天空寺タケルが学んだ英雄の心・魂の教え
仮面ライダーゴーストがひとまず最終回を迎えた。
英語で言うところのSpiritをテーマにしてきた今作。
初期に毎回新フォームチェンジを出すなど、挑戦的な作品だった。
ライダーファンからの評価は芳しくなく苦労した面も多いと思う。
それでも、この作品は普遍的で大切なメッセージを伝えようとしている。
今回は、『仮面ライダーゴースト』TVシリーズ本編を振り返っていく。
仮面ライダーゴーストが伝えたかったメッセージ
この作品のテーマは魂や精神、心などであった。
「命、燃やすぜ!」を決め台詞にしてきた仮面ライダーゴースト/天空寺タケル。
タケルは英雄の心を学び続け、ついに偉業を成し遂げた。
この物語の中には、様々なメッセージがあった。
「命を燃やして生きる」とは?
英雄が英雄たる所以は、志を持って死んだからではなく、魂を燃やして全力で生ききったからである。
初期話数では、タケルは偉人の百科事典を手に、英雄の心を学んでいた。
本に書かれた英雄の教えを使って、自分の類稀なる才能を眼魔に利用された人々を救った。
この過程で、様々な英雄の眼魂(アイコン)を解放していく。
ちなみにこの裏には、
- 英雄の眼魂を悪用しようとする西園寺
- タケルの幼馴染で妹*1を生き返らせるために眼魂を集める深海マコト
- 眼魔世界の幹部であるアラン
などの様々な思惑が交錯していた。1クール目は彼らとの眼魂争奪戦でもあった。
命・心は繋がる
2クール目は命・心をつなぐことがテーマだった。
マコトやアランとの交流を通じて、タケルの目的は英雄との対話に移る。
ここからは強化フォーム「闘魂ブースト」用の英雄眼魂が登場する。
闘魂ブーストは、サングラスラッシャーに眼魂を装填して戦う。
この時期から、英雄眼魂はタケルと積極的に対話をはじめた。
タケルを眼魂の中の空間に誘ったり、英雄の魂を受け継ぐ人に憑依したりするシーンもあった。
そして、英雄の心を繋いだ果実として、グレイトフル魂が登場する。
グレイトフル魂は英雄*2を召喚し、共闘する。
英雄の心を受け継ぐ
英雄との対話を通じ、その教えはより本質的なものになっていった。
単なる書物の中の伝説を超えるものとなった。
英雄眼魂は厳密には英雄その人ではないのだが、英雄の心が宿っている。
タケルが一方的に本に書かれている伝承を話すのではなく、事件のたびに英雄と対話していた。
英雄の要素が薄まるムゲン魂登場以降も、英雄はタケルたちを助けている。
逆に、英雄がタケルから教えられることも多くあり、教示というよりは対話という言葉がふさわしいだろう。
生きる=食べる?
仮面ライダーゴーストの本編では、生きている証拠として食べるシーンを入れてくる場合がある。
これは、必ずしも生きる=食べるではないだろう。
視聴者の子どもの中で最も身近な「生きる」の象徴が「食べる」なのだ。
人は悩み、苦しみながら生きていく。
心に従いながら、生きていく。
でも、主題歌の歌詞にもある通り、生きる理由や目的はわからない。
それが仮面ライダーゴーストにおける「生きる」の根源的な意味である。
仮面ライダーゴーストの伝えたいメッセージは明確だった。
人と人は手を取り合い、魂を燃やしながら、先人の教訓を生かして生きていくべきなのだ。
来週はエグゼイドとの橋渡しということで、このメッセージがどうエグゼイドに伝えられていくのかに注目したい。
更新履歴:
2021/5/26
改行などの文章の形式を修正。
本編の核心にふれる内容を削除しつつ、各種文言を修正。
記事の後半(食べる描写の是非)を削除し、別の内容を挿入した。