ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『海賊戦隊ゴーカイジャー』は歴代スーパー戦隊の力を受け継ぐ大いなる作品

海賊戦隊ゴーカイジャー(2011)

「宇宙最高のお宝」を求めて地球にやってきた宇宙海賊。ところが、地球は宇宙帝国ザンギャックの侵略攻撃に遭っていた。かつてのザンギャックとの戦い「レジェンド大戦」で地球のスーパー戦隊は失われており、もはや地球を守る存在はいないかと思われた。そんな時、スーパー戦隊の力が封印された鍵「レンジャーキー」*1を操る海賊戦隊ゴーカイジャーが登場した。ゴーカイジャーは豪快にザンギャックに立ち向かう。

 

 

海賊戦隊ゴーカイジャーとは

海賊戦隊ゴーカイジャーは宇宙人を主体にする異色の戦隊だ。すべてのスーパー戦隊が同じ時空に存在し、そのスーパー戦隊が失われた世界という世界観で物語が展開され、ゴーカイジャーがその魂を受け継ぐ。レンジャーキーに込められているのはあくまでスーパー戦隊の力(技・武器・力)であって、その戦隊の精神は基本的に込められていない。スーパー戦隊の魂は、歴代スーパー戦隊「レジェンド戦隊」の戦士に直接会うことで会得するのだ。レジェンド戦隊の魂は「大いなる力」となり、ゴーカイジャーのロボット「ゴーカイオー」の力となる。ゴーカイジャーはレジェンド戦隊に支えられ、5(6)人の力でザンギャックに立ち向かう。魂を受け継ぐというストーリーは、東日本大震災とシナジーを示し、大きなプロジェクトへと発展した。35周年記念作ということもありストーリー自体も壮大だが、長年子どもたちを魅了してきたスーパー戦隊が与えた影響は大きかった。それに、ゴーカイジャー自体も非常に心惹かれる戦隊だった。言い換えれば、海賊戦隊ゴーカイジャーは全国の「子どもたち」に熱きスーパー戦隊魂を注ぎ込んだ作品だったのだ。

 

レジェンド戦隊と東日本大震災の影響

海賊戦隊ゴーカイジャーは、2011-2012年の作品で、東日本大震災の影響を大いに受けていた。もちろん撮影の遅延もあったが、一方で、かなりの数のレジェンド戦隊が出演していて、東北を含め、全国の子どもたちに勇気を与えた。

 

もともとスーパー戦隊がかつてのような「ジャリ番」でなくなっていることもあり、イエローライオン/大原丈役の西村和彦さんのように震災がなくても進んで出演したいというレジェンドもいた*2。スーパー戦隊の現場にはスーパー戦隊ならではのアットホームさがあるようで、多くのキャストが懐かしさを感じたり、先輩風を吹かせたりしていたようだ*3。一部出演者には恩返しの気持ちもあったらしい。デリケートな話題なので、直接的な証拠は見つからなかったが、レジェンドの皆さんの出演には震災の影響も手伝っているのではないだろうか?

 

それから、視聴者側も、かなり頻繁に出演するレジェンド戦隊に目を輝かせながら観ていた。スーパー戦隊というブランド・記念戦隊・東日本大震災という合わせ技で、スーパー戦隊というみんなのかけがえのない存在が海賊戦隊ゴーカイジャーという大きな作品を作り出したのだと思う。

 

ゴーカイジャー自体の濃さ

海賊戦隊ゴーカイジャーは各キャラクターの力が強い戦隊だった。ゲストを呼ぶ都合もあり、キャラクター自体も強くしなければいけなかったのだろう。熱い魂を持った暴れん坊のキャプテン、ザンギャックを離反したクールな男海賊、平気で暴言を吐く女海賊、弱気ながらもその気配りとちょっと変な動きで周りを支える「ハカセ」、ちょっとおっとりしつつも肝の据わった亡国の姫君、お調子者のスーパー戦隊オタクといった荒削りなキャラクターの集合がゴーカイジャーだ。


でも、最終的に荒削りというわけではなく、レジェンドとの絡みによってキャラクター自体や俳優の演技にも深みが生まれている。例えば、ゴーカイブルー/ジョー・ギブケンは、レジェンドとの絡みによって、ザンギャック時代の先輩の魂を救うことを決意した。ライブマンのイエローライオン/大原丈は、悪に堕ちた同級生を救えなかった悲しみを繰り返さないため、大学に勤務していた。ある事件を機に大原丈とジョー・ギブケンは知り合い、ジョー・ギブケンは大原丈の想いを知る。ジョー・ギブケンはその想いを受け継いで、先輩が変わってしまった存在であるバリゾーグを討つことを決意した。このとき、イエローライオン役の西村和彦さんがゴーカイブルー役の山田裕貴さんに演技をレクチャーしていたようで、山田さんも、西村さんのリードのおかげでいつもより良い演技ができたと振り返っていた*4


こうしたレジェンドとの共演は、ゴーカイジャーというキャラクターを大きくしたし、俳優を成長させた。もちろんレジェンドが絡まない通常回でも楽しく展開しているが、レジェンド回あってこそ通常回が光ったのだと思う。

 

ゴーカイジャー特有のアクション

ゴーカイジャーのアクションはとてもスタイリッシュで面白い。ゴーカイジャーというと、レジェンド戦隊に変身するのでレジェンド戦隊のアクションが見所なのではないかと思うかもしれない。しかし、ゴーカイジャーに変身している時のアクションも見所だ。ゴーカイジャーの5人はゴーカイサーベルとゴーカイガンを1本ずつ持っている。普通の戦隊であれば、これらを使い分けて攻撃するのだが、ゴーカイジャーは一味違う。

 

戦闘中、これらを仲間にパスする。例えば、ゴーカイブルーは剣の使い手なので、仲間からサーベルを貰い受けて二刀流になる。ゴーカイジャー以降、個別武器と合体バズーカがなくなるのだが、(嘘です。獣電戦隊キョウリュウジャーで刺突武器ケントロスパイカーに合体する個別武器がありました。それ以降も、トッキュウジャーのレンケツバズーカがあり、「定番ではなくなる」が正解です。訂正します。(2016/8/25) )共通の装備だからこそできるアクションをしていた。そのジョーはバリゾーグになる前のシド・バミックからかっこいい技を受け継いでおり、必殺技として使っている。ゴーカイイエロー/ルカ・ミルフィのサーベル(同じく二刀流)からワイヤーが出てきて、それを使って剣を操るという独特の動きをするというのも特徴的だ。こうしたスタイリッシュな挙動をするのも、ゴーカイジャーの魅力だ。約1名スタイリッシュではない動きをする奴もいるが、気にしないでほしい。

 

ゴーカイジャーオリジナルの要素

先述の大いなる力には、ゴーカイジャーオリジナルの要素が含まれる。例えば、マジレンジャー回(第3話)では、ゴーカイグリーン/ハカセ(ドン・ドッゴイヤー)の勇気に答えて、ゴーカイジャーが変身したマジレンジャーが新たな魔法を受信する。ゴーオンジャー回では、新たな炎神*5まで登場した。玩具も売らなければならないので、歴代ヒーローをアレンジした要素も登場するというわけだ。仮面ライダーディケイドでも同様に仮面ライダーが変形して武器になるという玩具が発売されたが、スーパー戦隊の場合はそれが新たなメカになる。このようなオリジナルの要素もゴーカイジャーの魅力である。

 

ジュウオウジャーにゴーカイジャーが出演する意味

このように、ゴーカイジャーはレジェンド戦隊やゴーカイジャーそれ自体の力、レジェンド戦隊から生み出した新たな力で大きな作品になっていた。今回、ゴーカイジャーにジュウオウジャーの出演が決まったが、これは単なるお祭りではないと思う。俳優として大きくなった先輩、そして声優として大きくなったM・A・Oこと市道真央さんと池田純矢さんとともに芝居をすることは、ジュウオウジャーのキャストにとって非常に良いことだ。もちろん、ゴーカイジャーのキャスト自身もこの現場を懐かしがり、先輩としてジュウオウジャーのキャストを引っ張っていくだろうが、ジュウオウジャーから受け取るものも大きいと思う。この回を機に、両者がいい成長を遂げられることを期待したい。

*1:レンジャーキーはスーパー戦隊の各戦士がかたどられたアイテムで、変形させることで鍵本体が出てくる。ゴーカイジャーのレンジャーキーで基本の姿に変身するが、他のスーパー戦隊のレンジャーキーがあれば、そのスーパー戦隊にも変身(ゴーカイチェンジ)できる。

*2:海賊戦隊ゴーカイジャー 第30話「友の魂だけでも」|東映[テレビ]

『東映ヒーローMAX Vol.40』(辰巳出版、2012年)には、出たいと関係者に直談判したというファイブイエロー・成嶋涼さんやオリジナルストーリーを考えていたというチェンジグリフォン・和興さんのインタビューも載っている。

*3:海賊戦隊ゴーカイジャー 第4話 何のための仲間|東映[テレビ]

海賊戦隊ゴーカイジャー 第10話 「トランプ勝負」|東映[テレビ]

海賊戦隊ゴーカイジャー 第8話「スパイ小作戦」|東映[テレビ]

*4:『東映ヒーローMAX Vol.39』(辰巳出版、2011年)の86-87ページには山田裕貴さんのインタビュー、100-101ページには西村和彦さんのインタビューが掲載されている。西村さんによれば、演技のテーマを決めて、「監督のコンテを裏切るような芝居」をしようと言っていたらしい。

*5:炎神(エンジン)は、炎神戦隊ゴーオンジャーに登場する車と動物を合わせた機械生命体。人語を喋り、ロボ戦でない時もSD状態(ゴーオンジャーの変身アイテムに彼らの魂である炎神ソウルを入れると、姿が浮かび上がる)で登場するのが特徴だ。

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