明かされるカズオの過去 メリナと対立した理由とは?
『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』は第2章に突入した。
第4話は十王院カケルの回。
カケルは真田の謀略により、マダガスカル支社へ異動となる。
現地社員のリビングストン、王族のメリナと出会い、自らの過去を明かしていく。
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この番組に登場するマダガスカルは架空の国です!
まず、「この話数に出てくるマダガスカルは架空のものです」と言わざるを得ない。
マダガスカル共和国とは?
マダガスカル共和国は、アフリカ南部に位置する島国だ。
18世紀から19世紀はじめにかけて、メリナ王朝が続いていた。
このメリナは人名ではなく、民族の名前である*1。
フランスによる植民地支配を経て、大統領が統治するマダガスカル共和国に移行している。
主要な産業:農業
今回の話を見ると、あたかも国民の多くが観光業に携わっているかのように思える。
でも、実際は国民の約3/4が農業をしている。
それがGDPに占める割合はたったの1/4だ。
マダガスカルの気候は商品作物のバニラ、クローブなどの生産に向いている。
一方で、気象条件が厳しく、主要作物のコメの生産に影響が出る場合がある。
技術力・生産性が低いのも、GDPへの貢献度の低さの一因と言えるだろう。
現在、IMFや世界銀行の協力で、農業の立て直しが行われている。
日本としては、金属であるニッケル・コバルトの生産に期待を寄せている。
天然ガスへの需要が低い
劇中では、マダガスカル支社が天然ガス事業に失敗したことになっている。
燃料の価格の高騰がマダガスカルにおけるリスクであることに間違いはない。
だが、国民の多くが使っているのは、主に薪・木炭・灯油などである。
もし本当に天然ガスが採掘されたら国の財政は潤うだろう。
しかし、ただちに国民の豊かさにつながるかは疑問である。
マダガスカル共和国はメリナ王朝を前身とするが、メリナは人名ではない。
産業に従事する人口で言えば、観光業よりも農業のほうが大きい。
天然ガスの採掘がただちに国民の豊かさにつながるわけではない。
参考:
Energy Subsidy Reform Facility Country Brief : Madagascar (English) | The World Bank
Economic Outlook for Madagascar: Sustained Growth Needs to be More Inclusive to Benefit the Poorest
その他キーワード
朝までカラオケしたい! 歌舞伎町
東京・新宿の最大の繁華街。
戦後の復興で、歌舞伎劇場を誘致する計画もあったが、実現しなかった。
歌舞伎町の名前はその名残である。
カラオケ店もたくさんあるが、日本一の繁華街である。
朝までカラオケしたい方はご予約を忘れずに。
参考:
四ツ谷:再開発計画は実際に進行中
劇中でエーデルローズがあるとされる地域。
四ツ谷駅は武蔵小金井駅と同じ中央線にある。
(ちなみに、タツノコプロがあるのも、中央線の三鷹駅周辺である。)
劇中では四ツ谷駅前が再開発され、統合型リゾート施設ができる予定だった。
奇しくも、現在「四谷駅前地区市街地再開発事業」が進行している。
なお、エーデルローズのモデルとされる建物は四谷地区にないので、ご注意願いたい。
参考:
真田常務:今作の悪役のひとり
『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』から登場。
十王院ホールディングスの役員で、シュワルツローズとつながっている。
九曜会という社内組織に所属し、創業家とは敵対する。
今回、カケルの幼少期から、謀略家だったことが明らかになる。
今話以降も、作中を通して悪役として活躍するのでお楽しみに。
彩瀬なる:前作の主人公
レインボーライブの主人公で、現Dear Crownの店長。
デュオで4連続ジャンプを成功させ、トリオ大会で優勝した経験もある。
が、ソロの公式大会で優勝したことはない。
実質、無冠の女王ともいえる。
でも、心の煌めきは人一倍強い。
謎のプリズムスタァ「りんね」とともに、スタァたちの心をつなげた。
当時心を閉ざしていた神浜コウジを説得し、マイソング「ハートイロトリドリーム」を作らせた。
サイリウムチェンジ:プリパラの演出
プリパラシリーズで、コーデを虹色に輝かせる演出のこと。
ステージがせり上がり、お立ち台のようになる。
ライブのクライマックスに行われ、一番盛り上がるパートだ。
後継作のプリパラで初めて行われた演出であり、プリティーリズム時代には存在しなかった。
歌舞伎町:歌舞伎座が入る計画もあった、日本一の繁華街。
四ツ谷:エーデルローズがあるという設定だが、実際に建物はない。
真田常務:十王院の創業家と対立する悪役。
彩瀬なる:りんねとともにスタァたちをつなげた。
サイリウムチェンジ:コーデを虹色に輝かせる。
十王院カケルという男
プリティーリズムになかった特殊な立ち位置
十王院カケルは、これまでのプリティーリズムにはなかった特殊な立ち位置を担っている。
カケルは主要キャラでありながら、裏方もこなしているのだ。
これまでもお金持ちのキャラが財力を活かす描写はあった。
プリズムショーの裏方や問題の解決に関わるのは、彼だけである。
いわば、プリズムショーの汚い部分を担当している重要人物だ。
『KING OF PRISM by PrettyRhythm』では、シュワルツローズを偵察した。
その後、生体情報を利用した新型のプリズムシステムを試用。
『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』では、大会で実用化している*2。
その大会の裏では、「伍友商事」からエーデルローズへの債務保証を取り付けていた。
そんな彼も、完璧ではなかった。
プリズムショーとの出会いとエーデルローズへの入学
十王院カズオは、仕事でプリズムシステムを担当することになる。
そのマーケティングの段階で見た、彩瀬なるのプリズムショーに魅せられた。
力があった頃のエーデルローズに入学し、プリズムショーを学んだ。
その頃のカズオは、名門の出であることを建前に、十王院カケルという偽名を名乗っていた。
本当は、会社を引っ張っていく「一男」になれる自信がなかったという理由もある。
カケルという名前に込められた意味とは?
十王院カケルは、メインキャラでありながら裏方にも従事している。
仕事の中でプリズムショーの魅力を知り、エーデルローズに入学した。
「経営は愛」 児玉専務の言葉
「不良債権軍団をやっつけろ」と言いながらヒーローの人形で遊んでいたカズオ少年。
児玉専務がかけたのは、「経営は愛」という言葉だった。
真田は経営を金とか権力とか戦いだと思っている。
でも、消費者を思いやることこそが重要だ。
カケルの祖父もビジネスは戦争だと考えているが、愛という点では通底している。
祖父は戦後の復興を担った立役者であった*3。
人々の笑顔のために尽力した。
しかし、児玉専務は真田との戦いに負け、取締役を引き摺り下ろされる。
真田はまさに消費者に目もくれず、カネのために動いていた。
真田常務に引き摺り下ろされた専務取締役がいた。
マダガスカルへ メリナとの出会い
マダガスカルへ島流しにされたカケルはまず、十王院の所有する動物園を視察。
マダガスカルの「豊かな」自然に心を打たれた。
ところが、現地人のメリナは、カケルは身勝手だと指摘する。
メリナは自然を切り拓いて、都市開発することこそが「豊かさ」だと考えていたのだ。
先進国は途上国を貧しいままにし、搾取し続けているとも指摘していた。
メリナは東京や歌舞伎町への憧れを口にする。
その言葉に対し、カケルは自らのこれまでを語る。
果たして、カケルとメリナは分かり合えるのか?
そして、カケルはなぜPRISM.1より前に左遷されたにも関わらず、PRISM.1に出場しているのか?
衝撃のラストを見逃すな!
カケルとメリナには、途上国の開発に関する意見の相違があった。
[rakuten:book:19591362:detail]
*1:Merina | people | Britannica.com
*2:このとき、プリズムシステムをオープンソース化(プログラムのコードを誰でも無料で使ってよいことに)している。日本の規格が諸外国との競争に負けることを危惧しての行動だった。これがカズオの左遷の原因となる。
*3:何歳だというツッコミは置いておくとして。