美少女プラモデルの背景にあった複雑な事情
ガンダムのプラモデル「モビルドールサラ」が話題になった。
『ガンダムビルドダイバーズ』を見ていない人は、オタクに媚びた萌えフィギュアだと思うかもしれない(プラモだが)。
でも、それはおおよそ事実ではない。
モビルドールサラは最終回より前から予約が開始している、販売ありきで作られたキャラクターだ。
それに、サラというメカを美少女化したとかではない。
以下、アニメの内容について触れる。
嫌な方は画面を閉じてお帰りを。
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(できるだけわかりやすく説明するために、一部用語が意図的に間違っています。ご了承ください。)
【ガンダムビルドダイバーズ】サラの意外な正体 絆のゲームのあり方 - ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた
サラとは何者か?
ガンダムのオンラインゲームの中で主人公が出会った少女・サラ。
ゲームの1ユーザーかと思われていたが、オフラインには姿を見せなかった。
それもそのはず、少女の正体はプログラムのバグだった。
人間ではないから、ゲームの外に出られなかったのだ。
彼女を「ユーザーのガンダムやゲームへの愛から生まれた存在」だとする人もいるが、運営はサラを消去しようとする。
このゲームは以前、不正プログラムにより危機的状況に陥った。
美少女の姿をしているサラであっても、不正プログラムは絶対に排除したかったのだろう。
主人公や一部の大人はサラを擁護し、サラを助けるための作戦を決行した。
そこで、モビルドールサラが生まれた。
モビルドールサラの誕生
モビルドールサラは、かつてオンラインゲームを襲った不正プログラムを応用して作られた。
これにより、サラはガンダムプラモデルの姿で現実世界へ行けるようになった。
プラモデルと言っても、手足が動き、しゃべれる。
写真を見れば分かる通り、顔や髪の一部は人間に近い形をしている。
それに加えて、サラはこれまでガンダムの機体を持っていなかったが、ガンダムの姿を手に入れた。
ガンダムでありながら自らガンダムに乗るという面白い状態になっている。
モビルドールサラは、実体を持たないプログラムの少女が手に入れた、ガンダムの肉体である。
モビルドールサラが盛り上がったのはなぜか?
感動的な展開と演出
モビルドールサラが登場するまでの展開は感動的だった。
今作は、オンラインゲームにおけるユーザーと運営の衝突という普遍的なテーマを描いていた。
そこに、友達を助けるという要素を加えて、感動的な作品に仕上げた。
サラも自分自身がバグであることはよくわかっていなかったようで、自分を責めていた。
しかし、友達である主人公たちは運営を敵に回してでも、サラを守ろうとした。
サラが現実世界へ転送されるシーンは、涙なしには見られない。
感動的なエンディングテーマ
後期エンディングも感動を後押ししている。
一般に、アーティストとのタイアップでは、歌詞に作品名が登場することは滅多にない。
今作の主題歌タイアップでも、ガンダムという言葉は登場していない。
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しかし、スピラ・スピカの「スタートダッシュ」は後期のストーリーと綺麗にシンクロしていた。
後期エンディングは本編と被さっている回も多いので、とても盛り上がる。
主人公たちがサラを救うまでの展開は本当に熱かった。
リアルタイムのグッズ展開
バンダイは近年、番組の放送に合わせてリアルタイムでグッズを売ることに力を入れている。
仮面ライダーシリーズでは、特にその傾向が強い。
今回のプラモデルも、放送翌日に見本の写真が公開されるなど、リアルタイム性が高かった。
発売は12月だが、通販サイトの予約は大盛況の模様だ。
少女の姿とロボットの姿が1つのキットに入っていることから、2つ以上予約した人も多いだろう。
バンダイとしても、これほど多くのサイトでの売り切れは予想外だったのではないだろうか?
いずれにしても、アニメで人気が出たからプラモデルを出したとかではなく、すでに予約が開始されている商品である。
アニメの展開が神がかっていたので、モビルドールサラも売れたのではないか?
多分他のキャラも「萌え」一辺倒ではない
多分、かわいいだけじゃないというのは、他のキャラクターの造形物にも言えることだと思う。
少なくともバトルアニメでは、キャラクターにバックグラウンドがある。
フィギュアやプラモデルになっているキャラがかわいいだけ・かっこいいだけ・美しいだけの人物であるとは限らない。
ネット上では、夫のガンダムを勝手に捨てる妻なども問題になっている。
彼女たちは、そのプラモデルが人物であることをわかっていないのではないだろうか?
世の中には日本刀や軍艦などさまざまな趣味がある。
そこに私たちの知らないストーリーがあるのを想定することが大切だ。
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