既存ファンに向けたサービスの多い劇場版
毎年恒例のスーパー戦隊と仮面ライダーの劇場版。
- 警察と快盗が悪のギャングと戦う『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』
- 科学者の青年らが軍事兵器・仮面ライダーとして、悪の宇宙人に立ち向かう『仮面ライダービルド』
の2作品が上映されている。(2本立て)
その見どころを解説する。
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『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』1年かけてVSシリーズを描く - ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた
『仮面ライダービルド』第1話 ウサギと戦車 意外にもベストマッチだった - ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた
『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film』
悪を倒すという目的は同じ
ルパンレンジャーとパトレンジャーは、快盗と警察という敵対する立場にありながら、ギャングラーという共通の敵に立ち向かっている。
今作ではギャングラーの罠にはまり、ルパンレッドとパトレン1号(赤)が連れ去られてしまう。
異世界からの脱出劇と劇場版恒例の新メカの活躍が見どころである。
快盗と警察の協力
テレビドラマ版では、快盗と警察が手をつなぐ場面は限定されていた。
目的のために相手を利用するのと、緊急時の協力だ。
今回は、緊急時の協力である。
快盗と警察が連携するアクションや技もあるので、テレビシリーズよりも一歩進んだ関係が見られる。
ルパンレッドとパトレン1号の関係
ルパンレッドとパトレン1号は異世界から脱出するため、手を組む。
堅苦しい人が嫌いで、どんな手段を使ってでも「ルパンコレクション」を奪うルパンレッド。
ルパンレンジャーとギャングラーの殲滅(せんめつ)のために、正義や遵法を貫き通すパトレン1号。
2人は本来、正反対で相容れないはず。
敵対する2人がどのように手を結ぶのかに注目してほしい。
ギャングラーの本拠地には、パトレンジャーに重傷を負わせた敵の親玉もいる。
正反対の2人はどのようにして脱出を図るのか?
敵陣でのド派手で大胆なアクションも見逃せない。
快盗と警察が協力して、ギャングの本拠地から脱出する。
本来相容れないはずの二者がどのように協力するのかが見どころだ。
『劇場版 仮面ライダービルド Be the One』
テレビドラマの補完
設定の補完に抜かりがないテレビドラマ版『仮面ライダービルド』(2017年9月から放送)。
3つに分断された日本における武力紛争、軍需産業の暗躍を描く戦争ものとして話題になった。
その裏に宇宙人・エボルトの陰謀があったことが発覚し、物語は最終局面へと向かっている。
今作では、テレビ版の裏で暗躍していたという設定で、3人の新しい敵が登場。
いつまでも地球を滅ぼさないエボルトにしびれを切らし、「ビルド殲滅計画」を実行する。
ビルドの仲間を含む国民は悪の力で洗脳され、仮面ライダービルドを追跡しはじめた。
そして、仲間の仮面ライダークローズがビルドの前に立ちはだかる。
果たして、ビルドは敵を打ち倒し、日本にラブ&ピースを取り戻すことができるのか?
桐生戦兎という人間
テレビ版では仮面ライダークローズ/万丈龍我とは誰なのかという点に大きくスポットが当たっていた。
劇場版では、仮面ライダービルド/桐生戦兎の生きる意味を問いなおす。
研究者・葛城巧の記憶を消去し、ロックミュージシャン・佐藤太郎の顔を借りて作られた桐生戦兎。
エボルトによって仕組まれた彼の人生は全て無駄だったのだろうか?
エボルトの仲間・仮面ライダーブラッド/伊能賢剛(演:勝村政信)が戦兎に問いかける。
葛城巧と桐生戦兎の違い
テレビ本編の途中で、葛城巧の人格が復活し、戦兎の心の中に居座るようになる。
巧は戦兎と違い、いつも物事を悲観的に見つめる。
仮面ライダーを作らなければ、戦争は起こらず、争いや犠牲はなかったと後悔する。
巧の考え方は、この映画のテーマに大きく関係している。
万丈龍我を含む国民全員がビルドの敵になった今、戦兎はどうするのか?
絆の力が奇跡を起こす。
桐生戦兎(仮面ライダービルド)という人間は悪の陰謀によって作られた。
この映画では、仮面ライダービルドの存在意義を問い直す。
今年の映画はいつも見ている人向けかも
今年の映画は、新たに見る人へのイントロダクション(誘い)というよりも、いつも見ている人に向けている内容が多い。
もし、見る予定があるのなら、番組を1回見たほうがよいかもしれない。
まとめて見直す場合は、東映特撮ファンクラブへの登録をオススメする。
ルパンレンジャーVSパトレンジャーに関しては、各配信サイトでオリジナルドラマの配信も始まっている。
そちらも要チェックだ。