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ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

ホビーアニメ、海外産アニメ、女児向けアニメなどを観て、変になってしまいました。プリティーリズムシリーズや現在放送中のホビーアニメを中心に、このキャラがかわいいとか、そのアニメが社会に伝えたい価値は何なのかまで、様々な情報を発信していきます。

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アニメアイドルの個性〜設定?決めゼリフ?〜

「キャラ」ではなく、個性を受け入れよう

AbemaTVで『ラブライブ!サンシャイン!!』の見逃し生配信があったので、もう一度5話を観た。見直して気づいたのは、「輝く」や個性が奇抜さからは遠い概念だということだ。津島善子こと堕天使ヨハネは、自分に自信が持てず、こんな「キャラ」では笑われてしまうとずっと思っていた。善子の奇抜な「キャラ」は、高校生であれば当然笑われるだろうと、善子は確信していた。しかし、物語は、思わぬ方向へ着地する。善子のキャラを個性として認めるという方向だ。その「キャラ」が出ないように頑張ろうとか、その「キャラ」が出てきても笑わないよう我慢しようとかではない。あくまで個性として認めようというのだ。ありのままの善子を受け止めて、Aqoursに受け入れようというのだ。個性は、奇抜さではない。ありのままの個人のあり方なのである。

 

  • 奇抜なキャラは、自分の個性を隠す傾向にある。だが、津島善子は裏人格を隠そうとするまでが個性だ。
  • キャラクターの決め台詞は、個性を反映させたものが望ましい。
  • ただ奇抜なだけで、個性と無関係の決め台詞は好ましくない。

 

 

奇抜なキャラ

個性は個人のあらゆる側面の集合である。以前の記事でも挙げた通り、善子のような厨二病キャラは他にも存在する。『アイカツ!』の藤堂ユリカ、『アイドルマスターシンデレラガールズ』の神崎蘭子、『プリパラ』の黒須あろま。彼女たちはいずれも、ゴスロリ(もしくはゴシック)風の衣装を身に纏い、アイドル活動をしている。彼女たちは、鮮烈に味付けされた「キャラ」で人気を集めている。もちろん、ゴスロリ系のキャラだけではない。『プリパラ』の中には、完璧にキャラを作り込んでいる「みれぃ」*1だっている。


たしかに、アイドル達は奇抜にキャラを作り込むことで、観客の心にキャラを刻み込む。観客を魅了し、時にキャラを真似する子どもファンを作る。でも、それは必ずしもありのままの自分とは言えない場合がある。例えば、『アイカツ!』のユリカの場合、基本的に表人格を世に出さない。表人格と裏人格を合わせて本当の、ありのままの自分なのにもかかわらず、表人格は見せていない。ユリカの「キャラ」は個性ではなく、人気取りに見える*2。自分のありのままを隠すことは、アイドルアニメのアイドルとしてはあまりよくない行動なのである。

 

本来求められるのは、自分を包み隠さず見せることなのだ。ただし、個性を隠そうとするなと言っているわけではない。善子が周りに時折見せる、堕天使を隠そうとする様子は個性の一部だ。堕天使のことを隠し通そうとする善子、周りに馴染めず落ち込む善子、ヨハネのキャラを完全に表に出してしまう善子。その全てが善子なのだ。

 

奇抜な決め台詞

奇抜な決め台詞も、それだけでは個性とは言えない。渡辺曜の「ヨーソロー」もそれだけでは個性でもなんでもないのだ。重要なのは、決め台詞があることではなく、決め台詞が個性を構成する要素であることだ。例えば、『アイカツスターズ!』の桜庭ローラは毎回「面白いじゃない」を連呼している。これは、ローラの、挑戦に真っ向から立ち向かう姿勢と、他人を認める寛容さを表している。ローラといえば、挑戦的な性格でありながら礼儀正しく、誰のことでも尊敬する。それから、実は酢昆布が好きだったりする。そういった個性の一部として「面白いじゃない」という口癖があるのだ。


曜も、人を引っ張っていく力があったり、自分の経験や知識を利用しながら振り付け練習や衣装作りを先導していったりするところに個性がある。だから、「ヨーソロー」という船乗りのような決め台詞を使っているのではないだろうか?「ヨーソロー」は曜の個性を十分に反映した台詞なのだ。つまり、アイドルの決め台詞にはキャラの裏付けが必須であり、個性に反する奇抜さしかない決め台詞はアイドルにふさわしくないと言える。


アイドルアニメの主人公にはあまり口癖がない印象だが、口癖がある稀有な例が『アイドルマスターシンデレラガールズ島村卯月である。卯月の口癖は「頑張ります」だ。これまたストレートな口癖だが、本質はストレートではない。卯月は「頑張る」ことの意味が見つけられず、苦悩していた。養成所に通って「頑張って」いた卯月は、ある日突然、有名事務所のプロジェクトにスカウトされる。しかし、プロデューサーに従ってばかりで、デビューした後も自分のアイドルとしての目標を見つけられなかった。口癖や決め台詞が個性を基にしていながら、かえってアイデンティティ・クライシスに陥ってしまった例でもある。いずれにしても、決め台詞は個性を反映したものでなくてはならず、奇抜である必要はないのだ。

 


見てきたように、キャラクターの設定や決め台詞は、奇抜でキャッチーなものにすればなんでもよいわけではなかった。奇抜なキャラ付けは、本人の本性やキャラに向き合う姿勢を含めて初めて個性になる。ただ奇抜にキャラクターを表現するのではなく、個性を表現することが大切なのだ。決め台詞や口癖に関しても、いかに個性を反映させるかが大事であって、奇抜である必要はない。実際、個性に合わない奇抜な口癖は埋没しがちだ。

*1:プリパラは、バーチャルアイドルテーマパークなので、自由にアバターを作ることができる。「みれぃ」は南みれぃのアバター名だ。南みれぃの場合、茶髪から金髪、ロングヘアから猫耳風ヘア、眼鏡を外すなど見た目を大きく変えた。しかも、語尾にぷりがつくなど、話し方も大きく変えていて、もはや別人と言える。

*2:日常的なシーンでは表の人格が出ることもあるが、基本的にファンの前ではキャラを貫き通すのがユリカだ。もちろん、そういった本音が出てくることで日常シーンでのキャラは立つのだが、アイドルとして目一杯個性を表現しているかといえば、疑問が残る。