ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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【ルパパト】異例の対立ヒーローが大きなお友達にヒットしている理由

大人ファンを増やす『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の魅力

スーパー戦隊シリーズの現行作(2017-2018)、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が大きなお友達にヒットしている。

 

この作品では、お宝を狙う快盗、悪を取り締まる警察が互いにぶつかりあいながら、悪のギャング集団に立ち向かう。

思想や目的の異なる2つのチームが対立する構図は、シリーズの中では珍しい。

 

  1. 警察と正体を隠した快盗のスリリングな人間関係
  2. 登場人物の過去にスポットを当てたストーリー
  3. 朝加圭一郎

 

以上の3点に注目しながら、作品を紹介する。

 

 

 

主な3陣営

快盗戦隊ルパンレンジャー(以下、ルパレン)

ギャングラーのザミーゴ・デルマによって、大切な人の命を奪われた。

その人の命を取り戻すため、快盗となって、超越的な力を持つ「ルパンコレクション」を集めている*1


クールなチームで、仲間が命の危機にさらされても助けないのが基本だ。

 

警察戦隊パトレンジャー(以下、パトレン)

ギャングラーと快盗を取り締まる国際警察の戦力部隊。

ルパンコレクションには興味がないが、ギャングラーの体の仕組みなどには興味がある。


必殺技を使うときに3人が合体するなど、チームとして一致団結しているのが特徴だ。

 

ギャングラー

地球で暴れている悪の組織。

次のリーダーを決めるため、内部で競争が起こっている。

 

ギャングラー怪人は、ルパンコレクションを体内の金庫に入れることで、特殊能力を得る。

金庫はルパレンの持つ「ダイヤルファイター」でなければ開けられない。

ルパンコレクションを奪えばその力を失うが、怪人固有の能力も持っている。

 

金庫を2つ持っている「ステイタスダブル」と金色の特殊な金庫を持った「ステイタスゴールド」は強力だ。

 

快盗戦隊ルパンレンジャーは大切な人を取り戻すため、ルパンコレクションを集めている。

警察戦隊パトレンジャーはルパンレンジャーや悪の怪人を取り締まっている。

ギャングラーはルパンコレクションを使って、悪事をはたらいている。

 

人気の秘密

正体を隠したスリリングな関係

ルパレンは正体を隠しているため、パトレンとのやりとりがスリリングだ。

 

ルパレンは世を忍ぶ仮の姿として、フランス料理店を営んでいる。

パトレンは店の常連で、ルパレンは彼らの会話から得られた情報を利用する。


例えば、パトレン2号(緑)がルパンイエロー(の世を忍ぶ仮の姿)のことを好きなので、情報を引き出したり、ギャングラーをおびき寄せるためにデートをすることもある。

 

一方で、ルパレンはパトレンや知り合いの前では変身できないので、ハンディキャップが大きい。


ルパレンの正体を巡っては、パトレンが一度張り込みをするも、正体を暴くのに失敗している。

しかし、料理店のメンバーの細かい言動に疑問を感じる場面もあり、正体がバレるのは秒読みなのかもしれない。

 

登場人物の過去

近年のシリアス戦隊の定番として、登場人物の過去が暗いということがある。

ルパパトの場合は、ルパレンの過去が重い。

 

3人の身辺調査をする際に、パトレンもそれを知った。

心に傷を負っている前提でルパレン(の世を忍ぶ仮の姿)を気遣うシーンも増えている。

それから、ギャングラーに狙われている被害者に、ルパレンが自分の過去を話すシーンもある。

 

今を投げ出して戦士になったルパレンに対し、パトレンは今を生きている感が強い。

ルパレンの過去は話数をまたいで言及されることが多いが、パトレンは1話限りの回想が多い。

むしろ、何かトラブルに直面して、今どうするかという話のほうが多い印象だ。

 

朝加圭一郎

女性人気が高いと言われるのが、パトレン1号(赤)こと朝加圭一郎。

絵に描いたような不器用な男として評判になっていて、大人ファンの中にはアレクの女ならぬ「朝加圭一郎の女」が多数出現している。

 

しかし、朝加圭一郎は周りへの気配りを忘れない。

全ての文字に濁点がついているかのような発声をする反面、音楽の造詣が深いなど、育ちのよさが言動からにじみ出ている。

少なくとも大人のファンからの好感度は高い。

 

ルパン三世に対する銭形警部のような立ち位置のパトレン1号。

しかし、料理店にいるルパンレッド(の世を忍ぶ仮の姿)のことを気にかける場面もある。

2人の関係にも注目したい。

 

ルパンレンジャーは正体を隠しており、パトレンジャーとの日常の絡みはスリリングだ。

ルパンレンジャーは過去を軸に、パトレンジャーは今を軸に物語が進む。

パトレン1号/朝加圭一郎は不器用だが、優しい。

 

エックス/高尾ノエルの登場

夏休み商戦が始まったルパパト。

7月より登場した追加戦士が、物語をより面白くしてくれそうだ。

 

四つ巴!?:2つの顔を持つ戦士登場

これまで敵対し合ってきた2つの戦隊の前に現れた青年・高尾ノエル。

彼は「警察で快盗」を名乗り、ルパンエックス(銀)とパトレンエックス(金)の2つの姿に変身。

ケースバイケースで2戦隊のどちらかに協力しながら、ギャングラーに立ち向かう。

 

彼はルパン家に仕える者と国際警察潜入捜査官の2つの肩書きを自称しており、ドラマの中でも快盗と警察の関係をかき乱す。

 

本来、三つ巴・四つ巴というのは子どもが混乱すると言われており、スーパー戦隊の正義陣営のパートではあまりやってこなかった。

エックスの真意は大人の視聴者でもわからず、人物関係はますます複雑になっている。

 

仲間としては信用しない

ノエル登場後のルパパトは、追加戦士と打ち解け合うためのハードルが例年にも増して高い。

立ち位置が特殊なため、仲間として信用できないからだ。

 

ルパレン・パトレン双方にギャングラーやルパンコレクションの情報を提供し、協力する。

でも、いつ造反するかわからない。


ルパレンの正体を知っているが、パトレンにはそれを話さない。

一方で、警察でもあるため、いつルパレンを逮捕するかわからない。

 

情報屋およびエンジニアとしては優秀で、信じられる。

しかし、人間として、仲間としては信じられない。

ルパレンともパトレンとも違う第三の目的がある可能性も示唆されていて、彼の謎は深まるばかりだ。

 

[rakuten:book:19225026:detail]

 

ルパンエックス/パトレンエックス/高尾ノエルは情報提供や機械整備の面では信用されている。

しかし、快盗と警察の両陣営に協力するので、仲間としては信用されていない。

 

作品の課題:ルパレンが必要

2つの戦隊の対立を描く今作。

どうやら、子どもの間ではルパレンの方が人気らしい。

 

これには、設定上ルパレンの方がパトレンより出番が多いことも関係していると思う。

ルパンコレクションを奪わないとギャングラーを倒せないので、「パトレン単独回」にもルパレンが出てくる。

 

  • 実はルパンコレクションを持っていなかった回
  • ルパレンが変身せずにコレクションを奪う回

もあったが、やはりパトレン単独では話を組みづらい。

 

「1つでもコレクションを逃すと願いを叶えられないため、全部回収しなければならない」

というのは余計な設定だったのかもしれない。


あるいは、パトレンが使うメカ「トリガーマシン」に何か役割を持たせることはできなかったのだろうか?

今後の強化などでパトレンに魅力的な設定がつくことを願いたい。

*1:実は、ルパレンとパトレンが使っている変身アイテムやメカもルパンコレクション。

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