ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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ストーリーで歌詞回収してくれると嬉しい

ストーリーに歌詞が出てくる作品について

「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ」のイベントコミュを眺めていると、例のごとく、お仕事のために試行錯誤する少女たちの様子が描かれていた。その中に、イベント楽曲の歌詞に絡めた台詞が出ているところが何箇所かあり、気になった。起こっている現象を歌詞に絡めて、「まさに◯◯だ」と言っているシーンのことである。


実は、CGライブが登場する作品では、割と歌詞が回収される。だって、本編で「スタッフさんへの感謝は大切だ」と説いておきながら、急にライブパートで「カレーうまい」とか歌い出したら気持ち悪いではないか。基本的にCGライブは必殺技として用意されているので、そこまでにカタルシスが積み上がっていなければならないのだ。

 

 

 

違和感あるCGライブ

失敗したまま終わり

アイカツ史上最も違和感があるライブは、『アイカツ!』最終盤の176話(※4年目は2クールで終了)で氷上スミレが失敗をするというライブだ。アイカツでは、ライブ中に「スペシャルアピール」と呼ばれる技を発動する。仲間たちが高度な技に成功する中、スミレだけその技に失敗してしまい、出番が最後である主人公・大空あかりが想いを受け継ぐという流れになっている。


それがシリーズ中盤であれば問題ないのだが、実はスミレのソロライブはこのシーンが最後になっている。これでは、あまりにも救いがない。CGライブのあるアニメでは、あえて失敗ライブを作り、それをのちのカタルシスにつなげることもある。しかし、失敗したまま終わりというのは、なんともかわいそうだ。

 

あまり関係ない曲

『BanG Dream!』最終回で、首を傾げる内容のライブがあった。オーディションに合格し、念願のライブハウスでの初ライブというシーンで、それまでの流れと全く関係のない曲が流れた。


CDを売る都合上、新曲になることは仕方ない。願わくばオープニング曲でもやってほしいところだが。しかし、最終回なのにこれまでの流れを汲んだ内容の曲ではないというのは、〈CGライブ=必殺技〉という暗黙のルールを壊しているようにしか思えない。


ウルトラマンで言えば、最終回の怪獣が蹴り一発で爆散するようなものである。せめて光線でやっつけてほしい*1。それと同じで、最終回用の曲であれば、これまでの流れをまとめ、悲しみや苦しみを洗い流してくれるような曲にしてほしい。

 

歌詞を回収するストーリー

逆に、その歌詞に至るまでにしっかり伏線を敷いていれば、違和感はなくなる。伏線がなくてもダメだし、本編に関係ない曲などもってのほかである。そうではなくて、その曲のライブになるべくしてなった、ということを示してくれるような本編とその曲が求められている。それは例えば、次に示すような回だ。

 

歌詞の教えが活きる回

 

これもまた『アイカツ!』だが、「チュチュバレリーナ」という人気曲がある。夢の達成を前にして感情が高ぶっているときでも、夢を叶えるために休まなければならないこともあるということを歌った曲だ。この曲をユニットで歌うことになった氷上スミレと、後輩でダンスが得意な注目株・黒沢凛だったが、先輩の期待に応えようと躍起になった凛が足を負傷してしまう。


怪我の完治がユニット結成ライブに間に合わない中で、凛は先生の忠告を聞かずに練習をしようとする。しまいには自分の至らなさを自覚してユニットの辞退を申し入れる凛だったが、未練を断ち切れなかった。


一方で、スミレの側も自分を支えてくれる人に恩を返し、また自分の好きな歌をもっと続けたいという想いから、ダンスが得意な凛の指導のもとで、新曲をまずはソロとして発表するという選択をする。結果として、スミレのソロライブは成功し、その後のユニットとしての初ライブも大盛況だった。パートナーとして支え合うことの大切さに気づいた2人は、互いの長所を活かし合ってユニット活動をするのだった。


そうした状況と歌詞が見事にマッチして、スミレ1人でのライブ・2人一緒のライブにカタルシスが生まれている。ちなみに、この曲の場合、歌っている人と歌っていない人(=踊っている人)、静と動でパートが分かれているので、そういう部分でも見応えがある。

 

みんなで歌詞をつくる回

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『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』では、ユニットのメンバーでユニット曲の歌詞をつくっている。中でも人気が高いのが、人気者になるために自分に嘘をついて夢を偽る少女に捧げた曲「Cheer Yeah!×2」(ちゃえちゃえ)だ。この曲は、夢を諦めている人に対し、本当の夢を目指すよう呼びかける応援歌となっている。


他のみんながユニット曲を書き上げる中で、主人公・上葉みあを含む3人組だけが歌詞を作っていない。そんな3人の前に、3人の太鼓持ちをする謎の少女・夢美が現れる。


プリズムスタァ(スケート選手とアイドルの中間のような存在)になりたいという彼女だったが、実は全くもって才能がない。実は、彼女はプリズムスタァを目指しているわけではなく、キラキラした夢を騙ってクラスの人気者になりたいだけだったのだ。3人はそんな夢美の本当の夢を突き止め、自分に嘘をつくことを否定して、本当の夢を目指すことを応援する曲を作る。


この曲はこの回と大会を含めて計3回披露されるが、それぞれに別の文脈がつけられている。同じセットを使い回す女児向けアニメでは、回によって文脈が変わってくるので、同じ曲でも何度も楽しめるはずだ。

 

葛藤の中で生み出す必殺技

こうした歌詞を回収するストーリーは、CGライブのあるアニメではごく一般的である。深夜アニメなどでは少ない話数で歌詞回収を行うので、歌詞の内容がストーリーの主軸に関わりやすい。そうしたアニメを観ることで葛藤の中で生み出した必殺技を食らってほしい。ところで、歌詞回収と勝海舟って似てませんか?

*1:タロウファンの方、ごめんなさい。

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