ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。(2017/7/13 Update: 2つあった関連記事欄を1つに収束。)

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『アイカツスターズ!』第30話 アイカツシステムに選ばれた虹野ゆめの宿命

あの力の謎とゆめの決意

七倉小春の送別会を開くことにした虹野ゆめ。小春がゆめの歌に励まされてきたことを知り、最後に1曲歌うよう促されるのだが、ゆめの喉は本調子ではなく……

 

この回では、あの力の謎とゆめの決意が描かれた。かなり重要度の高い回で、絵コンテを木村隆一スーパーバイザー、演出を佐藤照雄監督が担当している。この手の「お別れ回」は、別れを綺麗に描くか、主人公たちの想いが別れを阻止させるという展開が多い。そんな中、『アイカツスターズ!』はとんでもない展開をしてきた。

 

 

 

 

 

アイカツスターズ!』第30話「七色のキャンディ」

引越しのことを言い出せない小春と喉を痛めたゆめ

イタリアへの渡航が来週に迫る中、小春は引越しのことをゆめやみんなに言い出せずにいた*1。一方、歌組のレッスンでは、ゆめが喉を痛めて声を出すことができないようだ。喉に異常はないが、大きなステージの後で負担がかかっているかもしれないので、レッスンを休むことになった*2。ゆめは「すごく力を出せたステージ」の後で喉の調子がおかしくなるということに気づいていた。そのため、喉に負担をかけないため、腹筋を鍛えようとした。

 

小春の告白とゆめの決意

レッスンの後、桜庭ローラはゆめに、当分の間ひとりでアイカツするということを伝えた。代わりに、小春がゆめをランチに誘ってきた。小春はゆめに本当のことを伝えた。小春はアイカツを続けるつもりのようだ。「私たちにはアイカツがある。」 小春は、遠く離れていても心は繋がっているということを示唆し、笑ってお別れしたいと言った。このとき、ゆめは「小春ちゃんを笑顔で送り出せるよう(中略)頑張る」ことを決意した。


小春を送るため、「サプライズパーティ」を開くことにしたゆめは、仲間たちと協力して企画・制作をした。作業が進む中、小春のクラスメイトが手伝いたいとやってきた。彼女たちによれば、小春はいつもゆめのことを自慢げに話していたそうだ。早乙女あこも、小春はゆめの歌に励まされているということをゆめに教えた。小春とのこれまでの日々を思い出し、感傷に浸るゆめに対し、ローラはパーティの最後に1曲歌うことを提案した。ゆめは最高のステージを見せることを決意したのだった。

 

運命の悪戯

ゆめは荷造りを終えた小春を誘い、パーティ会場に連れてきた。サプライズパーティは、「小春ちゃんいってらっしゃいパーティ」という前向きなタイトルになっていた。パーティは学園長や教員も集まり、盛大に行われた。小春の名場面を集めたスライドショーが流され、料理も振る舞われた。それから、S4のうち香澄夜空以外の3人も到着し、小春にサイン色紙をプレゼントした。小春は礼儀正しく、感謝の気持ちを述べた。そして、ゆめたちからは、5人に似せて作った人形(エンディングに登場するもの)がプレゼントされた。小春の人形はあこが作ったのだという。


そして、運命の刻(とき)が訪れた。ゆめは、小春のためにステージで歌を披露する。ゆめは、小春の好きな色の、小春の人生の新たな1ページをイメージしたドレスを選んだ。喉は本調子ではないが、小春のために頑張りたいゆめだったが、その期待は運命によって裏切られた。「あの力」が発動し、生徒たちは圧倒的なステージに感動していたが、白鳥ひめと諸星ヒカル学園長は異変に気づいていた。次の瞬間、強いオーラを発したかと思うと、ゆめは咳き込み、アイカツシステムが停止した。ゆめは倒れ、小春に看取られながら、意識を失った。


諸星学園長がゆめを抱きかかえ、ゆめを保健室に運んでいった。枕元では小春がゆめの手を握っていた。だが、時間は来てしまった。小春は、ゆめを気にかけながら、校門前で挨拶をした。朝陽と夜空も到着し、プレゼントを渡すが、本当に時間は来てしまった。


「これからも素敵なアイカツを」


小春は車に乗り、涙を流しながら去っていった。外には横断幕を掲げる生徒たちがおり、小春を精一杯見送っていた。小春はゆめの人形を見つめ、ゆめに想いを馳せた。

 

衝撃の真実

ゆめは目を覚ましたが、窓からは夕日が差し込んでいた。小春のことを思い出し、立ち上がろうとしたが、養護教諭がゆめを止めた。そこにちょうどひめが現れた。小春はもうすでに旅立っていた。ひめも横断幕とともに小春を見送っていたのだ。ゆめは、ベッドにゆめを寝かしつけ、喉に効く飲み物を飲ませながら、真実を語り始めた。


ステージでいつも以上の力が出せるのはひめも同じだった。ひめは、それを「同じ運命に導かれた」と表現している。そして、「まるでアイカツシステムに選ばれたみたいに」という表現もここで登場した。ひめもゆめと同じように「あの力」を使ってステージに立ち、有頂天になっていたが、次第に声が出なくなっていった。そんな折、諸星学園長はひめを激励し、「今の自分を超えていけ」「ステージの神様に与えられた試練だと思え」と言い放った。それからひめは厳しいトレーニングを続け、今のように「あの力」に頼らずにステージに立てるようになったのだという。ゆめは小春のことで一杯一杯なので、ひめの話を理解していなかった。

 

小春の手紙とゆめの決意

その夜、部屋に帰ったゆめは、自分の机の上に、小春からの手紙と7つのキャンディが置いてあることに気づいた。手紙を開けると、次のことが書かれていた。

 

最後に2人で話せなかった
から、お手紙を書くね。
今まで ありがとう。
ずっとずっと、楽しかったね。

アイドルにあこがれて、S4ファン
になって…2人で四つ星学園
に入れたなんて、(引用注:セリフでは「今も」)信じられない!
毎日がキラキラしてて、ほんとに


(引用注:ここからは画面上では読めないので、セリフから聞き取った。)


夢みたいだったよ。私がイタリアに
行こうって思えたのは
ゆめちゃんのおかげなんだ。

ゆめちゃんのすごいステージを見るたび
私ももっと成長したいって心から思った。
そのためには、今のままじゃ
ダメだって気がするの。
私たちはまだ未来の途中。
新しい場所で、新しい自分を探してきます。
私の、新しいアイカツのスタートラインです。

アイカツスターズ!』第30話「七色のキャンディ」より

 


手紙を読むゆめの頭の中に走馬灯のように、小春との思い出が流れていく。小春は出発の直前、この手紙を書いていた。空港でもゆめのことを気にかけていたようだが、夜空にひときわ明るく輝くあの星を見つめていた。


ゆめがキャンディのひとつを口に入れると、そこには次のようなメッセージが書かれていた。

 

これからも一生、
ゆめちゃんの
ファンです!
こはる(引用注:自分の似顔絵とともに)

アイカツスターズ!』第30話「七色のキャンディ」より

 

ゆめは涙を流し、寮の外を走っていった。あの展望台まで。あの展望台でゆめは、二度と失敗をしないと決意した。だが、小春を失ったゆめは不安である。空を見上げると、ゆめには小春の声が聞こえた。頑張れる気がしたゆめは、今日を新しいスタートラインとして、決意を新たにするのだった。

 

お別れ回で挫折を描く

別れは人を強くするというが、アイドルアニメのお別れ回でここまで絶望させる展開を見たことがない。多くの人は、別れに美しさを求め、あるいは、別れの阻止を願うだろう。ところが、アイカツスターズはお別れ回で挫折と決意を描いた。ゆめは前向きな別れをしたかったのに、自分のせいで笑顔で別れることができなかった。この後悔は、ゆめを決意させた。


ゆめがこれまで「頑張れた」のは特殊な力のおかげだった。だが、才能に溺れていてはいけない。どんなに天性の才能がある人でも、努力を怠れば、いつか壁にぶつかる。歌手であれば、どんなに綺麗な声を持っている人でも、トレーニング法や歌唱法を間違えれば身を滅ぼす。ゆめは力を使わずに、努力をして素晴らしいステージをすることをこれから明確に求められることになる。失敗しないと決意したゆめがどう成長を見せるかが注目される。

 

ライバルと友達

ゆめは、最大の友達と第二の友達を失った。小春はイタリアへ旅立ち、ローラはひとりでアイカツすることを決意した。この別れは、友情を忘れて孤独になりなさいということではないはずだ。「ライバルであり友達」というのがアイカツにおける友達の立ち位置である。つまり、友達と切磋琢磨しあい、互いを認め合いながら、互いの目標を目指すというアイカツの理想形に持っていくために、今は別れているのだ。だから、我々視聴者はローラとゆめが友達に戻れるまで、見守るしかない。


ローラがライバルに偏重している中、ゆめと小春は、まだライバルになりきれていない。しかし、小春が美組でなくなった今、小春とゆめは実は同じ土俵に立っている。小春とゆめは幼馴染であり、互いを尊重している。だからこそ、互いを傷つけあうことも、争いあうこともなかった。小春はゆめを超えたいと思ったことはなく、ゆめは小春を超えたいと思ったことはなかった。だが、今回の手紙には、小春がゆめのステージに刺激を受けたことが示唆されている。ゆめと小春が別れたことで、2人の関係性にも変化が訪れると思うので、注視していきたい。


一方で、「ライバルであり友達」という方向に向かおうとしているのは、小春とローラの両者で共通している。ローラも小春も、親友であることを強調し、たとえライバルであっても相手を嫌いにならないと決めている。その距離感の調節をどう描くかも見所である。

 

あの力の謎

あの力の謎はまだ解明されていない。その正体を、サンライズバンダイナムコピクチャーズは描いてくれるのだろうか? 今分かっているのは、実力とは異なる力であり、自らの身を滅ぼすものであるということのみである。いい力なのか悪い力なのか、是非とも番組中で説明してほしいものだ。

 

*1:ちなみに、『アイカツ!』では、一ノ瀬かえでが何も知らない霧矢あおいに対し、星宮いちごが学校を辞めてアメリカに行くことを話してしまったという「前科」がある。

*2:「大きなステージ」とはハーフタイムショーのことをさすと考えられ、もう終わったということが示唆されている。

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