ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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体力作り系トンデモ演出ってすごくない?

ホビーアニメってよくおもちゃで遊ぶために体力作りしますよね?あれすごくないですか?だって、ただのおもちゃなのに、特訓しないとまともに遊べないんですよ。この前のベイブレードバーストなんて、コマ回すだけなのに、「基本は大事」とか言っていました。あの描写って大人から見ればただの面白おかしい描写なんですが、ホビーアニメの機能としてはかなり重要だったりします。だって、いろいろな問題を解消してくれるんです。

 

解消される問題

誰でも楽しく遊べるのがウリなのに、王者を決めていいのか?

ホビーアニメで思いつく問題のひとつが、アニメの中でチャンピオンを決めるという行為がハードルを高くして、難しいおもちゃだと思わせたりしないかという心配です。しかし、特訓描写を入れることで、特訓をすれば誰でも楽しく遊べるということがわかります。その上、特訓を積んだ選ばれし強者だけが使えるという価値を付加することで、おもちゃに特別感を出すことができます。最強のおもちゃが言うことを聞かないので特訓をするなんて言ったら、それこそ特別ですね。

 

登場人物の強さの後ろ盾がわかりづらい

「誰でも楽しく平等に遊べるおもちゃ」では、登場人物の強さが測れません。運だけで勝敗が決まったとすれば、運良く勝ったというだけでお話が終わってしまいます。しかし、トレーニング描写やおもちゃがフィールドを破壊するなどの描写を入れることで、登場人物の強さが鮮明になります。ホビーアニメで、なぜかおもちゃで遊ぶのに明らかに関係ない筋肉が発達しているキャラクターがいますよね。なぜか腕立て伏せやボクシングをしたり……あと、瞑想をしたりピアノを弾いたりしているキャラクターとかも絶対に強さと関係ないです。でも、ああいうキャラクターは絶対強いです。フィールド破壊に関しては、遊戯王5D’sのサイコデュエルや、遊戯王ARC-Vのリアルソリッドビジョンによるコースの破壊が、登場人物の桁違いの強さや緊迫感を醸し出していました。

 

おもちゃで遊ぶとどうしてもインドアになってしまい、運動不足を引き起こす

子どもの頃、よくカードの上に(飛ばされないように)石を置いて遊戯王をやっていた覚えがあります。あるいは、風のフィールド(リアル強風)とか言いながらベイブレード(世代的に一番最初のやつです)で遊んだり……ホビーアニメって全般的に外でバトルする描写が多いですよね。カードゲームはお家の中でするものという常識はもはや通用しません。空を飛びながらバトルするカードアニメもありますね。ホビーアニメはすでに遊びのアウトドア化に成功しているのです。では、運動はどうでしょうか?運動をしましょうというメッセージを伝えているのは、やはり、カードのドロー特訓描写やアイカツのランニング*1などでしょう。そして、イナズマイレブンは完全にゲームとスポーツを融合させていましたね。公園で子どもがサッカーをやっているのに、必殺技の名前を叫んでいるという光景はよく見ました。あるいは、プリティーリズムに影響を受けたのか、ローラーシューズが一時期かなり流行りましたね。今やショッピングモールでも禁止の看板が出るぐらいになりました。プリティーリズムの影響を受けたなら刃がついたやつにして欲しいですがね(笑)このように、トンデモ演出はおもちゃの遊びがアウトドアのスポーティーな遊びであるというイメージを子どもに与えることができます。

 

新たに生まれる問題


「新たに生まれる」というよりも、まだ完全な解決策が見つかっていないだろうなという問題を挙げてみます。

 

子どもが真似をして、怪我をする恐れがある

子どもは好奇心旺盛ですから、アニメで出てきた特訓を真似しようとするのではないでしょうか?危険なものをやれば、怪我をするかもしれません。でも、カードアニメのドロー練習は、別に危険な動きをしているわけではないので、骨折などの大けがをしづらいと思います。アイカツでも、崖登りや斧による伐採など、現代の子どもが日常に触れづらいアクティビティを採用しているので、真似しづらいと思います*2。子どもにウケのいいインパクトのある演出も大事ですが、それを見た子どもがどうするかを考えるのも製作側の責任だと思います。

 

おもちゃやゲームの動作に組み込みづらい

アニメで独自に強さを測るために導入したトンデモ演出は、決しておもちゃやゲームに組み込まれているものではありません。まさか楽しく遊ぶために上腕二頭筋を鍛えようなんて説明書に書けるわけがありません。絆の強さでおもちゃを扱うのが上手くなるとかも現実では再現できません*3。アニメのトンデモ描写が面白いと思っても、販促物自体にそれを逆輸入するのは難しいのです。でも、かえって子どもの想像力がトンデモ描写を遊びに組み込むのかもしれません。あの子たちいつも最強を誇ってますから。

 

特訓=ギャグになる恐れがある

やはり、トンデモ演出のせいで、努力がギャグになってしまうのは怖いです。これは完全に大人の目線ですが、特訓が努力の大切さではなく、単にギャグとして描かれてしまうと、おもちゃやゲームで頂点を目指す物語としての深みが失われてしまいます。でも、トンデモ演出は面白ギャグだけではありません。何度でてくるんだという感じですが、アイカツは崖登りや伐採を最終回の感動展開にまで昇華させました。イナズマイレブンは実在のスポーツをモチーフにしたゲームのため、一部を除いて特訓にギャグ性を見出しづらかったと思います。このように、最終的に感動に持ち込んだり、真面目な特訓とバランスをとったりするのであれば良いのですが、ギャグ一辺倒であれば、アニメとしての価値に傷がつくと思います。


以上、ほとんど何も知らない奴が生意気言って申し訳ありませんでした。

 

*1:ファッションモデルとしてランウェイに立つ回とかでも普通に走ってきます

*2:ただ、ランニング時の水分の補給に注意するのと、現実世界の子どもに合わない量のトレーニングをしないかが心配です。病院に運ばれてしまいますから。

*3:でも、バンダイの社員さんドクターコアとキャプテンスピンは、「モンスーノとの絆が大事だ」って言ってました。

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