ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『ウルトラマンオーブ』第14話 松戸シンの諦めない心

第14話「暴走する正義」

“Never say never.”

 

「できないなんて言わないで」

 

ウェブサイトに載せる動画を撮影するSSPだったが、メカニックの松戸シンが出かけているため、撮影が順調に進まない。そのシンはビートル隊の戦闘機・ジェットビートルの部品も作っているという町工場・コフネ製作所を訪れていた。シンは工場長の小舟から贔屓にされていて、今日も仕事を手伝っていた。

 

 

小舟曰く「バネは人間と同じだ。どんな困難に押しつぶされようとも、それをはねのける力がある。」部下は、時代の潮流に乗るためにロケットモーターを開発しようと言っているが、小舟はこれからもバネ一筋だと言って譲らなかった。


昼食の時間、小舟はいつもの焼きそばを作っていた。クレナイ・ガイは地球で一番うまい焼きそばだと絶賛し、小舟から作り方を教わっていた。一方、部下たちは、「景気の悪化でうちも大変だった。ビートル隊のコンペがあってよかった」と思い出語りをしていた。しかし、小舟は戦闘機のためにバネを提供するような人ではないはずだった。なぜコンペに入札したのかといえば、命を救うためだという。小舟は戦闘のために作れば、心が闇に染まると釈明した。


そのとき、突然、巨大なロボットが現れた。シンと早見ジェッタは命名で喧嘩をするが、ロボットは癒しの波動と音楽を発して喧嘩を止めた。夢野ナオミは、ギャラクシードラゴンとサルバトロンの間をとって、ギャラクトロンと命名した。うっかり機体に触ってしまい、スキャンされたナオミは、ギャラクトロンから世界を守る強い意志を感じ取った。平和のためのロボットならと、シンたちはロボットを調査し始めた。


解析の結果、ギャラクトロンは全く別の次元から来た未知のロボットであることがわかった。その晩、シンはこのロボットに話しかけていた。それを見ているガイに、小舟はシンの過去を語った。小舟が小学生ロボットコンテストの審査員をやっていた際、シンはヘンテコなロボットを作って参加した。入選できず、悔しがって小舟に一生懸命質問をしていたという。その結果として、1年後、ついに入線することができた。シンはいつか人の役に立つ究極のロボットを作りたいそうだ。


翌朝、ギャラクトロンは動き出した。ナオミが寝ているワゴンを自身のコアに格納し、洗脳。自らの意志をこの地球の人間に伝えた。紛争を無くし、世界をゼロからやり直すというのがギャラクトロンの意志らしい。ギャラクトロンは次々に街を破壊していく。ガイはウルトラマンオーブに変身し立ち向かうが、スペシウムゼペリオンの光線は吸収され、ハリケーンスラッシュの物理攻撃も効かない。工場を破壊され、立ち尽くすシンに、小舟は自分たちにはわがままを言って解析をした責任があると言って手を差し伸べた。しかし、ギャラクトロンと交戦するオーブは腹を貫かれてしまった。

 

サンダーブレスター覚醒のためのお膳立て

15話の次回予告から分かる通り、今回はサンダーブレスターを制御するための準備回だった。行き過ぎた正義(強すぎる光)としてギャラクトロンを登場させ、その誤りを光と闇の戦士・サンダーブレスターで迎え撃とうというのだ。一見、次回予告で唐突にサンダーブレスターの名前が出て来たように思えるが、実は前編にあたる今回でそのための足場作りは終わっている。サンダーブレスターといえば、12話でガイが使いたがらなかったのが印象的だ。このようにガイがサンダーブレスターを使うのに躊躇する理由は、主に2つある。


まず、闇の力・ウルトラマンベリアルは、ウルトラマンにとって許し難き悪である。ベリアルの力を借りることは、ウルトラマンにとって最大の屈辱である。そして、前回の戦いで、サンダーブレスターにフュージョンアップしたオーブは街を破壊してしまった。ガイはそれを、かつて光ノ魔王獣マガゼットンを倒すことで大切な人と星を破壊してしまった辛い経験と重ね合わせた。


このような理由から、ガイはサンダーブレスターを使いたくない。実際のところ、12話でも何回もフュージョンアップに失敗していた。だが次回は、サンダーブレスターを使わざるを得ない状況になっている。そもそも、ギャラクトロンは正義の名の下に破壊活動を行うロボットであり、魔王獣と正反対の、未来(この次元より発達した異次元)の技術である。これまでの敵とは真逆の属性を持つこの敵を倒すには、これまでのオーブと真逆の属性を持つサンダーブレスターを使う以外ないだろう。スペシウムゼペリオンとハリケーンスラッシュという二大タイプが敗れているわけだから、それよりも強い力が必要なのは明確だ。こうして、ウルトラマンオーブ サンダーブレスター覚醒の準備はほぼ完了した。

 

松戸シンの過去

一方、オーブが恋人と星を破壊した過去に対してのコミットメントが、松戸シンの過去の掘り下げだった。シンは子どもの頃から様々な夢を持っていたようだが、そのひとつが人を助けるためのロボットを作ることである。もちろん、平和のために世界を破壊するギャラクトロンと対比される要素ではあるのだが、それは関係ない。シンは小学生ロボットコンテストで悔しい敗北をしたが、そこから這い上がって、1年後入選を果たした。詳細は前述の通りだが、これは現実から目を背けず、自分と向き合った結果といえよう。


そして、その逆の状態にあるのが、今のクレナイ・ガイ/ウルトラマンオーブである。真の姿を封印し、他のウルトラマンの力を借りることでしか戦えなくなったガイは、未だに前を向いていない。それどころか、愛する人を敵に誘拐され、再び失おうとしている。過去と真正面から向き合い、決別して、強くなることがガイには求められているのだろう。小舟の台詞は、小学生のシンも諦めずに立ち上がったのだから、ガイもまた立ち上がるべきなのだというメッセージなのだと感じた。

 

立ち上がれガイ

今回はサンダーブレスターの覚醒のための、そして、ガイの再起のための準備回だった。実は、既に各種メディアでウルトラマンオーブの真の姿が解禁になっている。オーブの覚醒は近いのだろう。だが、ネタバレを好まない人はYouTube円谷プロダクションチャンネルや公式サイトはチェックしないようご注意願いたい。

 

最後はこのセリフを引用して締めるべきだろう。

 

「バネは人間と同じだ。どんな困難に押しつぶされようとも、それをはねのける力がある。」

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