ホビーアニメを観ていたらいつの間にかアホになっていた

現在放送中の子ども向け番組を中心に、アニメや特撮ドラマについて書いていく。毎話「感想」を書くわけではなく、気になった話数や一般的な議論に関する記事を書く予定だ。

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【ウルトラマンタイガ】第1話 タロウの息子で新規ファンの育成へ

星人・怪獣も大活躍 舞台は宇宙人が溶け込む地球

『ウルトラマンタイガ』の第1話が放送された。

 

警備会社社員の主人公がウルトラマンとともに、悪の宇宙人らに立ち向かう。

地球人社会に溶け込む善意の宇宙人も登場するなど、令和の地球が意識された内容となっている。

 

 

 

 

第1話「バディゴー!」

民間警備組織E.G.I.S.が活躍する地球。

そこでは、隊員の工藤ヒロユキらが依頼人の河津を護衛していた。

 

ヒロユキは宇宙人の襲撃を受け、河津の保護していた怪獣の赤ちゃんを奪われる。

「サーベル暴君マグマ星人」は赤ちゃんを人質に取り、「時空破壊神ゼガン」を暴れさせる。

 

そこに、「雛怪獣ベビーザンドリアス」の親である「若親怪獣ヤングマザーザンドリアス」が襲来。

さらに、謎の男が「最凶獣ヘルベロス」を召喚し、ゼガンとヤングマザーザンドリアスに牙を剥く。

 

そうした中で、ベビーザンドリアスはガレキに挟まり、身動きが取れなくなっていた。

窮地に陥った赤ちゃんとヒロユキを救ったのは、ウルトラマンタイガの力だった。

 

『ウルトラマンタイガ』の設定:3体のウルトラマンとアクセサリー

「トライスクワッド」が主人公に協力

『ウルトラマンタイガ』では、3体のウルトラマンが登場する。

彼らは「トライスクワッド」というチームを組んでいて、主人公・工藤ヒロユキに協力する。

この3体は、いずれも過去のウルトラマンに関連した新ウルトラマンである。

 

メインとなるウルトラマンタイガは、ウルトラマンタロウの息子だ。

タロウは初期のウルトラマンであり、ウルトラ6兄弟の末っ子である。

肉体派ではあるが、強力な光線技・ストリウム光線も放つ。

 

ウルトラマンタイタスは、ウルトラマンジョーニアスの星・U40出身である。

これまでは、テレビドラマシリーズのウルトラマンが多く使われていた。

アニメ作品の『ザ☆ウルトラマン』関連の姿は異例だ。

 

最後に、ウルトラマンフーマは、『ウルトラマンオーブ』が初出の惑星・O-50出身。

O-50は前年の『ウルトラマンルーブ』にも登場していて、2年連続で取り上げられている。

3人の中では唯一のニュージェネレーション関連であり、オーブの根強い人気を感じさせる。

 

ウルトラシリーズのファン育成のために

トライスクワッドの元ネタは、新・旧・マイナーで構成されている。

特に、タロウは家族の象徴として、長年親しまれている*1

そういう意味では、ファミリー層とマニアの両方を意識しているようにも見える。

 

同時に、メインターゲットの子どもが古いウルトラマンに興味を持つのを、期待しているのではないか?

そうも感じられる。

 

実際、テレビ東京の動画配信サイト「あにてれ」では、『ウルトラマンタロウ』『ザ☆ウルトラマン』の有料見放題配信も始まっている。

それに、歴代ウルトラマンを集めた大型イベントも毎年開かれている。

円谷プロはシリーズ全体のファンを作りたいようだ。

 

変身アイテム:ウルトラマン・怪獣のアクセサリー

工藤ヒロユキは、「タイガスパーク」にウルトラマンのアクセサリーをかざして変身したり、必殺技を撃ったりする。

 

タイガ・タイタス・フーマのキーホルダーで変身。

歴代ウルトラマンのブレスレット(◯◯レット)で特別な必殺技を発動。

怪獣・星人のリングもあるが、1話時点では使用していない。

 

これらのアクセサリーには、タイガたちの力が込められている。

タイガが持っていたオーブレットは、戦いに行く際に、オーブ(生存)から託されたものだ。

 

最近はアイテムをがちゃがちゃ動かす変身も多く、大人のファンからはテンポが悪いとの指摘もあった。

今年はアイテムを握ってポーズをとるだけなので、シンプルである。

一方で、ニュージェネレーションでお馴染みの「インナースペース」は令和ウルトラマンでも健在だ*2

 

トライスクワッドは、過去作のウルトラマンに関連する新しいウルトラマンだ。

新・旧・マイナー作品を参照したのは、ファンを育成するためか?

ニュージェネレーション特有の要素を残しつつも、変身バンクのテンポが改善されている。

 

『ウルトラマンタイガ』のストーリーについて

宇宙人が溶け込む社会:善と悪が入り乱れる

E.G.I.S.のある地球では、宇宙人が地球人社会に溶け込んで生活している。

この作品では、その地球に善悪が入り乱れている様子が描かれる。

 

ウルトラシリーズでは、宇宙人は悪人として描かれることも多い。

マグマ星人やその手下は、地球人に変装して悪事を働いていた。

それに対して、今回登場した河津は善人として描かれた。

 

つまるところ、今作では「人の善悪はアイデンティティに依存しない」という主張を全面に押し出している。

また、悪いのはアイデンティティを隠すことではなく、悪事それ自体であると示唆している。

 

ウルトラシリーズでは、人のアイデンティティについて描かれた回も多くみられる。

今回の設定は、令和元年の地球人社会を表したものではないか?

 

実は宇宙人? 正体のわからない人物たち

第1話では、河津の正体が暗示(ほぼ明か)されているが、その他にも正体のわからない人々がいる。

 

怪獣を召喚した謎の人物(何レギアなんだ?)は、少しセリフを喋っただけで、謎に包まれたままだ。

ヒロユキの先輩・宗谷ホマレも、地球出身ではないことを匂わせている。

社長・佐々木カナも何かを知っている素振りを見せていた。

 

いずれにしても、誰が地球人で、誰が宇宙人かわからない状況だ。

正体が明かされていくのかどうかも、見どころのひとつといえよう。

 

工藤ヒロユキとウルトラマンたち:力を合わせて強敵を倒す

1話は、力のない民間人をウルトラマンが助けるという構図だった。

とは言っても、ウルトラマンを神的な存在としては描いていなかった。

 

たしかに、ウルトラマンタイガは工藤ヒロユキの危険を察知し、助言した。

ヒロユキがピンチになると、ウルトラマンに変身する力を与えた。

タイガは地球人・宇宙人河津・赤ちゃん怪獣などの弱い存在を、悪の怪獣から守った。

 

でも、強いウルトラマンが弱い存在を一方的に守っているわけではなかった。

そもそも、タイガは強敵・トレギアに負けている。

一方、ヒロユキは弱いながらも、河津やベビーザンドリアスを必死で守ろうとした。

 

そんな2人は力を合わせ、謎の男の召喚したヘルベロスを撃破した。

どちらかといえば、「弱い者同士がバディを組んで、強大な敵を倒す」というのがタイガにおけるウルトラマン像であろう。

 

地球人社会に宇宙人が溶け込んでいるが、そうした宇宙人の全てが悪とは限らない。

メインの登場人物の中に、宇宙人と思しき人物がいる。

弱い地球人と弱いウルトラマンがバディを組み、強大な敵に立ち向かう。

 

ウルトラ怪獣・星人も活躍

ウルトラマンタイガでも、星人・怪獣は活躍する。

星人・怪獣が大事なキャラクターであるという考え方は、タイガでも変わらない。

 

第1話では、2大怪獣の戦いに新怪獣・ヘルベロスが乱入した。

元来、ウルトラ怪獣はスーパー戦隊の怪人と違い、必ずしも悪の象徴ではない。

そのため、善の怪獣・悪の怪獣の対立や、怪獣同士の潰しあいも描けるわけだ。

 

3体も出したのは、第1話特有の大盤振る舞いに違いない。

とはいえ、他にも新怪獣の登場予定があるようなので、怪獣の活躍に期待したい。

 

それから、宇宙人が地球人社会に溶け込んでいる設定上、今作には星人も多く登場するようだ。

第1話でも、悪事に加担する様々な星人が出てきた。

どの星人がどんな悪事を働くのか、毎話が楽しみである。

*1:タロウはウルトラの父(ウルトラマンケン)とウルトラの母(ウルトラウーマンマリー)の息子であり、タイガは2人の孫にあたる。晴れて三世代家族となった。

*2:ウルトラマンの変身者が精神空間でアイテムを操作する。必殺光線の発射やタイプチェンジ(姿を変える)などで登場する。

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