ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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劇場版『動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー』オーソドックスなVSシリーズ……と思いきや

この記事は見終わった人向けです!

劇場版『動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー 未来からのメッセージ from スーパー戦隊』を観てきたので、感想やら解説やらを色々とまとめた。今回の記事は今作を観終わった人向けになるので、まだ観ていない人はこのページを閉じて、映画館へ行ってほしい。

 

www.zyuoh-vs-ninnin.jp

 

 

 

スーパー戦隊VSシリーズ

元々はVシネマのコラボレーションシリーズとして企画・制作されていたもので、別の東映作品のお蔵入りをきっかけに劇場公開するようになった作品。そのため、特別料金で上映されており*1、上演時間も短い。Vシネマ時代はアニバーサリーイヤーに「VSスーパー戦隊」として現行戦隊と先輩戦士数名のドリームチームが共演する映画を公開していたが、劇場版になってからはそれがなくなった(今回はそのアニバーサリーイヤー)。VSと銘打っているが、コラボの意味合いが強く、戦隊同士がほとんど戦わないものも多い。スーパー戦隊をあまり意識していない作品でも、名乗りの最後に「我らスーパー戦隊!」と言う。

 

参考:スーパーヒーロー大戦

スーパー戦隊と仮面ライダーなどの東映ヒーローのコラボ映画。現在2作品作られており、今春新作が上映される。シリーズの全体的な内容は、巨大な陰謀によってスーパー戦隊と仮面ライダー、ヒーロー同士が戦わされてしまうというもの。どのようにして戦いを止めるか*2が作品の焦点になっており、この手のヒーロー敵対ものの代名詞になっている。

 

概略

スーパー戦隊が滅亡してしまった。ジュウオウジャーとニンニンジャーは倒れ、スーパー戦隊の絆を継ぐものはいなくなった。

 

「妖怪ジュウオウジャー」

その1日前、河原でキャンプをしているジュウオウジャーの5人。ジューマン*3たちは人目を気にせず、本来の姿で自由気ままに遊んでいた。そんな中、ジュウオウジャーは突如現れた忍者に襲撃されてしまう。彼らは手裏剣戦隊ニンニンジャー。ジュウオウジャーをスーパー戦隊を名乗る悪者呼ばわりしており、何かを誤解しているようだ。

 

ジュウオウジャーに故郷の村でも滅ぼされたのか

ジュウオウジャーを仕留め損ね、屋敷に戻るニンニンジャー。屋敷にはジュウオウジャーに故郷の村を滅ぼされたという「ルンルン」がいた。ニンニンジャーはルンルンに言われた通り、6人目のジュウオウジャー(ジュウオウザワールド/門藤操)を見つけ、捕獲した。ルンルンは蔦で操を縛り、口を覆った。自分は潔白であることを伝えたい操だが、口を覆うマスクからはそれとは正反対の言葉が発せられ、ニンニンジャーの誤解をさらに強めてしまう。もはや、和解するための手は残されていないようだ。

 

謎のおでん屋登場!?

一方、突然現れた敵・ニンニンジャーについて話し合っているジューマン4人組。「ニンジャ」というものが何なのか気になっていた。そこにキンジ・タキガワ(スターニンジャー(金) )が現れ、4人にニンジャとは何かをレクチャーし始めた。しかし、そこにニンニンジャーからの果たし状が届くと、キンジが6人目のニンニンジャーであることがわかってしまう。

 

未来から来た息子

その頃、前回の戦闘で吹き飛ばされたまま戦いを続けていたジュウオウイーグル(=赤/風切大和)とアカニンジャー(伊賀崎天晴(たかはる) )の前に、天晴の息子を名乗る少年が現れる。彼の名は伊賀崎快晴(よしはる)、伊賀崎流の忍者だ。快晴はスーパー戦隊の未来を繋ぐため、未来からやってきた。大和と天晴はニンニンジャーが悪の陰謀に騙されていたことを知り、彼らを止めようとする。

 

ついに始まる決戦……スーパー戦隊の歴史は終わり……

だが明くる日、運命の戦いは始まってしまった。大和と天晴が止めに入っても、もはや戦いは止まらない。ついに実力行使に出た天晴。それでは敵の思う壺だと大和。必殺技を繰り出そうとする両スーパー戦隊。ついに必殺技は放たれ、両者は死んでしまった。スーパー戦隊が滅亡してしまった。

 

な……なんだってー!?

かに思われた。だが、大和と天晴を除く10人の戦士は全て分身だった。前日、必死に何かメッセージを伝えようとする操の様子に気づいたアオニンジャー/加藤・クラウド・八雲とモモニンジャー/百地霞は自分たちの誤りに気づき、敵を欺くため、分身を使って戦っているふり作戦を決行していたのだ。見事に騙されたルンルンことヒーロー始末人ギルマーダは、本来の姿を現し、最後の作戦に打って出た。

 

親子三代アカニンジャー

復活した牙鬼軍団(ニンニンジャーの敵組織)に力を合わせて立ち向かうスーパー戦隊。だが、ジュウオウイーグルとアカニンジャーは敵の大将・牙鬼幻月に苦戦を強いられていた。そこに快晴が現れ、助太刀する。そんな快晴の元に、スーパー戦隊の歴史が繋がったことで、変化のニンシュリケンが現れた。天晴と(シロニンジャー/)風花の父・旋風(つむじ)もそこに現れ、親子三代アカニンジャーが揃った*4。3人は見事幻月を打ち取り、残るはギルマーダのみに。

 

新たなスーパー戦隊登場

一方、バド(ジュウオウバード(橙) )はデスガリアン(ジュウオウジャーの敵組織)の幹部たちを見つけ、戦うために変身しようとする。だが、そこに運良く宇宙戦隊キュウレンジャーのシシレッド/ラッキーが降り立った。5人と思いきや9人だったキュウレンジャーは、見事デスガリアンを倒した*5。バドは大和たちの活躍でスーパー戦隊の歴史が繋がったことを実感するのだった。

 

最終決戦

そして、ギルマーダを前に集結した12人の戦士たちはジュウオウホエール(ジュウオウイーグル(赤)の別形態)のホエールチェンジガンで必殺弾を放ち、等身大のギルマーダを倒した。だが、巨大化するギルマーダに苦戦する12人は、合体(キングシュリケンジンとワイルドトウサイジュウオウキング)を解除させられてしまった。12人の前に巨大ギルマーダの攻撃が炸裂し、一巻の終わりかと思われた。


そんな時、歴代スーパー戦隊の力が12人の若き戦士の身を守ってくれた。スーパー戦隊の魂を受け継いだ12人は新たな姿に合体し、ギルマーダを倒した。そして、物語はあらぬ方向へ急展開する……

 

ニンニンジャーらしい展開

今回のVSはニンニンジャーらしさをうまく汲み取った作品だった。実際、テレビ本編でも天晴が詐欺に引っかかる回や霞が敵を欺く回があった。ニンニンジャーをよく理解した*6展開に、「タカ兄*7なら仕方ない」と思うファンも多かっただろう。一方で、ニンニンジャーを見ていない人にもニンニンジャーを知ってもらうよい機会だったのではないだろうか。(もちろん、ジュウオウジャー側もメイン脚本家が書いているので、この作品を見るだけでキャラがわかるようになっている。)


ところで、VSシリーズのお約束として、前戦隊のセットは解体されているので、前戦隊が現行戦隊の基地(セット)にお世話になるというものがある。だが、今回はその約束を破ってきた。 ニンニンジャーの基地は和風の忍者屋敷なので、畳の部屋が屋敷の一部と言われれば納得できるのだ。頭が良い。

 

レッドの温度差

レッドの温度差はVSの真骨頂だ。同じ性格のレッドが連続することはあまりないので、レッド同士の絡みは確実に何らかの化学反応を生む。今回は熱血バカの天晴と冷静な学者の大和が絡んでいたので、ボケとツッコミがうまく機能していた。天晴の単純さが吉と出る展開、凶と出る展開の両方があるので、それに振り回される大和に注目だ。


ちなみにスーパー戦隊VSシリーズでは、先輩戦隊のキャストの都合(嬉しいことに他の仕事がある!)もあるので、レッドまたはレッド以外が戦闘不能になるケースがある。細かいチーム分けが発生するのも同様の理由だろう。そうした細かい事情は置いておくとして、VSシリーズにおいてレッド同士の絡みは必見だ。

 

追加戦士の扱い

伝統的にスーパー戦隊VSシリーズでは、追加戦士は他の戦士と待遇が異なる。Vシネマ時代の作品の中には追加戦士がほとんど参加しないものもある。今回の映画でも、ジュウオウザワールド/操はアトリエ*8に行った際にニンニンジャーに誘拐され、それ以降は完全に別行動になっている。最近の戦隊では追加戦士の出番が多くなっているが、映画ではそこは譲らないようだ。

 

戦士たちの共闘

戦士たちの共闘はVSの醍醐味だ。こうしたコラボの際、ペアを色で合わせる場合と性別で合わせる場合、性格(役割)で合わせる場合がある。今回は、ブルー同士の性別が一致していないこともあり、性別と性格で合わせていた。今回は一人ひとりの繋がりをあまり意識していないため、シーンによって相手が変わっているのが特徴だ。作品によっては、2つの戦隊の力を合わせないと勝てない場合があるので*9、ペアになることもある。2つの戦隊が共闘するからこそできるアクションもあるので、VSシリーズを見るときは注目してほしい。

 

次の戦隊の披露

劇場版『仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー』で仮面ライダーWがお披露目されて以降、映画で次に登場するヒーローをお披露目することが恒例になっている。仮面ライダーでは現行のライダーに助太刀というパターンが多いが、スーパー戦隊では先輩と絡まず、人知れず戦うことも多い。前回の『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー』ではジュウオウジャーが怪人の後始末をしていた。『海賊戦隊ゴーカイジャー』*10では、自分たちが先輩戦隊のVSに出演したのは、実はタイムレンジャーに協力して過去にきていたからだという内容の回がテレビ本編であった。そのほかにも、前のクロスオーバー作品で共演したことを前提にしているクロスオーバー作品もあるので、こういった作品は見逃せない。

 

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さあ、今度は超スーパーヒーロー大戦が待っている。このタイプのクロスオーバーは久しぶりなので、どのようなアプローチで来るのか注目だ。

*1:予算のなさはあらゆる所から感じ取れる。例えば、数体の新規怪人を用意するのではなく、復活した敵幹部を敵のコマとして利用することがある。

*2:「敵を欺いて戦っているふりをし、敵が油断したところで一斉攻撃を仕掛ける」が正解。

*3:異世界からきた動物人間のこと。変身アイテム「王者の資格」を使うことで人間の姿になることができる。ジュウオウイーグル(レッド)とジュウオウザワールド(黒・金・銀)は彼らに協力する人間である。

*4:ニンニンジャーはラストニンジャ/伊賀崎好天の孫5人が集まって結成された戦隊である。したがって、旋風は天晴と風花以外の3人にとってはおじである。キンジは好天に弟子入りした赤の他人なので、血縁関係はない。

*5:現行かつ公開当時存命なので殺してはいない。

*6:脚本の香村純子氏はニンニンジャー本編を書いたことがない。

*7:アオニンジャー/加藤・クラウド・八雲が天晴を呼ぶ呼び方。

*8:ジュウオウイーグル/大和のおじの工房で、ジュウオウジャーたちの住居

*9:例えば、2つの悪の力を使って作られた怪人なので片方の戦隊の力では倒せないなど。

*10:35周年記念作品で、過去の戦隊とのクロスオーバーが魅力。

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