ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツスターズ!』忖度が働いて誤審!? 絶望の閉店へ……?

色々と問題のあるオーディション

『アイカツスターズ!』第58話は、去年に引き続き、幸花堂オーディションだった。アイカツ無印でいうポンポンクレープやポップンポップコーンの地位は射止めたと言っていいだろう。アイカツは伝統的にオーディション回がカオスになりやすいのだが、今回は比較的穏やかだった。ただし、オーディションの結果が穏やかじゃない。


今回は大人からすればどう見てもズルに見える方が賞賛されるような、痒いところに手が届かない回になってしまった。社長のプロフィールを念入りに調べ上げたエルザときららがオーディションに合格したのだが、新作スイーツを提案するオーディションの趣旨にあっておらず、彼女らが賞賛されることには疑問符が浮かぶ。少なくともアイカツのオーディション回としては、よろしくなかった。

 

 

 

第58話「ミラクルオーディション!!」

老舗和菓子店・幸花堂のCMキャラクターのオーディションに出場することになったゆめとリリィ。対するはヴィーナスアークのエルザ・フォルテと花園きらら。前任者・桜庭ローラの着ぐるみCMを見て引き気味のレイをよそに、エルザは出場を快諾していた。


エルザは正解を確信しているとも見える余裕の表情でクイズを全問正解し、その後の審査も難なく通過していった。そして、最終審査に進んだゆめ&リリィとエルザ&きらら。最終審査は店に出す新作スイーツ作りである。ゆめ(とリリィ)は洋菓子作りの腕を活かし、抹茶ロールケーキを作った。幸花堂は和洋折衷を売りにしており、店のコンセプトに合ったお菓子になっていた。


この際、エルザときららは普段料理などしていないため、腕の立つゆめに比べ不利かと思われた。しかし、ゆめたちがロールケーキを作るのと同じ時間で、フランス人形をかたどったケーキを作り上げる。これは社長が子どもの頃に親に作ってもらった思い出の味であり、社長の原点であった。エルザたちは、社長の心を掴む形でCMキャラクターの座を勝ち取った。

 

これ、アイカツか?

この展開に首を傾げた人も多かっただろう。なぜなら、社長の機嫌をとったことが公平なジャッジを歪めているからだ。店で売る新作スイーツを考案するべきだったオーディションで、彼女らが出したのは新作でもなんでもない、オリジナリティのないものだった。果たして、それを合格としてよいのだろうか? スポーツの試合や文芸コンクールで審査員に媚を売って勝利が認められたら、確実に問題になる。


たしかにいくつかの観点からエルザたちを擁護することもできる。今回は幸花堂のアニバーサリーを祝うオーディションであり、原点回帰は自然と言える。課題に含まれていない内容を含めて意外性を見せたのも、ある意味では審査員の期待を超えている。しかし、これはとりもなおさず審査員自身への忖度であり、新作スイーツを作るという競技の趣旨にも反する。したがって、エルザ&きららが勝ったのは、コンペとしてフェアとは言えない。

 

ドールケーキ

ちなみに、今回エルザが作ったのは、一般的にはドールケーキと言われるものである。ただし、普通のドールケーキはケーキをドレスのスカートに見立て、ドレスの胴体である人形が上部に露出している。アイカツシリーズで言えば、かつてクリスマスに販売していたケーキのことだ。


今回は頭と胴体までケーキで作っているため、ケーキをドレス風にデコレーションする以上の手間がかかる。プロではない中学生が試作しているとはいえ、工程数が多くて時間がかかるお菓子は、量産が求められる店にとっては荷物でしかない。(普通の)ドールケーキ自体は一般家庭でも作れるものらしいので、レッツ・ラ・クッキング!


あれ……? 和菓子……?

 

もしかして、人形焼きと掛けたのかな……?

 

勉強は努力……個性は?

今回、エルザが下調べをした内容をオーディションで再現したことには納得がいかない。前年度、いつも勉強熱心で優等生なローラが、「意外性」にとらわれるあまり、本当の自分の強みを押し出せずにオーディションで空回りしてしまうという回があった。審査員のウケを狙って嘘をつくのではなく、自分のありのままを押し出すという結論に至ったのだが、今回のエルザはその逆を行っていた。もちろん、勉強は努力の一環であり、大事なことなのだが、果たして社長の好むものを忖度して差し出すことが努力と言えるのだろうか? いっそステーキを出した方がエルザらしかった。

 

フェアじゃない香澄朝陽

「キャンペーンガール」を選ぶはずのこのオーディションに、なぜか男性であるM4の香澄朝陽と五十嵐望もオーディションに呼ばれる。華を添えるという役割を忖度して、わざと負けるよう作戦を立てる様子はアイカツではなかった。わざとこけるつもりが、最終的に本気になっていたところがかわいいが、これはアイカツのアイドルがすることではない。男性であろうが女性であろうが本気でやるべきだ。前年度のすばるのゆめに対するアドバイスは一体何だったんだ?

 

幸花堂社長は資格停止処分に

いずれにしても、今回のオーディションはアイカツのオーディションとして適切ではなかった。努力というよりも忖度で勝利しているし、エルザたちのやり方はオーディションの趣旨にも合っていなかった。公平でないジャッジをした幸花堂の社長は、半年間の資格停止処分にすべきだ。

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