ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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引き続き、「公式ネタバレ」(情報解禁)について考える

ファンから嫌がられる公式の情報

前回に引き続き、「公式ネタバレ」について考えたい。テレビ番組や映画の公式アカウントが情報解禁をしただけで、ファンが「ネタバレだ」と騒ぐ事態は憂慮すべきだ。昨日起こった主な情報解禁の中にはそうしたファンからの反発を受けたものもあった。以下にその内容をまとめる。

 

 

昨日起きた出来事

  • 幼児向け番組の新キャラクターのビジュアルとキャスト、関連する玩具がメディアを通じて情報解禁される。しかし、一部の大人ファンがネタバレだと騒ぐ。昨年の同様の情報解禁に比べて情報は減っていた。

 

  • 大人向けのアニメ映画の追加キャストが情報解禁され、出演者がSNSで役柄を説明する。しかし、一部のファンがネタバレだと騒ぐ。そうしたファンは試写会以降、ネタバレを防ぐために同作品の公式アカウントや作品名などをブロック(拒絶)またはミュート(非表示)していた。


いずれのケースにおいても、公式は宣伝のためによかれと思って情報を流している。映画であればチケット、子ども向けアニメであれば玩具が売れなければ、その先はない。大手メディアで流れる番組や映画は公共事業・慈善事業ではなく、あくまで商売なのだ。知りたくない情報を知ってしまった怒りやもどかしさはわかるが、公式や関係者に怒りを向けるべきではない。前回の記事でも触れたが、対処法についてより深く考えたい。

 

 

 

前回の記事

前回の記事では、ミュートだけでは対処しづらいので、ユーザーが知りたくない情報を避けられるような見出しや、語りすぎず含みをもたせた記事を書くように提案した。これではまだ不十分である。

 

www.ajo-biani.com

 

ミュートとは

Twitterの公式アプリには、ユーザーの望まない情報を非表示にする機能がついている。例えば、ヘイトスピーチをするアカウントや気に入らない暴言(言葉)などを見えないようにすることができる。アカウントのミュートに関しては、相手に知られずに非表示にできる点がブロックと異なる。避けたい情報を避けることができる反面、ユーザーの想定していない新情報(追加キャストである役者のツイートなど)には対処できない。

 

ネタバレ避けの弊害

行きすぎたネタバレ避けは賢明とは言えない。公式の情報にはファンに買ってほしいグッズの販促などもあるわけで、それが避けられてしまうと売上げの減少につながる。映画であればその人が観てくれるとわかっているだけマシだが、テレビアニメだと1人が作品を観るだけではあまり効果はない。


もちろん、前述の通り、オピニオンリーダーであるファンによって蜘蛛の巣式に情報が広がっていくことが想定されている。新規ファンの参入が難しくなっていく関係上、作品が長続きすればするほど、既存のファンが重要になっていく。だから、オピニオンリーダーが情報を閉ざしてしまうと公式にとっては大打撃となるはずだ。たくさんの人に知ってもらって、たくさんの人に買ってもらう。このモデルが崩壊してしまうと、あなたが愛している作品に未来はないのだ。

 

ネタバレ避けの限界

そもそも、ネタバレへの自主防衛は完全にできるわけではない。まだまだ穴があり、「ネタバレ被害」を避けるのは難しい。もちろん、一部には、情報を積極的に見ている人にとっても損害になるネタバレがある。

 

子ども向けと先行公開

子ども向け作品では子どものハートを掴むため、児童誌に情報を載せるなどして積極的に情報を公開している。キャラクターが登場する前に公開された映画に、該当するキャラクターを先行登場させることもある。このような性質上、情報が本編に先行して出てしまうのは致し方ない。キャストに有名タレントを起用する場合もあり、スポーツ紙に載ることもある。放送するテレビ局、製作委員会に参加した局ではワイドショーで流れるかもしれない。子ども向け作品で解禁された情報に触れることは避けられないのだ。

 

略語や隠語の存在

ユーザーが作品名を表すのに略語や隠語を使う場合がある。中には略しすぎてミュートできないものも存在する(例:「ラ!」)。思い思いのハッシュタグを使ってつぶやいている人もいるので、そこまでミュートしようとするとキリがない。カタカナ語の組み合わせ*1がミュートからこぼれ落ちる場合もあり、完全なミュートは難しい。

 

オート爆撃の被害

映画『名探偵コナン』で、「犯人は◯◯(実際の犯人の名前)」を騙るアカウントが、映画を観たいがまだ観ていないと思しき人のツイートにいいねをつける、という被害があった。さすがに犯人の名前は避けようがないので、映画を観ようと思っていた人や映画関係者には手痛い一撃となった。もちろん、悪質なbotはTwitter側が規制をかけているので、製作陣の通報があれば停止に追い込まれる。だが、知らされてしまった人のワクワクは戻ってこない。この手法が他作品でも横行してしまうと、誰もSNSを見なくなってしまうだろう。

 

www.j-cast.com

 

書き手の対処

ここまで見てきたように、書き手としても、受け手としても、公式ネタバレを避けるのは難しい。そこで、今回もいくつか対処法を考えたい。

 

ネタバレ防止メディアを使う

情報を踏むまでにワンクッション置くことは大切である。Google社が「続きを読む」ボタンを嫌っているという報道もあるが、こうしたワンクッションが必要なときもある。何に関する情報が載っているのかをきちんと教えてから情報を出した方が不快感を防ぐことができるはずだ。それに加え、最近ではネタバレ専用のメディアもある。ユーザーが映画などの物語の核心を伏字にして投稿し、ページを開いた人だけがそれを見ることができるという仕組みだ。これを情報解禁に活用すれば、情報を知りたい人だけが情報にアクセスすることができる。


ここで問題になるのは、知りたい人にだけ情報を流しても宣伝にならないということだ。宣伝の目的は、新情報を話題にすることによって、新規客を獲得することにあると言っても過言ではない。そこで、公式サイトやネットメディアには、解禁情報を見たくなるような文句で新規ユーザーを解禁情報ページに誘導することが求められる。

 

RTキャンペーンを行う

リツイートキャンペーン(RTキャンペーン)では、情報を拡散することに報酬をつける。例えば、リツイート(RT)をした人のうちから数人を選んでプレゼントをする場合がある。他にも、RT数に応じてゲームのプレイヤー全員に報酬を配るなど、情報を拡散すればよいことがあることをユーザーに経験させる取り組みが行われている。このようなキャンペーンを行えば、ツイートは拡散してもよいのだということをユーザーに認識させることができる。「公式ネタバレ」を嫌うユーザーを気遣うだけでなく、「公式ネタバレ」を拡散するようユーザーの意識を変えていくことも大切だ。

 

受け手の対処

マインドセットを変える

ユーザーの側も、公式と同じSNSを使っている限り、情報を避けることはできないということを受け入れるべきだ。公式からの情報を知ることで得をする場合もあるし、知らないで恥をかいたり失敗したりすることもある。映画やイベントについて下調べをしてから行くこともファンの礼儀だ。そういう意味では、作品の内容に触れないような書き込みは積極的に拡散した方がよい。

 

ネタバレのないSNSに移住する

こちらが今回の一番大きな提案である。マストドンのようにジャンル別で区切ることのできるSNSを使えば、旧作限定・ネタバレ禁止の交流空間を作ることも可能なはずだ。そうすれば、公式情報が載ることもないので、知りたくない情報を知ることを防ぐことができる。それでもって、旧作の話題で盛り上がることができる。もちろん、公式アカウントがあるSNSと掛け持ちすることができるので、「公式ネタバレ」を見たい人はそちらにも行けばよい。そうした住み分けをすることで、「公式ネタバレ」が嫌な人もSNSで盛り上がることができるのだと思う。


ただし、これは自主的にやることだ。そうしたSNSが作られなければ意味がないし、本人がそのSNSを利用しなければ、ネタバレは避けられない。これはあくまで提案なので、私は作る気がないことを明言しておく。いずれにしても、長く愛されるコンテンツを作るには、作り手とユーザー双方の歩み寄りが必要だ。

*1:「◯◯のネタバレ」であれば◯◯がNGワードなのでミュートできるが、「◯◯ネタバレ」だと「◯◯ネタバレ」で1語として認識されてしまい、ミュートできない可能性がある。

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