ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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少なくともプリティーリズムの世界では、子どもは親を愛している

プリティーリズムシリーズの前提

プリティーリズムシリーズにおいては、家庭問題がクローズアップされることが多い。家族が離れ離れになったり(失踪や別居)、家族に精神的に圧力を加えたりする(いわゆる亭主関白や毒親)。これらのことは現実世界でも度々問題になり、テレビのニュースや特集番組などで見ることもある。しかし、プリティーリズムはアニメであり、現実ではない。現実では、児童相談所や法律相談所に行った方がいい案件かもしれないが、プリティーリズムにおいてはそうではない。子どもは親を愛しているのだ。

 

私になんでも押し付けてくるママが大好き!?

家族に精神的な圧力をかけてくる親は、子どもにとって、憎悪の対象ではない。蓮城寺べる*1がプリズムライブをできずに絶望したというケースは、エピソードだけが一人歩きしがちだ。その裏には、大好きなママの期待に答えなければならないという子どもの心理が働いている。決して、親が一方的に子どもを支配し、その恐怖から、子どもが従っているという構図ではない。言い換えれば、大好きだからこそ、親に逆らえないのだ。同様に、森園わかな*2の家庭は一見、亭主関白で、母親が支配的な夫に逆らえず、子どもも亭主に従っているように見える。しかし、蓋を開けてみれば、恐怖から彼に従っているわけではないことがわかる。わかなはシンガポールへの引っ越しの理由を、お父さん1人では心配だからだと弁明しており、決してお父さんが家族で引っ越しすることを強制してきて逆らえないからだとは言っていない。

 

もうパパなんか大っ嫌いとは一言も言っていない

暑苦しい親を、子どもは心から嫌っているわけではない。彼らは基本的にギャグとして描かれており、子どもは彼らを嫌っているのではなく、呆れているのだ。つまり、家族を忌み嫌うということとは本質的に異なる。春音あいら*3の父・春音ヒロシは、娘に自分の買ったセンスの悪い服を無理やり着させようとしてくるし、娘がプリズムショーをすることを認めていないし、ショウに嫉妬しているし、まるで子どものようである。特に、プリズムショー関連の話とショウ関連の話では、妻にたしなめられている。本当に嫌っているのであれば、おつかいには行かないだろう。同様に、城之内セレナ*4の父で城之内コンツェルンのトップ・城之内スティーブンは、娘の晴れ舞台に自分の部下を連れてきて好き勝手に騒ぐが、娘は本当に呆れているだけである。

 

母は私を捨てていないと信じている

子どもは姿を消した親に会いたがっている。天宮りずむ*5は、物心つく前から父子家庭である。彼女の母はかつて伝説のジャンプ・オーロラライジングを成功させた神崎そなたであり、彼女はオーロラライジング成功後、ある日突然姿を消してしまった。だが、りずむは母の成功させたオーロラライジングを跳ぶ事で母に近づけると信じている。彼女は決して自分と父を捨てたそなたを憎んでなどいない。同様に速水ヒロ*6も、実質的に育児放棄していた実の母親を憎んでなどいない。ヒロは、夜に男とつるむシングルマザーの母に、邪険に扱われていたところを法月家(エーデルローズ)に引き取られた。しかし、ヒロは決して母親を憎んでいるわけではなく、最後のライブで画面越しに自分のライブを観ているかもしれない母に語りかけた。もしかしたら、大人の視聴者(特に単身家庭)で、母親さえしっかりしていれば、りずむやヒロはこんなことにはならなかったと嘆く人がいるかもしれない。だが、この物語においてはまさに見当違いである。子どもの愛が親に通じるというのはまさにファンタジーのようだが、プリティーリズムは子どもに親を憎ませないのはたしかだ。

 

鬼の目にも涙

考えてきた通り、プリティーリズムの世界では、どんなに酷い親でも、子どもは彼らを愛していた。だが、どんなに酷い親も子どもを愛していないわけではない。かのドン・ボンビー*7だって、病床の娘に粥を作った。善良な子どもVS悪い大人という構図で作品を観ている人がいるならば、それはとても残念だ。

*1:プリティーリズム・レインボーライブで、主人公・彩瀬なるの前に立ちはだかる薔薇のように気高き少女。第1クールではジャイアン的なポジションにあり、なるをどん底に突き落とした。第2クールでは友達の小鳥遊おとはと絶交してしまい、関係の修復が描かれた。本編を最後まで見ればわかるが、彼女は決して悪い子ではない。第2クール終盤でその時点では主人公チームの3人と、おとはと森園わかなにしか使えなかった特殊な技・プリズムライブがプリズムショーのルールに追加されたことを受け、母・律が「あなたにもできるわよね?」とお披露目の場を用意してしまった。

*2:プリティーリズム・レインボーライブに登場する蓮城寺べるの友達。普段は猫の耳の形に髪を結わえ、語尾に「にゃ」をつける語尾アイドル。普段は不良のように振舞っているが、家庭内と、人様の家に呼ばれた時など公の場に立つときは礼儀正しくなる。小学校までは父が転勤族だった。

*3:プリティーリズム・オーロラドリームの主人公。ケーキ屋さんの娘。ファッションセンスはいいが、運動は苦手。そのセンスを含む才能を見抜かれ、スカウトされた。アパレルブランド・プリズムストーンのデザイナーであるショウの服に惚れた。

*4:プリティーリズム・オーロラドリームでは、藤堂かのんとともに、せれのんというコンビを組み、主に関西で活動していた。せれのんは主人公チームのライバルであり、セレナ個人としては高峰みおんに因縁がある。

*5:プリティーリズム・オーロラドリームに登場するキャラクター。運動は得意だが、ファッションセンスは良くない。母に憧れており、芸能事務所・プリティートップのスクールには物語が始まる前から所属している。

*6:プリティーリズム・レインボーライブに登場する少年。プリズムショーの名門スクール・エーデルローズに所属しており、アイドルとして活躍する。しかし、裏ではかつての親友だった神浜コウジの曲を求め、コウジの周囲を巻き込み執拗に曲を要求してきた。べるの「悪さ」に協力することもあり、一見悪い奴のようにも見えた。

*7:何も知らずにこの記事を見た人のために情報は伏せておく。

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