『プリティーリズム・レインボーライブ』無料配信にも効果が
今、2013-2014年のアニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』が再び話題になっている。
続編であるテレビアニメ『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』(以下、キンプリ)の放送に伴って、ネット上で無料配信が行われているためだ。
実は、理由はそれだけではない。
キンプリのスタッフは、「予習」「再放送」以上のことを考えていた。
この記事では、一連の盛り上がりの経緯と理由について書きたい。
ヒプノシスマイクとのコラボが発掘した意外な層
ラップを題材にしたコンテンツ『ヒプノシスマイク』とコラボした。
キンプリとヒプノシスマイクはともに若い女性に人気があって、コラボ先としては申し分なかった。
ところが、ヒプノシスマイクのユーザーは意外な層を含んでいた。
かつて、プリティーリズム・レインボーライブを楽しんでいた元小中学生女子だ。
どういうこと?
実は、元々のターゲット層だった小中学生女子は、キンプリ第1作の公開までにコンテンツから離れている。
このコンテンツはプリティーリズムだけに注目すれば、以下のような道をたどっていた。
2011年 『プリティーリズム・オーロラドリーム』放送
2012年 『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』放送
2013年 『プリティーリズム・レインボーライブ』放送
2014年 アプリ「プリティーリズムシェイク」配信
2016年 『劇場版KING OF PRISM by Pretty Rhythm』公開
2017年 『劇場版KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』公開
2017年 アプリ「KING OF PRISM プリズムラッシュLIVE」配信
2019年 『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』放送開始&劇場版先行公開
(一部割愛)
一方で、表向きには、プリティーリズムの後継作として『プリパラ』『キラッとプリ☆チャン』が放送されている*1。
キンプリは大人のファンが楽しむものとして作られ、小中学生女子はプリパラを見続けるか、「卒業」した。
2019年、かつて小6だった女児たちは、18歳の大人の女性に成長している。
メインターゲットに返り咲いたのだ。
カヅキさんに「懐かしい」の声
ヒプノシスマイクを楽しんでいる女性たちは、レインボーライブ=キンプリであることを知らない。
でも、コラボ上映でキンプリを見たことにより、点と点が線になった。
キンプリにはレインボーライブのキャラクターも出ているので、思い出話がネット上で見られるようになった。
特に、「カヅキさん」は一時Twitterでトレンド入りしていた。
YouTube上でも思い出話が
もちろん、YouTube上での無料配信も、元女児たちの再入学を促進している。
実際に、元小学生たちが懐かしんでいるコメントがある。
「子どもの頃遊んでいた」
「毎週アニメを見ていた」
「当時は気づかなかったけれど、このキャラはこの声優が演じていたのか」
「おすすめ動画にこれがあって、懐かしくなった」
他のキッズアニメの無料配信でも、
「見ていた覚えはあったが、タイトルが思い出せなかったので、配信されてうれしい」
というコメントがあったりする。
無料配信は卒業した人をコンテンツに呼び戻すのに、ちょうどよかった。
これをうまく使えば、リバイバル作品がヒットしやすくなるのではないか?
『KING OF PRISM』は、6年前の『プリティーリズム・レインボーライブ』のリバイバル作品。
メインターゲットであった元女児に人気の『ヒプノシスマイク』とコラボした。
レインボーライブのアニメを無料配信した。
KING OF PRISMを認識していなかった元女児がコンテンツに戻ってきた。
『ダンボール戦機』が「装甲娘」としてリバイバル
ときに、男子小中学生に人気だった『ダンボール戦機』のリバイバル作品があるのをご存じだろうか?
「装甲娘」
奇しくも、大人の男性ファンを狙った美少女コンテンツである。
ダンボール戦機も、YouTubeで無料配信されている。
プリティーリズムと同じく、2010年代初期にヒットしたコンテンツだ。
同様に、元男児であった男性にヒットすることを祈りたい。
ただ、そのためには、今の若い男性にヒットしている作品とのコラボが求められる。
DMMは適切なコラボ先を見つけられるのだろうか?
*1:プリパラ、プリチャンはあくまで続編ではなく後継作。ただし、プリティーリズムのキャラが別人として登場することもある。現行のプリチャンでは、オーロラドリームの春音あいらが七星あいらとして登場している。