ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツ!』からの脱却 『アイカツスターズ!』第1話

『アイカツ!』は終わり、もう帰ってこない。『アイカツ!』を心から愛してきたファンの中には、『アイカツスターズ!』を観たくないという人も多いだろう。お友達と一緒に人気者を目指して頑張る。それが『アイカツ!』の3年半だった。その『アイカツ!』が終わることが告げられ、ファンの元に舞い降りてきたのは、『アイカツ!』の顔をした別物のアニメだった。星宮いちごも大空あかりもスターライト学園もない。そんなアイカツ!を認めたくなかったはずだ。だが、『アイカツスターズ!』は『アイカツ!』じゃない。これは、作品が終わるのを認められないファンが言っているのではない。最強を目指し、覚醒し、ラブコメし、ライバルと戦う……全く新しいアイドルアニメが始まったのだ。

 

※1回観ただけで、ファーストインプレッションを語っているに過ぎないので、細かい部分は目を瞑ってください。

 

最強を目指す少女達

最強の存在としてのS4

アイカツスターズ!の最大の特徴は、トップを目指すことは、相手を蹴落とすことになるということだ。たしかに、『アイカツ!』にはスターライトクイーンや、アイカツランキングという概念があった。だが、スターライトクイーンは交代制のため、必ずしも倒すという存在ではなかった(美月は越えるべき壁として立ちはだかったが)。アイカツランキングが示しているのは、強さではなく、人気であった。今回は、各タイプのトップの実力者としてS4が君臨している。アイカツランキングと同じでいつでもトップが陥落するが、一方で、4つのランキングの中にトップが4人いるという違いもある。しかも、各タイプのナンバーワン以外がほぼ無価値として扱われている。主人公たちが目指すべきものとして4つの席が存在し、超えるべき強者がいる。

 

S4を目指す≠ひめを倒す?

S4を目指す以上、ひめを倒す必要がある。今日のステージを見る限り、ゆめはひめと同じキュートタイプのアイドルだ。ひめを倒すことになることをゆめは自覚していないのか、普通に倒すつもりでいるのか不明だ。少なくとも今の描写では、彼女の「S4への憧れ」は、ひめと同じ舞台に立ちたいという気持ちの方が強いのではないだろうか?

 

「S4になりたい」という台詞の連呼

「S4になりたい」と言っているゆめを見て思い出すのはやはりプリティーリズム・ディアマイフューチャーで、春音あいらを倒すことを目標にしていたみあ。彼女は、ずっと春音あいらを倒すと公言してきたが、最終的に、他人を蹴落として頂点に君臨するのではなく、強きものとして周りの人々を導いていくことが重要だと気付いたのだ。ゆめに関しても、「S4になりたい」という発言を繰り返していることは「オリジナルスター」を目指していくのを示唆している。

 

覚醒描写

1話にして、主人公が覚醒してしまった。『アイカツ!』では、アイドルの強さを表現するときに、あまり画面や演出での表現に頼らずに「すごい」を連呼していた(言葉の表現に頼っていた)。『アイカツスターズ!』では、いきなり強そうなオーラを出し、いきなり倒れるという演出をすることで、一発でゆめは強いということを表現した。「ドキドキが止まらない」という発言があり、最初は「MY SHOW TIME!」の歌詞にかかっていたのかと思った。だが、1話を最後まで見ると、ゆめに初陣ですごいオーラとスペシャルアピールを出させたのは「信じるチカラ」である*1ということに気づかされる。別にレッスンでいい成績が出ているわけではない。けれど、「信じるチカラ」があれば勝利できる。前作にはない発想である。確かに前作でも気持ちだけでスペシャルアピールを出せた場面があった。だが、健康に影響を及ぼすレベルの力を発揮したところは見たことがない*2。それだけ女児向けアニメの主人公が覚醒する描写が新鮮だったのだ。

 

ラブコメ描写

アイカツでは控えめだったラブコメ描写だったが、王道の空から女の子が降ってくるシーンがあった。きっかけがやや外道ではあるが……さて、女の子が男の子に対して反抗的な態度をとるのは、どちらかといえば少年向けアニメや深夜アニメの文法だと思った。ここではあえてなのか、ゆめは年上に見える少年に対してかなり強気だ。たしかに、少年が少女を馬鹿にする描写というのは、プリキュアシリーズでも、プリティーリズムシリーズでもある*3。だが、これまで恋愛を避けてきたアイカツ!と違って新鮮だ*4。結城すばるのCGがあるのかも気になるところである。

 

ライバルの存在

『アイカツ!』において、「ライバル」の存在は重要だった。彼女たちは仲良くしつつも、同じ舞台で戦う相手でもあるという独特の存在だった。誰一人として、スーパー戦隊の追加戦士のような子はいなかった*5。親友が同じクラスだった『アイカツ!』1〜2年目……親友がクラスメイトではあるがメインキャラではなかった『アイカツ!』3〜4年目……そして、親友が隣のクラスになって、桜庭ローラというライバルが代わりに隣の席にいる『アイカツスターズ!』……もちろん一緒にアイカツはするが、ルームメイトではない(心を許しあう仲ではない。)。たしかに『アイカツ!』の音城セイラは学校まで違う別行動のライバルであったが、星宮いちごに不快感を抱くなどの反発はなかった。紫吹蘭は、最初は主人公に厳しかったが、芸能界の先輩としての指導という大義名分があった。一方の桜庭ローラは、初日から遅刻する不良タイプである。このタイプのキャラは『アイカツ!』ではいなかった(アイカツ先生に不良は出てきたが)。次回でゆめとローラがわかりあえるとは思っていないので、2人が和解するときが楽しみである。


このように、『アイカツスターズ!』は『アイカツ!』ではできなかった表現をすることで『アイカツ!』との差別化に繋げている。『アイカツ!』は終わったかもしれないが、『アイカツスターズ!』はまた別のアニメなので、見る価値はあるのではないだろうか?BSジャパンでも放送されるし、バンダイチャンネルで配信もされるはずだ。『アイカツ!』が好きなのであれば、ライバルを蹴落とすようなことはしないでほしい。

*1:つまり、「Move on now!」

*2:美月が倒れたのはあくまで過労であり、突然実力以上の力が出たわけではない。

*3:もちろん、これらのシリーズにも少女が相手の嫌味や意地悪に対して反発する描写はあると思うが、相手の存在を否定し、警備員を呼ぶというやや法的に近い手段を行使しようとするのはあまり見ない。せめてお母さんに言いつけるぐらいだろう。

*4:私の記憶違いでなければ、『アイカツ!』初期では太田くんがいちごに反発していたような気がする。

*5:スーパー戦隊の追加戦士には、主人公たちと別行動をしていて、あまり絡まないものも多い。

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