ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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『アイカツスターズ!』の如月ツバサは友達の大切さに気付くことができたのか?

孤独を恐れる女の子・如月ツバサ

アイカツスターズ!12話「はばたくガールフレンド♪」は非常にモヤモヤさせる回だった。筆者は、ツバサが改心したのか、してないのか、確信できないでいる。このエピソードのあらすじは以下の通りである。

 


冒頭、ライブをするゆめとローラ。ローラは不安がるゆめを勇気付ける。2人は、向かい合い、輪を描きながら踊る「みつばちのキス」を披露した。

 

その帰路、怪しい生物を目撃したゆめとローラは、逃げ惑い、門限に遅刻する。生徒会長の如月ツバサには理由を話しても信じてもらえず、2人はお仕置きとして掃除をさせられる。通りがかった芦田有莉曰く、厳しく見えるツバサには人気の秘密があるという。掃除を終えた2人はツバサから労いの言葉とご褒美のラムネを貰う。ゆめは、叱った後に見せるそうした優しさにツバサの人気の秘密があると理解した。

 

翌朝、臨時の身だしなみ検査があり、ゆめ達はツバサから指導を受ける。指導を受けた生徒の中に、寮の規則に反してペットの亀を飼っている者がおり、ツバサはいつにない厳しさを見せた。S4のお茶会でもそれは話題になり、香澄夜空は、「ツバサならその子の気持ちがわかるはずだ」と指摘する。しかし、ツバサは、アイドルとして1人で強く生きていくためには仕方ないと弁明したのであった。S4の3人は、間違いを指摘したが、ちょうどその時、怪しい生物の噂が学園内で広まっているという報告があった。

 

ツバサは、全校生徒を集め、怪しい生物がいないことを証明するため、捜索を行う。ツバサ曰く、心に弱さがあるから怪しい生物という幻を見るのだという。しかし、ゆめとローラは怪しい生物の羽ばたきを聞きつけ、怪しい生物を追跡する。ゆめは怪しい生物を追いかける途中で足を捻ってしまい、ツバサに「逃げてください」と伝える。しかし、ツバサは、生徒会長が大事な生徒を置いて逃げられるわけがないと、ゆめを抱きかかえる。その時、ツバサとゆめは怪しい生物に遭遇する。怪しい生物の正体は、かつてツバサのペットであったフクロウのホーちゃんであった。ツバサは、ホーちゃんとの過去を語り始める。

 

ツバサは幼少期から引っ込み思案で友達がいなかった。両親は、ツバサを積極的な子にしようとアイドルスクールに入れ、歌を習わせた。四ツ星学園に入学すると、白鳥ひめが立ちはだかったため、劇に転向した。仲間とのアイカツが楽しいツバサであったが、同時に仲間がいなくなることを想像し、孤独感に苛まれた。そんな時に出会ったのがホーちゃんであり、ホーちゃんは孤独感を埋め合わせるための心の支えになった。しかし、ホーちゃんとの接触が禁止されると、1人で強い人間にならなければならないという使命感を持ったのだという。ツバサは自分を弱い人間だと思っており、後輩に強い人間になってもらうために、厳しく指導をしてきたのだ。

 

ホーちゃんは、ツバサの前に、家族と思われる3羽の仲間を連れてきた。ツバサはホーちゃんが1人ではないことを知り安堵する。ゆめが、それが(ホーちゃんにとっての)S4であると指摘すると、ツバサは大いに笑った。

 

ゆめ達が話をつけ、問題の生徒は亀を実家に返すことになった。ツバサは「強い子だ」と言い、生徒を褒める。再びS4の元に戻ると、ツバサは自分にはかけがえのない友達がいるのだと実感したのだった。

 

 

このストーリーからは、ツバサが心を入れ替えたと取ることも、心を入れ替えていないととることもでき、やや後者の意味合いが強いようにも感じられる。どうやら、S4はツバサの心の支えになっているとは言い切れないようだ。

 

ツバサの考え:人は孤独

ツバサは、人は1人で強く生きていかなければならないと思っている。それは、人は心の支えとともに生きることを禁じられているからで、そう思ったのは、自分が実質的に飼っていたペットを取り上げられた経験からだった。幼少期に友達がいなかったという経緯もあり、ツバサは今、友達がいながらも、孤独を感じている。S4のことは心の支えと認識していなかったようだ。

 

ツバサは改心したのか?

前述の通り、今回解釈が分かれると思ったのが、ツバサが改心したのかどうかだ。一方で、S4を心の支えと認識して自分が弱くても良いと認めたような描写があるが、他方、モノローグで孤独感を強調したり、ペットを手放す(=孤独になる)ことを選んだ後輩を強い子だと褒め称えたりするシーンがあった。たしかに「今の私にはどこまでも一緒に羽ばたいて行けるかけがえのない友達がいる」と語っているのだが、1人で強く生きていくことを称賛しているので、一概に改心したとは言えない。

 

強いのは仲間がいるから

ツバサの根本的な間違いに、仲間を心の支えとすることを否定していることがある。1人でもステージに立てるのは、支えてくれる仲間がいるからだ。それは大スター宮いちご祭りでもそうだったし、ゆめが初めてソロライブをやった時もそうだった。冒頭にゆめとローラの一見関係なさそうなステージを入れたのは、アイドルが仲間同士で支えあっているというのを表現するためだったのであろう。1人だけれど、1人ではないのが、アイドルなのだ。

 

ツバサは心の支えに気付けるのか?

今の段階では、S4がツバサの心の支えになっているとは言えない。だが、残りの3クールできっと気付くことができるはずだ。ツバサにおける問題を認識しているのが、亀の生徒の心の支えになることを約束したであろうゆめと身近な友達であるS4の3人であることも大きい。今年はシリアスな部分にも踏み込んでくれる作品だと信じているので、ぜひもう1段階進んでもらいたい。

 

チラシの裏:episode Solo

今回のテーマから、エンディングテーマ曲「episode Solo」を連想した人も多いと思う。たしかに、episode Soloの1番の歌詞は、ステージに立つ時は1人でも、いつでも(同じ状況にある)仲間の支えがあるという内容になっている。だが、2番の歌詞も重要だ。2番は、あなたには素晴らしい才能(贈り物*1 )があるのだから、自分の才能を信じて表現していこうという内容である。つまり、自己肯定感を持つためには、何が必要かというのがこの曲のテーマになっている。その答えとして、仲間と才能に対する自信という2つを挙げているのだ。ツバサは自分の才能を信じることを忘れてかけている。せっかく八千草先生に才能を認めてもらっているのに、「弱い人間だ」と言うのは非常にもったいない。次の機会があれば、自分の才能に自信を持つようになってほしい。

 

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*1:才能と贈り物は英語では共にgift。与えられた(giveされた)ものが原義のようだ。

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