ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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ディストピア飯で話題の『遊戯王VRAINS』とは

ディストピア飯が出てきた背景とは?

SF(サイエンス・フィクション)作品のディストピア*1でありそうな食事「ディストピア飯」が話題になっている。そのひとつが『遊戯王VRAINS(ヴレインズ)』に登場したもの。


謎の組織に拉致された主人公が施設で出された食事が、今回話題になっているディストピア飯。パック入りの飲料とゼリーのようなもの、そして、薬のような固形物だ。

それは、人間に与えられた食事とは思えない内容で、組織の残酷さが手に取るようにわかる。

 

他の遊戯王シリーズでは、デュエル中におにぎりを食べるようなキャラクターもいたので、そのギャップもあり、反響が大きかったようだ。

 

遊戯王VRAINSのあらすじ

時は遥か未来、VR空間「LINK VRAINS」では、「Playmaker」と呼ばれるデュエリストが活躍していた。

その正体は高校生スーパーハッカー・藤木遊作。悪のハッカー集団・ハノイの騎士を相手にデュエルを続けていた。全ては「10年前の事件」の真実を解き明かすために……


そんなある日、遊作はLINK VRAINSを運営する「ソル・テクノロジー社」とハノイの騎士が、とあるAI(人工知能)を欲しがっていることを知る。

そして、遊作は10年前の事件をめぐる壮大な戦いに巻き込まれていく。

 

このアニメのポイントは次の3つ。

  1. AIをめぐる謎
  2. 10年前の事件
  3. スピードデュエル

 

 

 

1. AIをめぐる謎

VRAINSでは、謎のAI「イグニス」が主人公の相棒となる*2。イグニスはLINK VRAINSに謎の風「データストーム」を起こすなど、特別な力を持っているようだ。


イグニスは陽気な性格で、AIなのに意思を持っている。ハノイの騎士と何やら因縁があるようだが、記憶喪失であり、詳しいことはわからない。

彼はLINK VRAINSの中にある重要なデータを食べることで、イグニスは記憶を取り戻していく。そのために、遊作はデュエルに勝たなければならない。

 

相棒は草薙

ちなみに、遊作はイグニスのことを仲間や相棒として扱っておらず、見下している。遊作が相棒だと思っているのは、草薙翔一。凄腕のハッカーで、10年前の事件と関わりがある人物だ。

 

2. 10年前の事件

アニメの17-19話にかけて明かされていくのが、10年前の事件の概要。冒頭でも触れた通り、遊作は謎の組織に誘拐され、デュエルをさせられていた。

負ければ電撃を食らい、食事を与えられなかった。勝てば食事を与えられるが、前述のように食事と呼べるものではなかった。


解放された後、遊作たちは心のケアを何年も受け続けたが、心の傷はまだ癒えていない。被害者の中でも重症なのが、草薙の弟だ。草薙の弟を救うことが遊作が戦う目的のひとつである。


もうひとつの目的は、そのような厳しい環境にあった遊作を励まし、助けたとされる謎の声の主(人物?)に会うためだ。その正体はいまだにわかっておらず、今も遊作は戦い続けている。

その子どもたちを拉致する計画は、ハノイ・プロジェクトと呼ばれていたようだが……

 

3. スピードデュエル

今作から新しいデュエルのシステムが追加されている。

スピードデュエルと呼ばれており、すでにアーケード筐体(すでに廃止)やスマートフォン用ゲーム「遊戯王デュエルリンクス」では使用されていたようだ。

 

スピードデュエルは、すぐ終わるように簡略化されたデュエル。デュエルにストーリーを絡めても、1-2話で終わるのが特徴だ。

アニメ上では、ホバーボードに乗ってデータストームの上をネットサーフィンしながらゲームをするという演出があり、爽快感とスリルあふれる内容になっている。

 

VRを意識したデュエルパート

遊作以外のデュエリストの多くは最新型のデュエルディスクを使っており、カードを置くところがない。カードも実物ではなく、データ化されている。

テキストが浮かび上がる、浮かび上がったテキストに触れて発動する効果を選ぶなど、VRを強く意識しているようだ。

 

「シンギュラリティ」より大切なこと

遊作は、最初は人間味のない主人公のような気がしていたが、実は誰よりも繊細な心の持ち主である。イグニスは人工知能でありながら感情を持っているのだが、誘拐犯は心を持っていないわけではない。

彼らは心があるからこそ、残忍なことをしようと思ったはずだ。コンピュータは人間の手が加わらなければ無感情だが、実際には人間の手が関わるので、人間の感情に左右される。

 

人工知能が人間を支配する?

よく言われるのは、「2045年は人工知能が人間の知能を超える特異点(シンギュラリティ)である」という説だ。

この説は、しばしば、人間が人工知能に支配されるのではないかという恐怖心をあおるのに使われる。

しかし、悪の心を持っているのは人間も同じであり、また、人工知能にも良心が宿る可能性がある。

人工知能よりも前に、人間の心について考えた方がよいのではないだろうか?

 

これからのことを考えよう

話がやや壮大になってしまったが、遊戯王VRAINSは

  • デュエルを通じて人間同士の問題を解決していく従来のスタイルを継承しつつ、
  • VRやAIに関する知識を提供し、
  • 人間の心について考えさせてくれる。


SFやIT(情報技術)に興味のない人でも、これからの時代に必要となる大事なことを学ぶのに役立つアニメではないだろうか?

*1:理想郷の反対で、不幸な状況におかれた世界のこと。

*2:このアニメに登場する一般的なデュエリストは、意思を持たないAIを「デュエルディスク」に搭載している。

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