ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『バトルスピリッツダブルドライブ』申の十二神皇ハヌマーリンを手にしたキキ 迫る世界の危機

『バトルスピリッツダブルドライブ』第23話「守りし者」

キキの目的は、邪神皇の復活によって一族に再び勇者の栄光を取り戻すことであった。そのためには、十二神皇のカードが、とりわけ自分に縁のある黄色の十二神皇が必要だ。キキはシシの神託によって黄色の十二神皇の在り処を知り、訪ねていった。申の十二神皇の眠る場所には、それを守護する一族がいた。一族はキキがベーレシア家の者であることを知り、ソウルスポットに彼女を通した。しかし、審問官は彼女に邪悪な気配があることに気づき、十二神皇の譲渡を拒否した。苛立つキキは3人の審問官にバトルを申し込むのだった。キキは3人の審問官を1人ずつ倒し、ついに、十二神皇を手にした。長老たちは、このような者が十二神皇を手に入れてしまったことを嘆くのだった。十二神皇は適格者が手にすべきカードなのだ。

 

 

勇者の条件

『バトルスピリッツダブルドライブ』の大きなテーマとして、勇者の条件がある。キキは、勇者の条件を勇者の血筋を引くものだと思っている。キキは勇者から役割を奪った世界を許しておらず、自分が勇者になるために育てられて女性性を奪われたことを、ある種の諦念とともに受け入れていた。逆に言えば、ベーレシア家にとっての勇者の条件には、男子であることが含まれている。端的に言えば、キキにとっての勇者は、勇者の血を引く男子である。一方、エト陣営の勇者の条件は、神託によって十二神皇のカードに選ばれることに尽きる。茂上駿太もヨク・アルバトロサもキキにとっては偽りの勇者である。勇者の血を引いていなければ、意味がないのだ。

 

邪悪なる影:勇者であることを否定する条件

今回、審問官はキキに「邪悪なる影」がまとわりついていることを見抜いた。この邪悪なる影の候補は主に3つある。ひとつは、上記に挙げたようなキキが持っている邪悪な考えである。勇者でありながら邪悪な考えを持っているというのは、十二神皇の所持者として不適格のように思えるということだ。もうひとつは、邪神皇の影だ。暗黒バトラーは邪神皇を復活させようとしているので、邪神皇の気が背後にあることは極めて自然である。最後のひとつは、シシの存在だ。シシの正体は未だ分からないが、タツミを影で操っている存在であるため、何らかの邪気をキキに帯びさせているのかもしれない。こうした影があることで、キキは勇者として相応しくない存在になっているようだ。

 

勇者になるために

今の所、キキは形だけの勇者だ。キキは勇者の血筋を引き、勇者としての訓練を受け、十二神皇を手にした。しかし、これだけでは勇者とは言えない。地位や名声を手にするために、世界を危険に晒しては意味がないからだ*1。せっかくキキには訓練して手に入れた実績があるのだから、それを無駄にしてはいけない。もちろん、駿太とヨクはカードに選ばれたのだが、それは運良く当選したからではない。彼らが勇者になる必然性があったからだ。キキは勇者になる必然性を手にしなければならない。勇者に選ばれるために必要なもの……それはきっと人格や思想である。カードがあるから勇者としての地位が高まるわけでも、戦うべき敵がいるから勇者として尊重・尊敬されるわけでもない。世界を平和に導くための資質があってこそ勇者なのだ。

 

 

さて、次回はどうやら駿太でもなく、ヨクでもなく、メイと一悶着あるようだ。メイはどうやら勇者の血筋のようで、スピリッツワールドの出身でもある。十二神皇を持つにふさわしいバトラーと言えそうだ。だが、今回、メイはデッキアウトで駿太とのバトルに負けている。未の十二神皇グロリアス・シープは、デッキから6枚破棄することで自分を守れる効果を持つ一方で、使いすぎると自滅してしまう。効果をうまく使えるかどうかが勝利の鍵になりそうだ。

*1:第15話でエトがそのような発言をした。

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