そもそもアイドルアニメとは
アイドルアニメといえば、アイドルと呼ばれる存在が「輝き」を求めて、仲間とともに切磋琢磨(せっさたくま)する作品群である。
日本語に直すと、主人公の少年少女が自信を強く持ち、ファンに希望を与えるために活動するというのがアイドルアニメの主な内容だ。
アイカツシリーズに限っていえば、「アイカツ!カード」と呼ばれる衣装のカードを手に入れることが「輝く」ための小さなゴールになっている。
アイドルアニメのタブー
その「輝き」を手に入れる上でタブーとなっているのが、個人との不適切な関係である。
このタブーはもちろん、ファンやアイドル個人との恋愛を含んでいる。
でも、もうひとつ、これはまずいというものがある。それは、誰か1人のためだけにアイドル活動をするということだ。
このタブーを犯したのが騎咲レイである。
騎咲レイが犯したタブー
騎咲レイとは
騎咲レイは主人公のライバル校(=事務所)「ヴィーナスアーク」の生徒であり、同校のトップアイドル「エルザ・フォルテ」の秘書をしている。
そんなレイが「アイドル活動を辞めて」ヴィーナスアークに入ったのは、エルザに強い衝撃を受けたためだ。
エルザの圧倒的な実力を前に、レイはアイドルとして輝くことを諦めていたが、エルザに背中を押されて、再びデビューすることになる。
衝撃の再デビュー
ここで確認だが、アイドル活動とは自分やファンを輝かせるための活動である。
アイカツの場合、そのためにカードを手に入れることが必要だった。
しかし、彼女が選んだ道はそうではなかった。
レイは自ら、エルザが最強のアイカツカード*1を手に入れるための踏み台になったのだ。
レイは新ブランド発表会で、ファンではなくエルザのために*2アイカツをすると高らかに宣言した。
1人のためだけのアイドル?
エルザのブランドがPerfect Queenなのに対し、レイのブランドはLoyal Sword。つまり、女王のために剣を振るう騎士であると主張している。
もちろん、それは巡り巡って自分を輝かせることにもつながるし、その姿勢に賛同するファンも少しはいるだろう。
でも、この受け身の姿勢はアイドル活動といえるだろうか?
つながらない輝き
たしかに、アイドルに希望を与えられたファンがアイドルになって、その希望が連鎖していくということもありえる。
それから、互いへのリスペクトによって互いを高めていくというのもアイドル活動のひとつの形である。
だが、この人の場合は、エルザを仕えるべき存在としか捉えておらず、互いを高め合おうとしているわけではない。
また、その輝きを誰かに伝えようとしているわけでもない。
だから、彼女はアイドル失格と言われても仕方がない。
レイは変われるのか
そんな中で、レイをはじめとするヴィーナスアークの生徒は「ユニットの魔法」や他者の「輝き」に触れることで、徐々に変わろうとしている。
レイ自身も、一度は香澄真昼(憧れだった姉と渡り合えるようになった)のアイカツに触れ、心を揺さぶられた。
でも、そのような出来事があったにもかかわらず、エルザのためを思って、エルザのために星のツバサを手に入れてしまった。
その後、レイはひょんなことから他のアイドルとユニットステージをやることになるのだが、それをきっかけに、彼女はいつかエルザとユニットを組みたいと思うようになる。
はたして、レイは自分の本当の輝きに気づくことができるのだろうか?
ちゃんとした騎咲レイはどこで見られるか
「アイカツ!フォトonステージ」では、まともな騎咲レイが見られる。
「星のツバサ編」のシナリオはプレイヤー視点で進み、レイが案内役をすることもちょくちょくある。
最近は、ストーリーに面白みを持たせるために選択肢を用意することもあり、乙女ゲームのようになっている。
展開がデータカードダスより遅れている都合上、彼女のフォトが追加されるのはもう少し後になりそうだ。
だが、ストーリーにはしっかり関わっているので、まだプレイしていない人はぜひ手にとってほしい。
アニメおすすめ話数:
- 第56話「キャッ!と注意報」
- 第64話「星に願いを」
- 第80話「騎咲レイの誓い!」
- 第83話「リリィと王子様」