ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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二面性のあるアニメキャラクターの魅力

大事なのはオモテではない

『ラブライブ!サンシャイン!!』第5話「ヨハネ堕天」では、「堕天使ヨハネ」こと津島善子が不登校を抜け出し、スクールアイドル部に入部するまでの過程が描かれた。善子には自分を堕天使だと思っていた中学時代から抜け出せないという悩みがあり、堕天使を抑え込もうと、善子は奮闘した。誰もが思い当たる節があり、悶絶しそうな回だったと思うが、私が主張したいのはそちらではない。善子に類似するキャラクターに『アイカツ!』の藤堂ユリカや『アイドルマスター・シンデレラガールズ』の神崎蘭子がいる。彼女らもゴシックな服装をして、「人ならざるもの」を演じている。しかし、本来の彼女達は、気弱な少女である。本当はそこに魅力があるのではないだろうか?言い換えれば、二面性のあるキャラクターは、ウラの面にこそ魅力があるのだ。

 

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オモテの顔は自分を大きく見せる

厨二病キャラは自分を大きく見せるために使用される。例えば、『アイカツ!』の藤堂ユリカは、吸血鬼の出てくる少女漫画に憧れ、自らを吸血鬼の末裔と名乗った。しかし、普段は気が弱くて、目立たない、か弱い少女だ。アイドルとしてステージに立つ時は吸血鬼キャラなのだが、自室にいるときはゴスっぽい行動はするものの、普通の女の子になる。

 

吸血鬼が苦手なはずのにんにくがたっぷり入ったラーメンが好きで、出前を受け取るときの様子が週刊誌にスクープされてしまったことがある。その時、ユリカは強い女の子であるために、ゴスロリブランド「ロリゴシック」のプレミアムドレスを貰いに行く*1。友人達に助けられたことで気づいたのは、ファンは、そのままの、素のユリカも愛してくれるということだ。もちろん、吸血鬼の末裔のユリカも愛している。でも、吸血鬼の末裔というキャラがあるからこそ、素のユリカのキャラが際立つのだ。


このようなキャラクターは、アイドルアニメのみで起こるわけではない。厨二病ライバルキャラの残忍さが描かれた後で、その「小ささ」にクローズアップするというのは、定型と言っても過言ではない。『遊戯王ZEXAL』の天城カイト*2は病気の弟を想う優しい兄だったが、怒り・憎しみに満ちたナンバーズ・ハンターへと姿を変えていた。『テンカイナイト』の犬飼ゲンも同様に、両親や幸せな生活を失った辛い経験から、闇に堕ち、「黒騎士」として行動することになった。少年アニメの厨二病ライバルキャラは、根は優しいはずなのに、悪として主人公の前に立ちはだかることがある。もちろん、彼らの心の中には優しい自分がいるはずで、その「本当の自分」に我々は惹かれるのだと思う。このように、厨二病キャラクターはその中に、魅力ある本性を隠し持っていた。

 

オモテの顔は照れ隠しに使われる

オモテの顔が本心を覆い隠すために使われることがある。『プリティーリズム・レインボーライブ』の森園わかなは処世術として、プリズムショー(≒芸能活動)や学校で使う顔、家で使う顔、よその家の呼ばれた時に使う顔など、顔を使い分けていた。特に、プリズムショーや学校などで見せる顔では、猫をイメージした口調になり、語尾にニャがつく。だが、シリアスな局面になると、ウラの顔が出てくる。一方、照れ隠しというか、茶化す目的で急に猫語が入ることもある。わかなの場合、面が多すぎて二面性とは言えないが、自分を隠す目的でオモテの顔を使うことは多い。


蘭子やユリカの場合、ウラの顔で話すと、確実に照れが入る。もちろん、厨二病キャラには、前節のように自分を大きく見せるという効果もある。だが、照れ隠しや、自分の気持ちを素直に伝えられないことから、オモテの顔を使う場合がある。善子の場合、ノリノリでヨハネをやって、後で自分のイタさに気づき、後悔するので、性質が違う。いずれにしても、オモテの顔を使って照れを隠すという可愛らしさも、二面性のあるキャラクターの魅力だ。

 

オモテウラのない厨二病

このように、オモテウラのあるキャラクターは、ウラの顔にこそ魅力がある。ただし、厨二病だけれども、ウラ人格がないという場合がある。例えば、『SHOW BY ROCK!!』のバンド「シンガンクリムゾンズ」のメンバーは、基本的に、根っからの厨二病だ。「オレ達は深紅色の心眼でこの澱んだ世界を見続けル・・・。」をモットー(?)としており*3、会社員であるロム以外は基本的にオモテ人格がない。あるいは、『プリパラ』の黒須あろまも、善子らと同じくゴスなキャラクターなのだが、ゴスなキャラクターの中で喜怒哀楽が表現されている。自らを悪魔と名乗るあろまは、小学生ということもあってか、基本的に悪魔になりきっている。善子が無意識に堕天使を演じてしまう自分に戸惑う中で、あろまは、周りからそういう子だと思われていて、自分もそのキャラクターが好きなのだ。


自分を強く持ちたい、自分を隠したいという想いでそういったキャラを演じている子がいる一方で、体の芯から、指の先まで厨二病という子もいるということにも目を向けてほしい。

*1:『アイカツ!』の世界では、ステージ衣装は量産品を手に入れるか、トップデザイナーに魂を込めた1点もののプレミアムドレスを作ってもらう必要がある。そのためには、トップデザイナーに努力や功績を認めてもらわなければならない。風沢そらのようにデザイナーを兼務しているアイドルは、自分でプレミアムドレスを作る。

*2:現在放送中の『遊戯王ARC-V』にも「カイト」は出ているが、パラレルワールドに生きる存在であり、別人である。

*3:シンガンクリムゾンズ | SHOW BY ROCK!! Official Web Site

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