バトスピは今、エンドステップなのか?
バトルスピリッツのアニメが終了してから、半年以上が過ぎた。メディア展開は、コミックやウェブ配信番組に限られている。
バンダイの他のIP(知的財産)との抱き合わせも増えた。ウルトラマンとデジモンが登場した他、仮面ライダーとのコラボも決定している。
バトスピというコンテンツは、このままなくなっていくのだろうか?
いや、そんなことはない。
ほら、遠くから「ワンドロー!」という声が聞こえてきた。「シキツルさん」の声だ。
アニメバトスピはまだ終わっていない。今、新しいシリーズが始まったのだから。
『がんばれ!!シキツルさん』
バトルスピリッツの「紫属性」のデッキで活躍するスピリット(モンスターのこと)の日常を描いたほのぼの系ショートアニメ。
特設サイト:
がんばれ!!シキツルさん - ムービー|Battle Spirits バトルスピリッツ トレーディングカードゲーム
主人公・シキツルさん
主人公の「シキツルさん」は、召喚時にデッキからカードを1枚ドロー(=ワンドロー)できる効果を持っている。
いつも「ワンドロー」「ツードロー」「◯◯ドロー(カードを引くマジックカードの名前)」などを連呼しており、カードをドローするしぐさをする。
自虐と傲慢(ごうまん)
第1話では、ゲームの序盤に多用され、すぐに破壊される自分たちを自虐している。
弱いので、ブレイヴ*1もさせてもらえず、カードゲームの花形からは遠い存在だった。
しかし、第2話では、ついにブレイヴをさせてもらえることに。
アニメで見た光景を再現しようとするシキツルさんたちは、ブレイヴによって最強の効果がもらえると勘違いして、舞い上がる。
発売から6年たっているシキツルさんは、第1話でも後輩たちに先輩風を吹かせており、やや傲慢に見える。
『がんばれ!!シキツルさん』では、力は強くないが、バトスピユーザーに長年愛されてきたシキツルの複雑な心情を描いているようだ。
ネット映え
シキツルさんは、ネット映えを強く意識した作品である。作品の長さ、テンポ、作風から見ても、それは明らかだ。
3分以内のショートアニメ
まず、3分と言うのは、非常に見やすい。
今のところ、過去の配信は削除されていないので、好きなときに見ればよい作品だ。
独特のテンポ
次に、独特のテンポに注目したい。
最初にほのぼの系と説明した通り、この作品では強烈なハプニングは起こらない。
だが、ボケとツッコミは存在しているので、バトスピを知っている人ならかなり面白いはずだ。
話のテンポは決してスローではなく、声の系統もどこぞの紙兎とはまた違う。脱力系ではないので、癒やされたい人には合わないと思う。
それから、特徴的なフレーズ「ワンドロー」を連呼することで、SNSや実際のプレイにおいて、この動画が話題になることをもくろんでいるようだ。
相手のプレイヤーが甲高い声で「ワンドロー!」というと、知らない人は「それなんですか?」と聞くし、知っている人は「シキツルさんですよね?」と話題を広げてくれる。
そのうち、シキツルさんを知らない人は、流行についていけなくなるかもしれない。
荒削りだが、的を射た作風
アニメシリーズと比べて、明らかに作画が省エネである。
にもかかわらず、キャラクターの説明は怠っておらず、スマートな仕上がりになっている。
むしろ、以前のアニメで起こったことや、過去のカードゲームの状況まで盛り込まれており、昔からのファンを尊重しているように感じられた。
シキツルを使って一発もうけてやろうという魂胆では決してないはずだ。
実際のカードでもワンドロー!
「シキツルさん」のイラストが描かれたカードは、12/3から「バトスピチャンピオンシップ」の会場で限定販売されるとのこと。
バトスピチャンピオンシップ2017 - イベント|Battle Spirits バトルスピリッツ トレーディングカードゲーム
今後、人気が出れば、他のパックへの再録や、アニメに登場した他のスピリットのイラストカードが作られることも期待できる。
可能な方はぜひ手にとって、ワンドローしてほしい。
イラストカードじゃなくてもワンドロー!
ちなみに、今回のアニメは、ノリで作ってお蔵入りしていたアニメが、メガデッキ「双黒ノ龍皇」の販促のために掘り起こされたものということ。
このデッキに「シキツルさん」のイラストカードは収録されていないが、通常のシキツルが収録されており、ワンドローできる。
[rakuten:yellowsubmarine:10130393:detail]
プレイに必要なものは大体入っているので、これまでワンドローしてこなかった人も、これを機にワンドローしてみてはいかがだろうか?
ワンドロー!
*1:スピリットに合体して、強くするカード群とその効果のこと。