ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

スポンサーリンク

メタと教育〜ホビーアニメにおける「卑怯」とは〜

今週のベイブレードバーストを見て、ある話を思い出した。明らかにカードの効果を使ったのに、卑怯者扱いされた『フューチャーカード バディファイト』の1エピソードだ。普通、卑怯なやり方とは、人質をとるなど、倫理に反した実力行使のことをいうのだと思う。特にカードアニメにおいては、強すぎる効果を使う敵が卑怯な敵扱いされることも多い。だが、このような行為が倫理に反しているかについては疑問が残る。遊びにおけるマナーを子どもに教える教育効果を狙ったものと考えることもできるが、それで玩具の販促ができるとは思えない。では、ホビーアニメにおける卑怯とは何なのだろうか?ホビーアニメにおける卑怯とは、玩具以外の力を不当に使って、勝利を掴む行為である。

 

メタカードは卑怯か?

『フューチャーカード バディファイト』第26話「レジェンドワールドの挑戦!」では、カードアニメでありながら、メタカードを否定していた。前後のストーリーから察するに、楽しいゲームとは何なのかを視聴者に考えさせる狙いがあったと思われる。正々堂々と戦うことをモットーとする轟鬼ゲンマと、弱肉強食の環境において勝つことを強いられてきた毛村。この回で毛村は、(仲間がデッキに勝手に入れた)対ゲンマ用のメタカードで、ゲンマに勝利してしまう。観客の1人に、メタカードを使用したことをたしなめさせ、メタカードを入れることが悪いことであると視聴者に知らせる。そして、この次の回で毛村は、勝ち負けにこだわらずバディファイトを楽しみたい富士宮風音とファイトすることになる。風音とのファイトにつなげる都合上、楽しくないファイトをやる必要があったのだろう。だが、カードアニメでメタカードを否定してしまうとは、酷い話だ。

 

精神攻撃で相手を負けさせるのは卑怯だ

『ベイブレードバースト』第5話「死神降臨!漆黒のデスサイザー!!」では、勝利を掴むために卑怯な手を使った少年の心情の変化が描かれた。前回のバトルで相手を5秒で倒した黒神ダイナは、次の対戦相手である蒼井バルトに練習試合を挑み、わざと負けた。バルトのラッシュシュートを研究し、対策しようとしたのだ。彼の悪意は、わざわざ自分から「わざと負けた」と宣言し、バースト(分解)していなかったバルトのベイを分解してバルトに渡したところからも見て取れる。

 

実際のところ、彼は病気の弟の笑顔が見たくて、勝つことにこだわっていた。今回は土壇場で編み出したバルトの新シュートにやられて負けた(実際には少し違う)が、代わりにベイブレードの楽しさを思い出すことができた。ダイナと(新シュートを編み出した)バルトの試合は十数回ドローになっており、最後のバトルでは、バルトはダイナが対策していたはずのラッシュシュートを使用し、見事勝利した。それでも爽快感だけは残っており、卑怯な手を使わずに正々堂々と戦った方が楽しいということがひしひしと伝わる回だった。

 

ホビーアニメで使える卑怯な手って? 

では、どのような手を使えば卑怯ではないのだろうか?筆者は、卑怯な手を使うとは、玩具の機能に頼らない方法で勝利を得ることだと考える。『獣旋バトル モンスーノ』第30話「ストライクフォース」では、突如出現した対チームコアテック(主人公チーム)のライバルチーム・ストライクフォース(Strike Squad)が勝負を挑んできた。主人公・チェイスたちは彼らに敗北したが、卑怯な手を使ってリベンジしようとする。頭脳明晰だが臆病者のブレンは、近づいてくるエックスレイに怯えているふりをして、落とし穴に嵌めた。ビッキーは、モンスーノ以外のバトル(暴力)でタンゴに勝利した。アッシュに至ってはカードゲームでイカサマをしていた。『獣旋バトル モンスーノ』はモンスーノでバトルをするアニメであり、モンスーノ以外でバトルすることは卑怯極まりない*1

 

このように、玩具が本来持っていない機能*2を使って勝つことは、卑怯である。逆に言えば、玩具本来の機能を使って戦うことは卑怯ではない。よって、最初に出したメタカードの例も、メタカードを入れること自体は全く卑怯ではない。メタカードを投入するに至るまでのプロセスに問題があれば卑怯なのかもしれないが、メタカードの機能はあくまで公式に定められたものだ。それに、メタカードがあることで、メタカード対策ができるようになり、ゲームがより一層楽しくなるだろう。

 


ここまで考えてきた通り、ホビーアニメにおける卑怯な手とは、玩具の機能を逸脱して、玩具本来の楽しみを奪う勝ち方だった。バディファイトではその後、デッキに入れていないカードをポケットから出す明確なイカサマを使うキャラ・山崎ダビデが現れた。ダビデのイカサマはきちんと許されざる行為として描写された。これがまさに、卑怯な手であり、玩具本来の楽しみを奪うやり方だ。ホビーアニメは玩具を売るためのアニメなのだから、玩具の間違った使い方やルール違反を咎めるべきなのだ。

*1:それを主人公達は様々な場所でやっているわけだが。

*2:玩具を使っている人物や玩具の秘められた力が覚醒することは卑怯ではない。

スポンサーリンク


プライバシーポリシーと当サイトの利用するサービスについて