ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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パワーアップアイテムが遺品に 特撮ヒーローシリーズ

登場人物の死で演出するドラマ

子ども向け特撮ドラマシリーズでは、より強い姿になるパワーアップアイテム(強化アイテム)が登場する。

最近、強化アイテムが人の死に関係するケースが相次いでいる。

 

  • 劇中で死んだ人物が遺した
  • 強化アイテムで罪のない人の命を奪ってしまった
  • 強化アイテム登場回に人が死んだ

など。

 

強化アイテムによって、罪のない人の命が奪われる描写は前々からあった。

だが、死に関する描写がここまで多くなったのは、つい最近ではないだろうか?

 

こうした描写には、さまざまな効果がある気がする。

 

  • 悪のむごさを強調する。
  • 邪悪な姿の強さを強調する。
  • ヒーローに力を持つ者の責任を感じさせる。

 

 

 

 

悪のむごさを強調する

パワーアップの前後に、悪によって人の命が奪われるケースがある。

 

悪が直接手を下したり、善良な市民を怪人に変えてヒーローに倒させたりする。

尊い命を奪った悪に対し、主人公は怒りを露わにする。

 

視聴者も感情移入し、その怒りを共有する。

怒りの体験は、パワーアップを印象付ける。

 

ちなみに、実はパワーアップそのものが悪の陰謀だった、という作品もいくつかある。

怒りに震える主人公は、正義の力でさらにパワーアップする。

 

悪役がパワーアップ

悪役のなりきりアイテムも売られている。

その販促のために、罪なき怪人・怪獣が悪役に倒されることもある。

ヒーローと同様に、必殺技を放つ敵も多い。

 

そして、ごく稀にヒーローも命を奪われる。

1-2話限りの登場人物ならよいのだが、レギュラー出演だった人がやられると非常に悲しい。

 

元悪役、償いとしての死?

もともと悪役だったキャラクターが命を落とすことも多い。

悪役が受けるべき報いとも捉えられる。

 

一方で、悪役として登場し、人気になったキャラクターもいる。

死んで再登場のチャンスがなくなるのは、非常にもったいない。

 

例えば、ヒーローとして戦うことも、償いと考えられないだろうか?

スタッフには、ぜひキャラクターを大切にしてほしい。

 

登場人物の死で、悪役の非道さが強調される。

悪のヒーローが正義のヒーローを手にかける場合もある。

逆に、罪滅ぼしのような形で元悪役が死んだりする。

 

邪悪な強さを強調する

モンスターを育成するゲーム・アニメの「デジモン」シリーズには、暗黒進化という概念がある。


本来なるはずだった強化形態ではなく、闇の力・不完全な力を持った姿に変わることをさす。

暗黒進化したデジモンは暴走し、破壊の限りを尽くす。

 

特撮ドラマシリーズにもこの概念がある。

最近では、おもちゃをたくさん売る販売方式も増えており、ヒーローの「暗黒進化」もそのひとつになっている。

 

暗黒進化は邪悪でありながら、とても強い。

そこから正しい進化へと向かい、さらに強くなるところも見所だ。

 

もともと邪悪なアイテム

変身アイテムを、最初から邪悪な力として設定しているシリーズもある。

これは仮面ライダーシリーズに多い。

 

肉体を怪人として改造されながらも、人間の心を保っている。

昭和仮面ライダーの設定を、現代風にアレンジしたものだと思われる。

 

ヒーローの「暗黒進化」した姿が人の命を奪う場合もある。

強化アイテムの邪悪さが強調される。

変身アイテムがもともと邪悪という設定の作品も多い。

 

力を持つ者の責任を感じさせる

人の死は成長の布石として使いやすい。

 

主人公は人の死を通じて、力を持つ者としての責任を感じる。

あるいは、自分の弱さを自覚する。

前述の暗黒進化も、責任や弱さを自覚させる描写のひとつだ。

 

パワーアップアイテムは主人公の成長と結びつき、視聴者の印象に残る。

現に、ネット上で話題になっている。

 

暴走して使い物にならないパターンも

パワーアップアイテムが登場する回には、単に暴走してしまうパターンもある。

そうした回では「暴走し、うまく戦えなかった」程度の描写に抑えている。

 

人は死なず、シリアスではない。

しかし、こうした暴走描写はギャグっぽいとか、ダサいという印象を与えてしまう。


大人のファンはあまり好まない者と思われる。

(特訓や頭脳プレイによって解決するのだが。)

 

ヒーローは人の死に責任を感じ、成長する。

主人公が爆発させた感情は、視聴者の印象に残る。

人が死なないパワーアップ回もあるが、ギャグっぽくなってしまう。

 

ファンにとって遺品は悲しい

キャラクターの死に関わったアイテムは、ファンの間では「遺品」と呼ばれている。

 

強化アイテムが遺品になった場合、番組内で一定期間使用される。

その度に、ファンはキャラクターの死を連想する。

 

しばらくすると、遺品より強いパワーアップアイテムが出てきたりする。

遺品は使われなくなる。

死を軽んじていると感じるファンもいるだろう。

 

ドラマが作り手のものである以上、作者には登場人物を死なせる自由がある。

だが、ファンの心に寄り添った作品づくりも重要ではないか?

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