ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツスターズ!』真剣勝負と大いなる力の代償

仲間だって時には出来レース!?

『アイカツスターズ!』第21話「勝ちたいキモチ」では、CDデビューを賭けて虹野ゆめと桜庭ローラが対決した。オーディションの告知を受けた2人は、どっちが勝っても恨みっこなしの真剣勝負だと誓った。響アンナによる厳しい特訓をくぐり抜けたゆめとローラは本番のオーディションでも実力を発揮し、最終審査の歌唱に進んだ。しかし、このオーディションがローラが優勝することが決まっている出来レースだと知ったゆめは、七倉小春の言葉に促され、あの力を使ってしまう。虹野ゆめは見事、オーディションに合格してしまった。

 

アイカツの基本:真剣勝負

今回は真剣勝負が強調された回だった。例えば、『アイカツ!』では、努力が評価されてプレミアムドレスをもらったり、オーディションに合格したりすることが多かった。お金持ちの姫里マリアでさえ、買収やコネは使わなかった。しかし、『アイカツスターズ!』では、出来レースや大人の思惑が存在する。今回は、最初からローラが勝つことが決まっていて、ゆめはそれを聞いてショックを受けた。小春から、たしかにローラの方が実力は上だが、例の力を使えばローラに勝てると言われたゆめは、例の力を使ってしまったという流れだった。アイカツの基本は真剣勝負だ。真剣勝負というのは、本物の剣を用いて勝負することを意味する*1。真剣勝負は両者が鉄を磨いた刀を使うことで成立するのだ。しかし、ゆめが使ったのはライトセーバーだった。剣と剣のつばぜり合いこそが真剣勝負なのに、これでは不公平だ。もちろん、大人が用意した戦いの場こそが不公平だったのだが、それに対して不公平な力で抗ってしまっては意味がない。

 

実力とは

実力は自分を鍛えることによって発揮される力だ。初期からゆめはローラに比べて筋力や肺活量がないことが明言されてきた。ゆめはローラに追いつくためにトレーニングをしてきたが、まだまだ追いつけない。今回、ゆめとローラを含む歌組の生徒達は、厳しいオーディションに勝ち抜くため、重り付きの服を着てトレーニングをした。いわば、実力をつけるための特訓をしたのだ。特訓の時点でゆめとローラは2トップになっていた。実力で言えば、この2人のどちらかがCDデビューすることはほとんど決まっていたはずだ。しかし、ゆめは才能に頼り切り、鍛えなくても出せる力を使ってしまった。去年と一昨年それぞれこのオーディションを勝ち抜いた芦田有莉と白鳥ひめは、全力を出し切って、「自分自身の力」で歌うようにアドバイスしていた。特殊能力は所詮特殊能力で、実力とは言えない。「自分自身の力」ではないのだ。

 

才能と破滅

大いなる力には大いなる責任が伴う。力を制御できない者は、力に溺れ、自らの身を滅ぼす。例えば、高校野球の投球数は毎大会で問題になっている。どんなに才能のある投手でも、1試合に100球〜200球と連続で投げ続ければ、選手生命を脅かすほどの傷を負ってしまう。そしてそれは時に、ビジネスによって促される。肩を痛めながら全力でプレイしていた方が感動するというわけだ。やがてそれは悲しみのドラマを生み出す。そうした悲劇を防ぐためには、投球数の制限や投球フォームの矯正が必要である。同様に、どんなに魅力的な声を持つ歌手も、発声法を工夫しないと、最悪声を失う結果となる。ゆめは、才能を実力に反映させるために適切なトレーニングをしなければならないのだ。

 

特訓を思い出せ

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今回は特訓をした後でオーディションに臨んだゆめが才能の力だけでオーディションに合格してしまったという回だった。そもそも、アイカツがスポ根に近いというのは周知の事実だ。スポ根に限らず、アニメの世界においては、主人公達が奇想天外な修行によって新たな力を手に入れることがある。だが、それらの特訓は無駄だった試しがない。今回は身体に負荷をかけることで、身体を軽くするという特訓だった。そうした特訓は、必ずオーディションの全ての段階で役に立つはずだ。きっとPOPCORN DREAMINGも、軽く弾んだ心で歌えば特訓の成果が反映できたのではないだろうか?才能に頼らず、自分の全力を出し切る。そのためにトレーニングがあるのだ。

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