ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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「スーパー戦隊シリーズ」「平成仮面ライダーシリーズ」の時間移動:日曜日がぶっ壊れる

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Photo via PEXELS

 

300億円惜しい

テレビ朝日から日曜朝に報道の新番組「サンデーLIVE(仮)」を放送することが発表された。これに伴い、これまで「ニチアサ」として子ども向け番組が放送されてきた時間帯が事実上の終焉を迎える。プリキュアシリーズの時間は変更されず、その後で9時から「平成仮面ライダーシリーズ」、9時半から「スーパー戦隊シリーズ」の放送となる。平成仮面ライダーは放送開始以来初めての時間帯移動となり、スーパー戦隊も約20年ぶりに放送時間が変更される。

 

 

参考:

www.itmedia.co.jp


この影響を大きく受けるのは小さな子どもを持つ親とされている。だが、それだけに止まらない。子どもや大人のライフスタイルが変わり、これまでニチアサファンに定着してきた朝の習慣が崩壊する、ひいてはその界隈のビジネスモデルが変更を迫られることが容易に考えられる。休日の朝、早起きしてニチアサを観て、レジャーや野球などの習い事に行った子どもたち、家族で出かけた子どもたち。お店や専用劇場に行った大人のファン。20年間当たり前にされてきたスタイルが失われるのだ。

 

ポジティブなリアクション

時間帯変更に対して前向きな意見を言うとしたら、リアルタイム視聴としてのテレビが役割を終えたということに尽きる。録画技術や動画配信サイトが発達した現代において、何百円払ってビデオテープを借りるとか、ビデオテープから古い放送を消していくという文化(私の子どもの頃の文化)は消滅しているに等しい。最近では、録画をHDDやDVDに残して好きな時に観られるようになっているし、定額制の動画サイトのTVCMでは、子どもが古い特撮作品を観ている様子が流れている。リアルタイムの1回のチャンスに賭けるよりも、何度も見返して実体験(≠追体験)する方が子どもの視聴スタイルに合っているようだ。


ただ、傍から見れば、ニチアサという300億稼ぐポテンシャルのあるウマイ番組枠を手放しているに等しい。8時半-10時にして本当に視聴してくれるのか、従来通り玩具が売れて従来通りのスポンサー料がもらえるのか、全くもって不透明だ。この采配が失敗して、利益が減ってしまったら自業自得と言えるだろう。


とはいえ、ここで考えたいのはテレ朝側の損得勘定ではない。ニチアサの時間帯変更で生活がどう変わるかだ。新体制のニチアサをリアルタイムで観る場合と観ない(あとで観る)場合で、何が起こるか考える。

 

 

ニチアサを視聴した場合

売り方への影響

10時までニチアサを観てしまうので、親子連れの出発が出遅れる。レジャー施設やショッピング施設などは1時間*1以上、客足のピークがずれる可能性があり、日曜日という貴重な稼ぎ時に影響が出るかもしれない。これが巡り巡れば、レジャー・ショッピングを始めとする産業の衰退につながる。子どもがいる家庭の生活スタイルが変わるとなると、様々な業界が売り方の見直しを迫られることとなりそうだ。


となれば、消費者である我々も当然影響を受けるわけで、例えば商業施設の開店時間の後ろ倒しや道路状況など、様々な変化につながると考えられる。これはニチアサと関係ない人にも、関係のある問題なのだ。

 

活動の制約

活動開始時間が遅れるので、当然、活動の内容が制限される。もちろん、冒頭に指摘したように、子どもが朝の番組を観るために起きてくれなくなるので、生活のリズムが崩れるという問題もある。あるいは、早く起きてしまった子どもを落ち着かせる手段がなくなるという指摘もある。だが、ニチアサの後ろ倒しは子どもだけではなく、家族の活動にも影響を及ぼしかねない。


遠方の施設にはなかなか日帰りで行けないし、午前中の活動は絶望的だ。よくて、着いたらすぐお昼だろう。キャラクターショーを観にデパートや東京ドームシティシアターGロッソ(注:昔でいう後楽園遊園地)*2に行くとすれば、観る回はお昼以降になる。逆に、釣りなどの早朝レジャーができるようになるかもしれないが、その場合、ニチアサを観てもらえるかはわからない。いずれにしても、活動開始時間が1時間ずれるだけで、社会全体に損失が発生するはずだ。

 

コミュニケーションの減少

それ以上に重大な問題は、親や祖父母と子どもとのコミュニケーションが減ることだろう。遊びに費やす時間が減少するため、当然、休日の祖父母や両親とのコミュニケーションも少なくなる。もちろん、朝の番組を一緒に観ることもコミュニケーションの手段のひとつではあるが、一緒に出かけたり遊んだりする機会が減ると、子どもの成長に影響するかもしれない。

 

ニチアサを視聴しない場合

各所の売り上げへの影響

行楽や習い事を優先してニチアサをリアルタイムで観なくなれば、玩具の売り上げが減少し、最悪の場合、番組は終了。それを放送していたテレビ朝日系列の収益も減少する。もちろん、消費の主体はおうちの方や祖父母なのだが、玩具を需要しないことには何の意味もない。そもそも、玩具が売れないということは、何も東映(アニメーション)とバンダイだけの問題ではない。流通*3や小売り*4も打撃を受ける。最近ではイベントやコラボショップ、ゲームなど展開は多岐に及んでいるので、それが全部潰れればどうなるかなど、言うまでもないだろう。


玩具の王様とも言うべきニチアサの玩具が売れなくなれば、ホビー玩具を使った遊びよりも伝統的な玩具を使った遊びが重視されるようになる。音の出る玩具が著しく減ると思うが、子どもの知育へ影響が出るかもしれない。もちろん、これは最も悲観的な予想だ。でも、リアルタイムで観られる人が減れば、確実に売り上げは減るだろうし、子どもの生活に変化が出るのは間違いない。

 

休日の活動への主体性の低下

出かける前に朝の番組が観られないので、内容が気になり、習い事や仕事に集中できない。朝の番組のことが念頭にあるので、遊んでいても楽しくない。最近では、ワンセグに対応している携帯端末は減少しているので、お出かけの移動中に観るということも叶わないだろう。さらに、最近ではSNS上で大体の内容が知れてしまうので、観たいという気持ちが薄れてくる。大人のファンは減っていく可能性が大いにある。

 

新規開拓の困難

一方、子どもは我慢さえさせれば、好きなときに観てくれるはずなので、そこまでの影響はないだろう*5。問題は、新規視聴層が増えるかだと思う。もともと視聴習慣のない子に7時半ならまだしも、9時半*6の番組を観てもらえるだろうか? 文化として定着しているので何時にしても観てもらえるだろう、という楽観論はやめたほうがよいかもしれない。

 

配信をうまく使う

20年も続いてきた秩序が崩されることに関して、不安は尽きない。だが、幸い、テレビ朝日はAbemaTVという配信サイトを持っている。また、プリキュア以外のニチアサは東映特撮ファンクラブやAmazonプライムで配信されている。以前から指摘していることだが、テレビ放送というプラットフォームにこだわらず、ネット配信・オンデマンド配信でやっていくのもありだと思う。サブのスポンサーがつかないのではないかという不安もあるが、ネットの方がグッズの購入に直結させやすく、優良顧客の獲得に繋がりやすいのではないだろうか?

 

何はともあれ、私としては存続してくれるだけですごくうれしいので、どのような形であれ、今後もニチアサが続いてほしい。

 

*1:9時終了だったものが10時終了になる。プリキュアしか観ていない場合は影響を受けづらいが、スーパー戦隊まで観た場合は影響をもろに受ける。

*2:シアターGロッソは屋内劇場になっていて、毎週のようにスーパー戦隊のヒーローショーが開かれている。ほぼ専用劇場になっており、デパートなどでは観られないワイヤーアクションや映像を使った演出などがふんだんに使われている。

*3:玩具をバンダイから買って、お店に売る。

*4:消費者のお客さんに玩具を売る。

*5:さすがに、毎週朝からお出かけという家庭は少ないのではないだろうか?

*6:いわゆる「男の子向け」番組では、平成ライダーよりスーパー戦隊の方が対象年齢が低い。

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