マスタールール改定と新商品・ラッシュデュエル
2019年12月。
イベントで遊戯王の「新ルール」が発表され、ネットで話題になった。
「新ルール」は2つある。
一部には誤解もあるようなので、その内容をまとめたい。
マスタールールの変更:リンクモンスターを出さなくても、融合・シンクロ・エクシーズ召喚が可能に。
遊戯王ラッシュデュエル:OCGと並行した新商品。ルールやカードデザインが違う。
マスタールールの改定:リンクマーカーの制限を緩和
ひとつは、OCGのマスタールールが変更されること。
現ルール:エクストラデッキから特殊召喚するカードは、エクストラモンスターゾーンか、リンクマーカーの先にしか出せない。
新ルール:融合・シンクロ・エクシーズは、エクストラモンスターゾーン・メインモンスターゾーンに好きなように出せる。
一方的な大量展開でインフレした遊戯王。
それを調整する意図で作られたリンク召喚だったが、ユーザーの不満を招いた。
リンク召喚を経由しないと、強いモンスターをたくさん出せないという問題もあった。
そこで、ルールを改定し、リンク・ペンデュラム以外はリンクマーカーの制限をなくした。
リンク召喚の登場で使いづらくなっていたカードも、日の目を見る可能性がある。
逆に、効果を持たないリンクモンスターは存在意義が薄れた。
エクストラリンクの弱体化
自分と相手のすべてのリンクモンスターをつなげた状態を「エクストラリンク」と呼ぶ。
今回のルール改定で、エクストラリンクが弱体化する。
現行(2019年12月時点)のマスタールールではリンクマーカーを利用して、相手のフィールドにもモンスターを特殊召喚できた。
これを利用して、自分のモンスターだけでエクストラリンクができ、相手のモンスターゾーンの制圧も可能だった。
エクストラモンスターゾーンが使えないと、エクストラデッキからの特殊召喚が一切できなかった。
しかし、今回の改定でメインモンスターゾーンが空いていれば、制圧を阻止できるようになった。
エクストラリンクが廃止されたわけではないが、これまでよりも弱くなった。
ラッシュデュエル:OCGとは別のゲーム
今回登場したもう1つの新ルール「ラッシュデュエル」。
これは、OCGとは別に展開する新たなカードゲームだ。
(全く別の商品が発売され、OCGはなくならない。)
- 毎ターン手札を5枚になるようドローする。
- 召喚する権利に制限がない。
など、小学生でも遊びやすい内容になっている。
後述するアニメのPVでは、下級モンスター3体を一気に召喚している場面もあった。
執筆時点では、ラッシュデュエルの詳しいルールはわかっていない。
カードのデザインはOCGと違っており、OCGのデッキと混ぜられるかどうかは明らかになっていない。
このデザインの画像だけがSNS上で拡散し、「OCGが改悪された」とする書き込みもあった。
それはデマなので、信じてはいけない。
ちなみに、カードにはOCGと同様、レベル・種族・属性も書かれている。
偽造防止のためか、見本のテキスト欄は隠されていて、わかっていない。
いわゆるコンマイ語がなくなるのか、注目される。
スピードデュエル・ライディングデュエルとの違い
ラッシュデュエルはスピードデュエル・ライディングデュエルとは全く違う。
スピードデュエルはフィールドを縮小し、メインフェイズ2を廃した簡易的なデュエルだ。
それ以外のルールはほぼOCGに準じており、カードもOCGのものを使う。
このルールは『遊戯王VRAINS』の一部のデュエルと、「遊戯王デュエルリンクス」などのゲームでも使われている。
『遊戯王5D's』のライディングデュエルは、同アニメ内と一部のゲームでしか扱われていない。
「スピードワールド」というフィールド魔法の効果のもとでデュエルをする。
Sp(スピードスペル)という特別な魔法カードと、スピードカウンターを使った効果が特徴だ。
いずれも、ラッシュデュエルとは異なる。
4月からアニメも展開
2020年4月からテレビ東京系にて、「遊戯王SEVENS」が放送される。
遊戯王ラッシュデュエルを基にしたアニメだ。
旧作からスタッフが一新され、キャラクターデザインもこれまでと大きく変わっている。
主人公は小学生の少年で、史上最年少。
PVではコメディタッチな内容もあった。
一方で、管理国家が舞台であり、シリアスな展開もありそうだ。
OCGと同じ「青眼の白龍」を使う敵も出てくる。
このアニメではラッシュデュエルを扱うことが分かっているが、OCGが全く登場しないかは不明である。
見出しや画像だけで判断しないで
今回のルール改定の情報を見て、何らかの勘違いをする人はかなり多かった。
おそらくタイムライン上に流れてきた画像や見出しだけを見て、判断したものと思われる。
世の中にはアニメやゲームを専門とする、企業のニュースサイトもある。
誰かがつぶやいた二次情報ではなく、企業がつぶやいた二次情報を。
できれば公式ホームページなどの一次情報を参照してほしい。