平成仮面ライダーのまとめといえる作品
天皇陛下が譲位され、平成が終わりを迎えるにあたり、平成仮面ライダーシリーズもまた、終わりを迎えようとしている。
その平成ライダーをいったん締めくくる映画が今回の『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』だ。
この映画には、
- 仮面ライダービルド/桐生戦兎(犬飼貴丈)
- 仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢(飯島寛騎)
- 両作品のサブライダー
に加え、
- 仮面ライダーオーズ/火野映司(渡部秀)
- 仮面ライダーフォーゼ/如月弦太朗(福士蒼汰)
- 仮面ライダー鎧武/葛葉紘汰(佐野岳)
- 仮面ライダーゴースト/天空寺タケル(西銘駿)
という豪華キャスト陣が出演しており、まさに平成ライダーの集大成にふさわしいといえよう。
でも、この作品の主人公は彼らではない。
つい最近、仮面ライダーに初めて変身したばかりの仮面ライダークローズ/万丈龍我(赤楚衛二)*1である。
万丈は、今回起こる事件の中でビルドを含む仮面ライダーと接触し、自らが戦う理由について考えを巡らせる。
彼らがわざわざ戦う理由
平成仮面ライダーにおいて、一番視聴者をもやっとさせるのは、怪人を倒す意義の薄さであろう。
ライダー(一部を除く)は警察でも自衛隊でもないのに、他人の悩みに寄り添い、怪人と戦う。
それは、ときに「ゲストのお悩み相談」と言われ、揶揄(やゆ)される。
それは「話のシステム上、仕方のないこと」で片付けられるのだが、この映画はわざわざその違和感に言及する。
この映画を観る人には、ぜひ万丈龍我という人間、クローズという仮面ライダーの覚悟を見届けてほしい。
仮面ライダーが守る対象
今回の映画は、事件の真相を探る中で遭遇したライダー以外と共闘しない。そのため、仮面ライダーウィザードや仮面ライダードライブは出てこない。
メタ的に説明すれば、「役者の都合がつかなかった」でもよい。
あるいは、フォーゼの物語の時間軸がMOVIE大戦*2より前だったとか、ドライブの世界で事件が起こっていたとかで説明はつく。
でも、その理由づけはこの映画のクライマックスで行われる。
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見出しに書いたさいたまスーパーアリーナを守る理由も、まさにその理由づけに直結してくる。
仮面ライダーがいつもさいたまスーパーアリーナしか守っていないことが気になっている人は、ぜひこの作品を観てほしい。
観ていないシリーズがある人へ
今回の映画について、「◯◯を観ていない人は事前に観てから行くべき」という一部のネットユーザーの発言がある。
これが意味することは、約50話分の仮面ライダーを全部観ろということだ。そんなことをしていては、上映期間が終わってしまう。
だが、私はむしろ、「平成ライダー2期」への入門として、この映画を勧めたい。
冒頭にも言及した通り、この映画は新人ライダーの万丈が戦う理由を探す、というのが物語の主軸になっている。
つまり、ライダーを知らない人は、万丈と同じ目線で物語を体験できる。
これは、ライダーを何回も見たオタクにはできないことだ。
正直、私も全てのメディアミックスに目を通しているわけではないので、どうしてあのような状況になっているのかわからない部分もあった。
しかし、仮面ライダーの各作品を完全に理解している人なんて、スタッフ・キャストを含め、誰一人いない。
だから、ちょっと観ていないぐらいで映画を観に行かないのはもったいない。
福士蒼汰と佐野岳が両方出ている仮面ライダー映画なんて、これから先、おそらくないだろう。
このチャンスを逃したら、きっと後悔する。だから、手を伸ばそう。