わかりづらいストーリーの構成も解説
第1話の導入を経て、『KING OF PRISM-Shiny Seven Stars-』が本格的にスタートした。
2話ではついに、大会「PRISM.1」が幕を開ける。
エーデルローズのトップバッターは、女形のプリンスとも呼ばれる歌舞伎役者「太刀花ユキノジョウ」だ。
美しくも残酷な彼(女)のショーに酔いしれよ。
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PRISM.1:7人と1ユニットの対決
PRISM.1では、エーデルローズとシュワルツローズの代表7名がプリズムショーで競い合う。
ソロショーは10000karat、ユニットショーは20000karatが満点となっている。
計8回戦の総合得点の高い方が賞金1000億円を手にする。
主役側・エーデルローズの7人に加え、シュワルツローズの3人も個別回がある。
ユニット「ザ・シャッフル」の4人にも出番はあるので、ファンは気を落とさないでほしい。
物語の構成:大会とストーリーが同時進行
このシリーズでは、大会をやりながらストーリーを回想している。
初見では分かりづらいので、軽く説明を。
過去、大過去、現在
今期の2話以降は、過去パート、大過去パート、現在(大会)パートに分かれている。
当然のように、PRISM.1開催前の過去から始まる。
クライマックスのプリズムショーに向けて、各人の背景説明が行われる。
例えば、2話では「ユキノジョウが前の大会を辞退したのはなぜだろう?」ということで、ユキノジョウの身の上話が始まる。
いわば、過去の時点から大過去を振り返っている。
最後は、現在のPRISM.1に戻り、プリズムショーをする。
要注意:大会パートと過去パートを重ね合わせる回も
ところが、今期の構成は一筋縄にはいかない。
大会パートと過去パートをオーバーラップさせている回がある。
そうした回では、大会と同じプリズムショーを過去パートでも演る。
だが、画面上で描写されるのは大会のプリズムショーである。
その後、過去パートのプリズムショーが終わりましたという想定で、過去パートに戻る。
過去パートでプリズムショーをする際は、セリフでもプリズムショーをしますと言うので、お聞き逃しのないように。
過去パートの時系列:順不同か?
今作の話数は、演技の順になっている。
だが、過去パートは必ずしも時系列順ではない。
後半の話数の過去パートで、大会のルールの確認や準備をしている描写もある。
時系列を誤解していても、本編の内容の誤解にはつながらないと思う。
なので、頭の片隅にでも置いておいてほしい。
PRISM.1:7人と1ユニットが順番に演技する。
毎話は大会前の過去パート、そこから回想した大過去パート、現在の大会パートで構成される。
過去パートと現在パートで同じプリズムショーをした想定のシーンがある。
現在パートは時系列順だが、過去パートは時系列順ではない。
キーワード:藤娘と連獅子
さて、今回のキーワードは歌舞伎の演目「藤娘」と「連獅子」である。
藤娘は、藤の花の精が女性の姿になって舞う演目。
昭和時代までは、伝統的な型があった。
今は6代目尾上菊五郎がアレンジしたものが一般的になっているようだ。
参考: 歌舞伎への誘い | 『藤娘』
連獅子は獅子が子育ての一環として、子どもを谷底に突き落としていたとされる伝説を描く。
長い毛を振り回す「毛振り」が特徴で、今回のプリズムショーにも取り入れられている。
参考:国立劇場歌舞伎情報サイト | 独立行政法人 日本芸術文化振興会
上記の2つは知らなくても理解に支障はないが、知っていたほうが楽しめる。
ユキノジョウはどうやって挫折から立ち直ったか?
上にも書いた通り、ユキノジョウはある挫折を経験し、大会を辞退していた。
この話数では、その真実を明かす。
『PRIDE the HERO』におけるユキノジョウとその後
ユキノジョウは歌舞伎の稽古に身が入っておらず、父から注意を受ける。
道具を見るに、このときも藤娘の稽古をしていたのだろう。
これを受け、ユキノジョウはプリズムキングカップへの出場を辞退し、シンに譲った。
自分ではなく、シンがよいと言って。
第2話では、その真意を紐解く。
同学年のミナトとカケルは、ユキノジョウに本音をぶちまけた。
シンに譲ったのは建前だったのではないかと。
問い詰められたユキノジョウは、自分はプリズムショーからも、歌舞伎からも逃げていたと懺悔する。
ユキノジョウの帯びた使命
そして、ユキノジョウは彼の生い立ちについて、エーデルローズの仲間たちに話す。
ユキノジョウは幼い頃、父の稽古を見て、歌舞伎役者に憧れていた。
だが、自分が稽古を始めたとき、ある挫折を経験する。
そのときの母の衝撃的な行動が、ユキノジョウの記憶に鮮明に刻まれている。
その経験から、ユキノジョウは血の運命から逃れられないことを悟った。
自分の中で整理がついたユキノジョウは、改めてプリズムショーと歌舞伎に向き合った。
別の日、ユキノジョウは母から父と祖父の過去について聞いた。
祖父は、歌舞伎には血だけではなく、魂が重要だと言っていた。
国立屋の血を受け継ぎ、自分の魂を吹き込む—
—彼は太刀花ユキノジョウのプリズムショーをして、父の心を動かした。
「藤娘」と「連獅子」は、今回のストーリーとプリズムショーにおけるキーワードである。
ユキノジョウは。血と魂のプリズムショーをした。
プリズムショーに注目
2話はユキノジョウの母・紫子を演じた久川綾さんの演技に圧倒される回だった。
それ以上に、CGの衣装の質感や、歌舞伎を取り入れた斬新なプリズムショーに目を奪われた。
プリズムジャンプが演出するカタルシスは、今作でも健在だ。
いずれにしても、トップバッターとしては十分すぎる内容だった。
3話以降も衣装や演出が光っているので、お見逃しなく。
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