ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『レゴネックスナイツ』「アーレムビルだョン」敵がわがままなヒーローの両親に屈する神回

『レゴネックスナイツ』第12話「強奪!ランスの全財産」

『レゴネックスナイツ』第12話(シーズン2第2話)はとんでもないギャグ回だった。

 

概要

メカマグマ神殿を手に入れたジェストロだったが、古臭いのでリフォームしたい。それに、神殿といえば、金銀財宝!ジェストロは戦術の匠・マグマー将軍を召喚し、リフォームを依頼する。所変わって、強欲の書を見つけたジェストロは、欲張りなモンスターを使ってお金持ちの街・アーレムビルを襲撃する。アーレムビルにあるランスの実家・リッチモンド家もモンスターに襲撃され、リッチモンド家の全財産と金ピカなランスの両親が強奪されてしまう。

 

メカマグマ神殿に戻ったジェストロ一味だったが、ランスの両親はメカマグマ神殿を予約していたスパだと思い込み、マグマー将軍をウエイターとしてこき使い、散々クレームを出した。酷い仕打ちに屈辱を禁じえないマグマー将軍とモンスター達はリッチモンド夫妻の暗殺を試みるが、失敗に終わる。このままでは、モンスター達に悪影響が及ぶ。モンスターの書もジェストロやモンスター達が金に目がないことを憂えており、迷うことなく人質と金を返すことを決めた。

 

一方、ネックスナイツは、金さえあれば人を雇って何でもしてもらえると思っているランスに呆れていた。リッチモンド家のパーティーに呼ばれたネックスナイツは何もかもが金でできているリッチモンド邸に感動する。ただ一人メイシーだけは、城にいて王女として扱われるときの感覚を思い出し、屈辱を覚えた。そんな中、ジェストロが攻めてきて、リッチモンド家の全財産とランスの両親をさらっていった。ランスの両親が誘拐されたことを嘆くネックスナイツ。お金が盗まれたことを嘆くランス。

 

「お金がないと頼み事できないじゃないか!」

 

ランス以外全員一致で両親を助けに行こうとするナイツ。ジェストロの本拠地を突き止めたのだが、ジェストロは接着剤で有名なシーリング村に向かった。ジェストロの企みが接着剤で村をめちゃくちゃにすることであると踏んだネックスナイツは、マシンで急行する。

 

「人質を返せ!」

「僕のお金を返せ!」

 

ネックスナイツは、モンスター軍団を追い込んだ。敗北を悟ったモンスターの書はネックスナイツと取引しようとする。お金と両親を全部返すというジェストロに対して、ランスは両親はいらないという。これを交渉術だと思い込んだモンスターの書は、ジェストロに交換条件を提示させた。

 

「そうだ!住宅用の接着剤をもらおう!リフォームに使うんだ!」

 

重々しい雰囲気の中、交換が行われた。両親は無事帰ってきたが、まだメカマグマ神殿をスパだと思っているリッチモンド夫妻はネットに文句を書き込んでやると怒り心頭だった。ランスは「自分でも不思議だけど、2人が帰ってきて嬉しい。ナイツの責任感も芽生えてきた」と成長を見せたように思われた。返ってきたお金を数える仕事を任された際、自分だけでやろうとはした。しかし、アヴァがスーパー算数を使ってコインの数を一瞬で数えると、スーパー算数をお手伝いロボットのデニスに、お金を払って覚えさせる、と全く成長の見えない発言をするのだった。


敵が人質に酷い扱いを受けるというギャグ回で、『地球戦隊ファイブマン』第26話「九州だョン」に何か通じるものがあった。しかし、この回は単なるギャグではなく、意外と重要な点を突いている。

 

金>両親のランス

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ランスが両親を嫌っているのは、両親が自分に使命を押し付け、夢を奪ったからだ。ランスはリッチモンド家の男子はナイツにならなければならないと言われ、ナイツにならざるをえなかった。これは家制度を採用している『レゴネックスナイツ』ならではの話かもしれない。ただ、DNAレベルの話になると、残念ながらランスは両親そっくりだ。金さえ払えばなんでもしてもらえると思っているのは、両親も同じだった。あのクレーマーには、おそらく本当のスパの従業員であっても手をやくはずだ。ランスも、友達にお金を払ってこき使っていて、あまりいいこととは言えない。最後のアヴァのシーンは、信頼関係があるから手伝ってくれたのであって、ランスが命令してやらせたわけではない。ランスがいつか自分から他人に施しを与えられるようになることを願っている。

 

富裕層という地位を嫌うメイシー

メイシーは王女という地位を嫌うので、それを連想させる金銀財宝や世話係も好きではない。今回の冒頭では、雇われたロビンがランスの代わりに、メイシーの対戦相手になっていた。メイシーはこれに対して大いに怒り、ランスをお金持ちであることを威張るだけだと評価した。リッチモンド家のお手伝いロボットに宝石の付いたナプキンを渡された際は、それを拒絶し、まるでお城にいるみたいだ、お城にいるときの100万倍酷いと酷評した。王宮に窮屈さを感じるメイシーにとって、なんでも自分でできることは大きな喜びだ。しかし、ランスはこれまで散々世の中はお金だけではないことを思い知らされてきたのに、自分でやろうとしない。メイシーはかなり苛立っていたはずだ。

 

本当のモンスターは欲望

この話の本当のメッセージは、本当のモンスターは欲望であるということだと思う。モンスターの書が欲望の書を食べてからというもの、モンスター達は欲望にまみれていた。特に、ジェストロはすっかり怠けてしまった。欲望にまみれていたのは、モンスターだけではない。リッチモンド家の人間は、金さえ払えば、欲しいサービスがなんでも手に入ると思い込んでいた。劣悪な労働条件で際限なくこき使われるモンスター達はとても可哀想だったし、リッチモンド夫妻はウエイターを下僕としてしか扱っていなかった。リッチモンド夫妻は支配欲がとても強く、その強い欲望でモンスター達を困らせていた。今回の最強モンスターは、間違いなくマグマー将軍ではなく、リッチモンド夫妻であろう。このように、第12話は、深い意味のあるギャグ回だった。

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