第36話 桜の木に隠された秘密 ここたまタウンに意外な役割も
『キラキラハッピー★ひらけ!ここたま』 第36話「ここたまタウンのひみつ」が放送された。
このエピソードにより、ひらけここたまの世界の仕組みが明らかになった。
未就学児向けのファンタジー作品だと思われていただけに、
- 滅亡を防ぐために未来からの介入があったこと、
- ここたま自体に世界を支える役割があったこと、
- 「ここたまタウン」が聖地「ここたま界」の再現であったこと
は意外であった。
パワースポット・桜の木はここたま界とつながっていた!?
モノを大切にすると幸せになれる。
その信仰を支えていたのは、1本の桜の木だった。
実は、桜の木はここたま界とつながっている。
- モノを大切にすると、見習い神様・ここたまが生まれる。
- ここたまは、陰で人々に奉仕する。
- 人々のモノへの感謝の気持ち*1は、ハッピースターとなり、ここたま界へ送られる。
- 桜の木から幸せの力・キラキラパワーが放出される。
人間の間では、桜の木は願いが叶うというパワースポットだった。
他の町にも、ここたま界とつながる場所があるようだが、同じような信仰があるのだろうか?
モノを大切にしないと不幸に
『かみさまみならい ヒミツのここたま』では、契約者がここたまを一人前に育てなければならないという設定だった。
この設定に対しては、「ここたまを育てるぐらいだったら、モノを捨てたほうがマシでは?」という意見も多かった。
ひらけここたまでは、桜町を救うという主人公の目的に、ここたまが協力する形になった。
そして、今回、新たな設定が加わった。
モノを大切にしないと、不幸になる。
ここたまがハッピースターを作るからこそ、人は幸せである。
ここたまが生まれないと人は不幸になる。
いわば、ここたまは世界の歯車のひとつだ。
マイナスパワーの発生:桜は力を失う
桜町の人々は、なんらかの理由でモノを大切にしなくなった。
その結果、大量のマイナスパワーが発生した。
ここたま界とのつながりもなくなった。
人々は不幸になり、ここたまの一部も桜町を去った。
このままでは、世界の歯車が回らなくなる。
桜の木はマイナスパワーを浄化しようと試みたが、力及ばず。
生命力を失い、花が咲かなくなった。
桜は星ノ川はるかを契約者として選び、ここたまタウンを作らせた。
自らの花びらから作られた「リボン」をそのパートナーとした*2。
桜町を元に戻せるのは、はるかだけだ。
桜の木:幸せを運ぶパイプライン。
ここたまが幸せの素を作っている。モノを大切にしないと不幸になる。
不幸が増えた結果、桜の木は機能を停止した。
ここたまタウン=地上のここたま界
ここたまタウンは、単なるここたまの街ではなかった。
ここたま界を地上に再現したものであった。
地上に極楽を再現した建造物としては、平等院鳳凰堂が有名である。
同じく仏教でいえば、寺院の外や中に作った、門前町や寺内町がある。
地上の極楽を中心に街を作り、仏のご利益を得ようとしたのだろう。
ここたまタウンも、ここたまキャッスルを中心にして、ここたま界を再現している。
ここたまと同じ超自然的な力:転送・回復・幸せの製造
建物の多くは、大切に使われていた古いモノ(骨董品など)が変身したものだ*3。
当然、ここたまのように、超自然的な力を持っている。
モノの転送、薬の調合に加え、ここたまを一瞬で回復させる施設もある。
ハッピースターをキラキラパワーに変換する役割も担う。
キラキラパワーの生成は本来、ここたま界の役割である。
桜町とここたま界とのつながりが断たれた今、ここたまタウンがその代わりをする。
世界のシステムを代替するという意味では、スペースコロニーなどに近いのかもしれない。
ここたまをつなぎとめる場所
ここたまタウンは、ここたまたちをつなぎとめる場所でもある。
マイナスパワーが発生して以降、ここたまの桜町の外への流出が止まらない。
ここたまには自分の意思があるため、居心地が悪いと町を去るのだ。
そうした中で聖地のコピーを作るのは、ここたまを集結させ、つなぎとめることにもつながる。
実際に、一部のここたまは桜町になんらかの力を感じ取り、町の外から来ている。
ここたまタウンは、ここたま界の機能を地上にバックアップしたもの。
タウンの建物は骨董品などから作られ、幸せを作り出せる。
桜町から去ったここたまが再び集まるための拠点でもある。
未来のここたま・ニッキーが登場
はるかの前に現れたニッキーは、300年後から来たここたまだった。
ニッキーが言うには、300年後でも桜町の問題は解決していない。
それどころか、(現代から数えて)600年後には桜町が滅亡するシミュレーションも存在する。
シミュレーションとは、スーパーコンピュータがさまざまな条件から未来を導き出すことだ。
天気予報をすごくしたもの、だと思ってもらえればよい。
最近では、南海トラフ地震の被害の予測も行われている*4。
桜町の滅亡は600年後。
とはいえ、すでに多くの人が不幸を感じはじめている。
600年は遠い未来ではない。
「困っている」の深刻化:まほうのたまごによる介入
ハッピースターはどうしたら生まれるのか?
困っている人を、ここたまがお手伝いしたときに生まれる。
でも、最近その「困っている」が深刻化している。
不幸とも呼べる状態になっているのだ。
魔法や、はるか自身による当事者へのコンタクトの失敗も増えてきた*5。
そこで、ニッキーはより強い魔法を出せる「魔法のたまご」を開発した。
通常の魔法では局地的にしか降らない雨を、より広い範囲に降らせられるようになった。
魔法を蓄積できるので、別々の場所で同じ魔法を使う(本人+たまご)ことも可能だ。
果たして、ニッキーの介入によって、桜町は救われるのだろうか?
600年後に桜町が滅亡するシミュレーションもある。
300年後の未来のここたま・ニッキーが歴史に介入し、滅亡を防ぐ。
事態がどんどん悪化していく緊迫感
3クール目が始まると、物語がジェットコースターのように展開した。
問題の解決を期待させておきながら、どんどん事態が悪化していく。
何度ノルマを達成しても状況が悪化していく緊迫感は、女児向けと呼ばれるジャンルではなかなか味わえない。
建物がそろっても、ここたまタウンが「完成」しない。
ここたまタウンが完成したのに、桜が眠りについてしまう。
このままでは、半年後に枯れる。
タウンが完成して以降も、人々が不幸を感じている描写は増える一方だ。
9月始まりのため、通常であれば、8月に一区切りを迎える。
6月からの4クール目でどのように話が動くのか、注目したい。
[rakuten:jism:12393366:detail]
*1:モノに感謝しているわけではないが、問題を解決させた霊的な存在への感謝はたしかにある。
*2:元となったリボンには桜の花びらが封じられていた。そのためか、「リボン」(ここたま)には桜の声が聞こえる。
*3:星ノ川はるかは不思議なカギを持っている。そのカギを使うと、パワーを持つ骨董品をここたまハウスに変形できる。ナイトランプの中に居住空間があるなど、物理的にはありえない変形を遂げる。
*4:参考:
南海トラフ巨大地震、首都直下地震の被害と対策に係る映像資料 : 防災情報のページ - 内閣府
*5:桜が咲かなくなってから、はるかが契約者に選ばれるまで、ここたまたちは魔法が使えなくなっていた。最近の魔法の失敗も、マイナスパワーの影響と考えられる。