバトスピで解決しており、名門アルバトロサ家の一員であるヨクはバトスピに誇りを賭けていた。異世界の住人ゆえ、駿太とは意見が合わずすれ違うこともあった。だが、バトスピに賭ける熱い想いは駿太と同じである。

 

イヌイ将軍

イヌイ将軍は、タツミを恩人と慕っている。「亥の十二神皇カラミティ・ボア」を手にしてからは、暗黒バトラーの主戦力として活躍した。タツミのことを敬愛しているが、シシのことは疑っている。

 

キキ・ベーレシア

キキは男子として育てられた勇者の一族の少女である。男子として、勇者として育てられたのに、平和な世界で勇者としての役割を持たない彼女は、タツミと同じ志を持って戦ってきた。シシが異世界から人間を召喚し始めると、シシの方針を疑うようになる。

 

メイ・メリーハッダ

メイは未の十二神皇グロリアス・シープを託された村の少年だ。当初はバトルをあまり好まなかった。山札からカードを6枚捨てることで攻撃を防いでくれるグロリアス・シープの効果に頼って、デッキ切れで敗北していた。カードを奪われたときも、駿太たちに代わりに戦ってもらう始末だった。しかし、仲間とともに成長したメイはもう一人で戦えるようになり、一人前の勇者になった。メイは名実ともに真の勇者である。

 

サンドラッド

サンドラッドは十二神皇を狙う盗賊であり、本当は悪い人だった。暗黒バトラーのスパイとして駿太たち一行についていくが、メイの純粋さに心動かされ、改心した(?)。かのように思われたが、タツミから奪ったウロヴォリアスを勝手に持ち出し、暗黒バトラーに負けて奪われてしまう。

 

*1:バトスピで使用できる「コア」の一種。コアはカードの使用に必要なコストの役割をしていて、その中でもソウルコアは特別なものである。ソウルコアを使うことで発動できる強力な効果もある。

*2:アルティメットは十二神皇をはじめとするスピリットを超越した(スピリットとは別の)存在で、スピリットのみを対象とする効果を受け付けない。駿太たちの異世界で日常使いされているこのカードは、スピリッツワールドでは禁忌とされている(イスラム圏における豚肉をイメージしてもらえればわかりやすいだろうか)。特に、ソウルコアを破壊して発動する効果「ソウルドライブ」は、スピリッツワールドの民にとって最大の侮辱である。そして、精神が研ぎ澄まされ、この世界と繋がっているエトシンモリの巫女にとって、アルティメットの召喚と効果の発動は何物にも変えがたい苦痛だ。

*3:バトスピのファンタジー系作品の共通設定として、伝説級のスピリットやアルティメットが世界のどこかに眠っているというものがある。ソウルスポットと呼ばれる場所に眠っている十二神皇を探して、駿太たちは旅をしてきた。スピリットは眠っている間に力を蓄え、中にはアルティメットとなるものもあるようだ。長い間眠っていた邪神皇もまた、力を蓄え、十二神皇よりも強くなったのだろう。